世界銀行東京防災ハブ

日本―世界銀行防災共同プログラム(本プログラム)は、日本政府と世界銀行のパートナーシップにより構築されたプログラムで、クライアント国の気候変動や自然災害に対する強靭性の向上を支援しています。本プログラムは、技術支援プロジェクトの提供(プロジェクト一覧は以下地図参照)、および災害リスク管理分野における日本や世界の知見と優良事例を途上国や世界銀行のチームと共有することにより、目標の達成を目指します。

日本政府と世界銀行のパートナーシップの下、世界の開発アジェンダを支援しており、2030年持続可能な開発目標(SDGs)、パリ協定、仙台防災枠組みで掲げた目標を途上国が達成できるように後押しする上で、本プログラムは重要な役割を果たしています。

国・地域別プログラム

下記の地図は、本プログラムが100カ国以上で支援する、220件以上の技術支援プロジェクト、(2022年6月時点)現在総額1億5100万ドル超の資金提供の詳細を示しています。詳細についてはインタラクティブ版をご覧ください。


プログラムの背景と発展

日本と世界銀行は、途上国の災害に対する強靭性を 高めるための支援を目的として長い間、連携しパートナーシップを構築してきました。日本は防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)にその 2006年設立当初から拠出しており、重要なメンバーです。2011年の東日本大震災を機に知見の提供、啓発活動、プロジェクト支援を通じてこうしたパートナーシップ は一層拡充しています。

日本―世界銀行防災共同プログラムは、日本政府の資金援助をもって2012年に世界銀行とGFDRRが共同で作成した仙台レポートにもとづいて計画されました。2014年より開始したプログラムは、途上国の国家開発計画や投資プログラムにおける防災の主流化を目的としています。これを達成するため、技術協力、パイロットプロジェクト、能力強化、そして日本の知見・経験を防災に活かすための専門家派遣を通じた支援を行っています。

設立から4年間のプログラムの成果にもとづいて、2018年4月に日本政府と世界銀行はこのプログラムを更新することに合意し、財務省から新たに支援を受けました。更新されたプログラムは 2024年まで実施され、次の3つを重点分野として支援を行っています。
1. 強靭なインフラ
2. リスクの特定、削減と備え
3. 災害リスクファイナンスと保険
次の5年間の主な活動目標は、世界銀行の国別事業とプロジェクトを通じた途上国の国家開発計画や投資プログラムにおける防災の主流化です。

プログラムの3つの重点分野

  1. 強靭なインフラ
    設計、施工、維持管理、緊急時対応計画を含めたインフラ投資のライフスパンにわたる全ての段階において、防災の知見とプロセスを取り込むことを目的としたプロジェクトの計画や実施を支援します。
  2. リスクの特定、削減と備え
    リスクの特定、リスクの削減、国の防災機関による包括的な取組みや質を高める活動を支援します。
  3. 災害リスクファイナンスと保険
    災害後の資金ニーズについて事前に理解し、抑えることを検討、計画および対応するための能力強化を通じて、途上国の自然災害に対する財政面における強靭性の強化を目指す活動を優先します。

    災害リスクに関する政策設計と分析、インフラや社会分野における気象災害への強靭性の主流化に向けた国家政策枠組みの採用、また建築規制や土地利用計画システムの強化等の活動への協力を通じ、日本―世界銀行防災共同プログラムは国家の防災力向上に貢献しています。さらに、東京防災ハブによる支援は、世界銀行のクライアント国に対する強靭なインフラへの投資を促す役割も果たしています。

東京防災ハブの役割

世界銀行東京防災ハブ(東京防災ハブ)は、日本―世界銀行防災共同プログラムの日々の運営管理と、防災、質高インフラ、持続可能な都市開発における日本の知見と経験を積極的にレジリアンスプログラムや防災の活動に繋げる活動を行っています。東京防災ハブは、東京開発ラーニングセンター(TDLC)、質の高いインフラ投資(QII)パートナーシップ、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティー(GIF)等、日本が支援する他のプログラムと連携することで強靭なインフラに対する投資効果を最大限化しています。

さらに、東京防災ハブは、自然災害リスクに対する途上国の強靭性を高めるために欠かせない防災の専門性、知識、技術を繋げるファシリテーターとしても機能しています。
東京防災ハブは、下記の事業を実施しています。
1. 途上国の世界銀行プロジェクト準備および実施を支援
2. 途上国への日本の防災専門家派遣
3. プロジェクトから得られた知見と教訓の発信
4. 日本―世界銀行防災共同プログラムのモニタリングと評価

