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特集 2018年11月19日

ベトナムの貧困農村地域での強靭な橋梁建設に日本の知見が貢献

2018年11月19日 
東京 

災害と気候変動に対する橋梁の強靭化と超高性能コンクリート(UHPC)の最先端技術に関する日本の知見と経験をベトナム運輸交通省(MoT)および道路総局(DRVN)の運輸専門家と共有するため、知見交換研修と視察が実施されました。この研修は、世界銀行運輸グローバル・プラクティス・グループと「日本-世界銀行防災共同プログラム」が日本政府の協力の下、2018年11月19日から25日まで、ベトナム政府の気象災害に強い橋梁建設を支援する世界銀行の取り組みの一環として実施しました。

この知見交換研修は、ベトナムの参加51省の農村地域における自治体の管理下にある道路資産の管理プログラム(LRAMP)の目標へ直接寄与するものです。具体的に、都市部から離れた地域のアクセス性と橋梁による接続性の改善を目的とするLRAMPの下で実施されるプロジェクトには今回の研修で共有された日本の知見と経験が適用されます。これらの目標を達成するため、確実な技術を基にした低コスト・低炭素ソリューションの試行により、取り組みが進められています。

知見交換研修には、MoTおよびDRVNの運輸の専門家11名に加え、LRAMP目標の支援活動に従事する世界銀行ベトナム事務所の運輸専門官および世界銀行東京防災ハブの防災専門官が参加しました。「ベトナムの斜張橋の建設とメンテナンス」に関するDRVNの取り組みについては、橋梁調査会(J-BEC)が主催した第5回国際橋梁シンポジウムでもプレゼンテーションが行われました。

 

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写真1:UHPCの材料特性について語る大成建設の武者 浩透氏の説明に聞き入るベトナム代表団。写真提供:世界銀行

参加者は、首都高速道路(MEX)、橋梁調査会(J-BEC)、世界道路協会(PIARC)、国際連合地域開発センター(UNCRD)、大成建設、土木研究所(PWRI)、国土技術政策総合研究所(NILIM)、エスイー(SEC)、東京大学の代表者を含む、日本のさまざまな専門家と協議を行う機会を持ちました。特に、(i) 災害と気候変動リスクを管理するシステム計画に基づいた手法、(ii) 道路/橋梁資産管理技術と制度的取り決めに関する日本と世界の先進事例、(iii) 二酸化炭素排出と災害への脆弱性を低減する革新的な材料と構造の検証、の3点を議題にした話し合いが行われました。

世界銀行東京事務所で行われた会合では、運輸交通省の専門家が、ベトナムの農村地域での接続性を改善するUHPC製橋梁の建設促進の必要性について意見を述べました。東京防災ハブは今後も、ベトナムの運輸専門家のニーズに取り組み、災害と気候変動に強いインフラ構築においてベトナム政府を支援するために、今回の知見交換研修から得た知見や技術を取り入れるための話し合いを進めていきます。

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写真2:東京大学の長井研究室を訪問したベトナム代表団。写真提供:世界銀行

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写真3:大成建設の専門家と共に、金沢八景にあるUHPC製橋梁:野島橋を訪れたベトナム代表団と世界銀行東京防災ハブチーム。写真提供:大成建設



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