東京防災ハブの協力により、現在プログラムが支援する多くのプロジェクトにおいて日本の防災の知見が活用されています。

本プログラムでは、220件あまりの技術支援プロジェクトを通じて世界100カ国以上を支援し、(2022年6月)現在総額1億5100万ドル超の資金提供をしています。

これらのプロジェクトは、災害リスク管理の方針・解決策の評価および設計に向けた各国の能力強化への鍵となっており、たとえばインフラや社会的分野において、災害や気候の影響に対する強靱性強化の主流化を目指すための国家政策枠組み採用の支援や、建築基準および土地利用計画システムの強化などです。さらに、これらの活動はクライアント国が強靭なインフラへの投資に世界銀行の融資を動員することに役立っています。

インタラクティブ版を閲覧するには地図をクリックしてください。

国・地域別プログラム

この地図は、日本―世界銀行防災共同プログラムが設立当初から現在(2022年6月)までに支援しているすべての技術支援プロジェクトを示しています。地図の左上にはグローバルプロジェクトが示されています。

地域別プロジェクトリスト(ソート可能)

「強靭性強化の成果事例」では、日本―世界銀行防災共同プログラムの技術支援プロジェクトによって達成された成果と結果を報告しています。成果に関する情報は、主に以下の4つの枠組みに沿って提供されています。
1. 開発における課題
2. 資金供給やその他の資源に関する情報
3. プロジェクトやプログラムの成果
4. クライアント国が得た結果とプロジェクトから得られた教訓に対する日本からの貢献
このような情報は、本プログラムの年次報告書や、プロジェクトの詳細報告でも示されています。日本―世界銀行防災共同プログラムは、災害リスク管理への介入がクライアント国に与える効果と強靭性の向上を評価する方法の改善に取り組んでいます。これは、モニタリング手法およびプロジェクト報告の質を高めることで推進しています。

仙台防災枠組みで挙げられた優先行動は、設計から実施まで、本プログラムが支援する全てのプロジェクトに組み込まれており、プロジェクト設計の提案段階から、仙台防災枠組みの優先事項に合致されています。そして、プロジェクトの進捗と成果は、仙台防災枠組みと、その4つの優先行動に対して年に2回モニタリングされています。



国際復興開発銀行(IBRD)シリーズ
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    上エジプトにおける強靭な道路交通への技術支援

    プロジェクト期間 : 2021年2月3日―2022年10月31日
    日本―世界銀行防災共同プログラムは「上エジプトにおける強靭な道路交通への技術支援」を通じ、上エジプトの4県(ケナ県、ソハーグ県、ミニヤ県、アシュート県)における道路交通の強靱化のために、包括的なRAMSの作成および運用を支援します。これにより、道路資産の継続的なモニタリングや評価が可能となり、道路の維持管理における計画や優先順位付けが改善され、緊急対応や復旧などライフサイクルを通じて維持管理を計画的に行うことに貢献します。
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    インドネシアの都市に向けた強靭な都市交通診断

    プロジェクト期間 : 2020年2月8日―2021年9月30日
    日本―世界銀行防災共同プログラムの技術支援プロジェクト「インドネシアの都市に向けた強靭な都市交通診断」は現在準備段階の「インドネシアの主要交通プロジェクトへの支援(仮訳)」に向けて、強靭性の構築に関する基準について国レベルの技術ガイドラインを策定・普及させることを支援しました。また、主要交通への投資についてリスク情報を活用した意思決定が可能となるよう運輸省及び公共事業・国民住宅省の高官の技術能力を強化しました。

国際開発協会(IDA)シリーズ
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    タシケントの都市強靭性戦略及び投資計画の策定を支援

    プロジェクト期間:2019年11月13日―2022年6月30日
    都市強靭性を構築するためには、まず具体的なショックやストレス、とりわけタシケントが直面する自然災害を特定する必要があります。日本―世界銀行防災共同プログラムの技術支援プロジェクト「タシケントの都市強靭性戦略及び投資計画の策定を支援」は市の職員が、タシケントが抱える自然災害に対する脆弱性をより明確に理解することを目的としています。
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    モンロビア広域圏でのマルチリスク評価の支援

    プロジェクト期間 : 2020年2月3日―2022年1月31日
    日本―世界銀行防災共同プログラムの技術支援プロジェクト「モンロビア広域圏でのマルチリスク評価の支援」は、モンロビア広域圏における複合災害や気候変動リスクに関する知識や理解を深め、将来的なインフラへの投資に貢献することを目標としています。
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    ブルキナファソ・ワガドゥグにおける洪水に強靱な主要交通計画

    プロジェクト期間:2020年2月11日―2021年6月30日
    都市の交通システムの強靱性を改善するため、日本―世界銀行防災共同プログラムは、洪水やその他のハザードリスクを空間計画や技術デザインに取り入れ、また都市交通計画や管理において洪水リスクを体系的に考慮することができるよう、国および市の組織の能力を向上することを目的とした技術支援プロジェクト「ブルキナファソ・ワガドゥグにおける洪水に強靱な主要交通計画」を実施しました。
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    小島嶼開発途上国における交通システムの気象・災害に対する強靱化

    プロジェクト期間:2019年6月26日―2022年4月30日
    日本―世界銀行防災共同プログラムの技術支援プロジェクト「小島嶼開発途上国における交通システムの気象・災害に対する強靱化」を通じ、バヌアツおよびソロモン諸島(太平洋地域)、セントビ ンセント(カリブ海地域)およびカーボベルデ(アフリカ地域)の4カ国における交通機関の強靱性を高めてきました。

強靭性強化の成果事例

プロジェクト成果概要
  • 強靭な交通

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    グローバル:災害に対して強靭な鉄道開発

    背景:インドの鉄道網は世界屈指の規模となっており、年間80億人にのぼる乗客と11億トンもの貨物を輸送しています(2016年)。 要点:都市部の鉄道プロジェクトに災害リスクに対する検討事項を盛り込むためのガイドラインを作成し、気象災害と従来の強靭性レベルに関する研究を支援しています。この研究によって、適切な早期警報システムに向けた提言と、運用可能な緊急事態準備および気象災害に対する強靭性の強化に向けた提言が行われています。 成果:このプロジェクトは、国際復興開発銀行(IBRD)の「東部専用貨物鉄道プロジェクト」(6億5,000万ドル) の実施に技術支援をしています。さらに、東京防災ハブは日本の専門家をインドに派遣し、鉄道網の早期警報システムと規制に関する優良事例を共有してきました。
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    グローバル:強靭な交通インフラプログラム

    背景:交通セクターへの投資は持続可能な開発に不可欠であり、人々を仕事や医療サービス、教育などにつなげています。気候の影響が自然災害による被害を深刻化し続ける中、投資した交通セクターが地滑りや洪水、地震などの気象災害にさらされることが増えています。 要点:グローバル・プロジェクトは、ケニア、ラオス、パラグアイ、ペルー、セルビアという気象リスクや災害リスクにとりわけ脆弱な5か国における道路交通インフラに寄与しています。プロジェクト活動は、大規模な国家レベルの交通インフラ整備・保守戦略の一環として、気象災害への脆弱性評価報告書の作成を支援してきました。 成果:このような気象災害への脆弱性評価は、各クライアント国で実施する強靭な交通のためのパイロット・プロジェクトの設計に反映されました。特にケニアでは、イシオロ―マンデラ回廊における強靭な道路網の設計に重点を置く、国際開発協会(IDA)の「ケニア北東部交通改善プロジェクト」(5億8,600万ドル)の準備と評価に貢献しました。
  • 強靭な水インフラ

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    地域:南アジアにおいて強靭なインフラを促進

    背景:気候の影響を受けやすい現代において、水の安全保障は長期的な強靭性をもたらす中心的要素であり、そうした安全保障を保護するものとしてダムは不可欠です。 要点:プロジェクトによって技術支援が提供され、水資源機構(JWA)の技術者が、インドのマイトンダムの地震後緊急点検マニュアル策定の支援作業に従事しています。 成果:東京防災ハブは、南アジア全体のダムの強靭性を向上させる、持続可能な地震時対応システムの開発に対して技術支援を提供することで、JWAと南アジア現地機関のパートナーシップ強化を支援しています。
  • 構築環境

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    グローバル:建築規制を活用した防災の運用(BRR)

    背景:強力な建築規制の枠組みへの投資は、強靭性を大規模に強化するための最も費用効果の高いツールの1つです。 要点:ジャマイカやインド、ケニアが、建設セクターにおける災害リスクに関する対話を通じて、国家レベルでインフラの強靭性を高めることを支援しています。また、規制プロセスの改革を後押しし、投資ニーズの情報を提供するために建築規制能力評価を構築、現地機関の能力強化を実施しています。 成果:ジャマイカでは、関連する活動が国際復興開発銀行(IBRD)の「災害時脆弱性軽減プロジェクト」(3,000万ドル)の実施に貢献しました。活動によって建築法の可決が円滑に進み、ジャマイカ規格基準局の建築基準改定に寄与し、政府の建築基準に関する訓練プログラム実施を支援しています。
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    ペルー:ペルーの教育分野における災害リスク管理の主流化

    背景:学校施設を耐震基準に合わせるという日本の経験は、政策策定、プログラム設計、ファイナンス方式、プログラム実施に関し、途上国に重要な教訓を提供しています。 要点:このプロジェクトは、ペルーの教育省が、国内初となる学校施設のための地震リスク軽減に向けた国家計画を策定・実施することに役立っています。 成果:公立学校の改修耐震補強という日本の経験を土台とし、さらには日本の文部科学省の技術支援を受け、ペルーの教育省は2017年に地震に対する脆弱性軽減プログラムである「リマ計画」(10か年計画、30億ドル)の実施を開始しました。このプログラムによって2021年までに12,000校の強靭性を高め、現在リスクにさらされている推計250万人の子どもが恩恵を受けることになります。
  • リスクの特定

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    ブラジル:ブラジルにおける災害リスク管理意思決定の刷新

    背景:近年の技術革新により、地理空間的データを収集・評価・伝達する方法の改良が進み、費用も減少してきました。 要点:ブラジルでは洪水による資産の暴露リスクを特定するために、プロジェクトによってリモートセンシング技術とドローンを試験的に導入しました。 成果:このような活動により、セアラとサルバドルにある2つの州政府の災害リスクに関する理解を深めること、さらに防災を主流化し地域計画、公共投資、公共ファイナンスに組み込むことが促進されました。
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    ミャンマー:都市・道路インフラへの強靱性構築

    背景:ヤンゴンは、地震や大規模な洪水、地滑りなど多様な自然災害のリスクにさらされています。このような災害は大きな経済的、社会的コストを伴い、貧困層や社会的に脆弱な人々に大きな影響を与えます。 要点:この技術支援は2つのプロジェクトに対して提供され、JICAのヤンゴンでの取組を補完する現在進行中の国際開発協会(IDA)プロジェクト「ミャンマー東南アジア防災プロジェクト」(1億1,700万ドル)、さらには世界銀行チームがJICAと密に連携して行った道路投資を含むプロジェクト「ミャンマーの洪水・地滑りからの緊急復興プロジェクト」(2億ドル)に貢献しています。 成果:日本のアジア航測株式会社が、光による検知と測距(LiDAR)を用いて洪水リスクのデータを取得し、エンジニアリング・コンサルタントである日本工営株式会社がデンマークのSweco社との合弁事業により、ヤンゴンの排水施設整備の設計・管理の準備を整えています。
  • リスクの削減

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    太平洋諸島:太平洋レジリエンス計画(PREP)の下、太平洋島嶼国におけるリスク削減およびリスクファイナンスの規模拡大

    背景:太平洋諸島には小さな島々が点在し、さらには生物多様性が脆弱なことから自然災害に非常に弱く、結果として起こるリスクに対する管理能力が低くなっています。 要点:災害に対する強靭性・早期警報・事前準備を強化させること、また特にトンガとサモアに重点を置きながら、太平洋島嶼参加国の災害後対応能力の向上を目指しています。 成果:世界銀行と東京防災ハブの支援を受けた国の技術チームが、トンガ国内の地震監視所および監視システムに必要な改善点を特定するため、日本の技術者と連携して取り組んでいます。
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    フィリピン:フィリピンにおけるリスク削減のための投資への規模拡大を支援

    背景:フィリピンは環太平洋火山帯と並んで位置しているため、地震活動と火山活動が頻繁に発生しています。 要点:国の建築規制の強化に重点を絞ったプロジェクト活動に、日本の専門知識が大きく貢献しました。一方、台風30号ハイエンとボホール島のマグニチュード7.2の地震後の現地評価はJICAと協同で実施されました。 成果:専門家の支援が国家建築基準の改訂に対して提供され、さらには国際復興開発銀行(IBRD)の「災害リスク繰延引出しオプション付き災害リスク管理開発政策借款」(5億ドル)実施時に、フィリピン政府を支援しました。
  • 災害に対する事前準備

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    アフリカ:水文気象プログラム

    背景:水文気象による災害は、世界全体の災害による損失のうち90%を占めています。正確な天気予報と早期警報システムが人命を救い、水文気象災害によって後退する危険性のある開発を確保し、生産性を高めます。 要点:このプログラムでは、水文気象サービスおよびシステムの近代化に投資するアフリカの8か国に対し、技術面および政策レベルでの助言サービスを進めています。 成果:ブルキナファソ、チャド、マリ、ニジェール、トーゴでは、総額約2億ドルの投資プロジェクトを設計する際に行われた評価から得られた、成果や提言が活用されています。
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    インドネシア:インドネシアの都市強靭性と緊急事態準備強化への投資

    背景:各国政府が災害リスクを管理し、効果的な緊急事態対応サービスを提供することは重要であり、とりわけインドネシアのような災害の多い国では不可欠です。 要点:プロジェクト活動によってインドネシア政府の洪水リスク管理能力、またダムの運用における緊急事態準備能力の向上に貢献しています。東京防災ハブは、日本政策投資銀行など日本から専門家を特定、派遣しました。派遣された専門家は、障害者を包摂する開発、革新的な資金調達メカニズム、グリーンインフラに関する優良事例を共有し、プロジェクトの実施を支援しました。 成果:日本からの支援により、都市部の洪水リスク管理への大規模な投資の強化が今後期待されます。
  • 災害リスクファイナンスと保険

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    カンボジア、ラオス、ミャンマー:東南アジア地域における災害リスクファイナンス、リスク削減、および水文気象サービス提供に関する戦略的計画の策定

    背景:災害リスク削減、リスクファイナンシング、水文気象システムにおける戦略的投資や成果を特定する目的で、地域プロジェクトが活用されています。 要点:地域プロジェクトは、国際開発協会(IDA)の融資の支援を受けるカンボジア(6,000万ドル)、ラオス(3,000万ドル)、ミャンマー(1億1,600万ドル)の3つのプロジェクトの設計および実施に貢献してきました。ワークショップや研修には計およそ200名の政府職員が参加し、各国政府の災害リスク管理能力の強化につながりました。 成果:財政面の強靭性と解決策に関する政策対話が深まり、東南アジア災害リスク保険ファシリティ(SEADRIF)をはじめとする革新的な地域を対象としたリスクファイナンソリューション策の準備を支援するための基礎が築かれました。
  • 世界銀行投資案件へのサポート 

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    パキスタンにおける堰整備の能力構築

    2018年10月、東京防災ハブは、シンド州政府とパキスタンの灌漑局の職員を対象に、14日間にわたる研修プログラムを石狩市、札幌市、東京都にて開催しました。 要点:このプロジェクトは、ベースライン調査方法とモニタリング計画の開発、またインダス川下流における土砂流送モデルのより良い理解に向け、パキスタンを支援しています。 成果:この研修により、パキスタンのシンド州政府と学術機関からの参加者は、日本の専門家と結びつきができ、堰の運用、土砂堆積のモニタリングと管理、統合的な水資源管理に関する優良事例を学ぶ機会が提供されました。国際復興開発銀行(IBRD)の「シンド州堰整備プログラム」(2億800万ドル)の実施強化に、この共同研修が貢献しています。
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    ベトナムにおける強靭な橋梁建設の能力向上

    2018年11月、東京防災ハブは世界銀行の運輸グローバル・プラクティス・グループと共同で、ベトナムの運輸専門家を対象とした1週間にわたる知見交換研修と視察を主催しました。 要点:視察の間にベトナムの当局者は、橋梁の強靭化の向上と超高性能コンクリート(UHPC)を用いた橋梁建築に関し、日本の経験から学びました。ベトナム道路総局および運輸交通省の専門家が、日本の官民セクターの専門家と優良事例について情報・意見交換を行いました。日本からの参加者には、首都高速道路株式会社や大成建設株式会社、東京大学などの代表者が含まれています。 成果:この視察により、ベトナム政府の強靭な橋梁を建設する能力が向上し、国際復興開発銀行(IBRD)の「自治体の管理下にある道路資産の管理プログラム」(3億8,500万ドル)の実施に貢献しました。
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    アフガニスタンにおける水文気象・早期警報サービス強化のためのロードマップ

    アフガニスタン政府と世界銀行との緊密な協力を通じて、アフガニスタンの水文気象・早期警報サービスを強化するためのロードマップが、プログラム活動によって作成されました。 要点:このロードマップには、アフガニスタンがどのように水文気象サービスと早期警報サービスを優先して進め、国の制度面での能力を向上させることで人命と生活を守り、より広範な社会的・経済的発展を後押しできるのか、その方法の概要がまとめられています。アフガニスタン特有の課題と成果も、このロードマップで特定しています。一例として、広大な監視ネットワークを構築せずにサービスの提供を改善する必要性があることが挙げられます。 成果 :このロードマップは、「灌漑復旧・開発プロジェクト」(7,100万ドル)および「アフガニスタン農村部アクセス・プロジェクト」(3億2,500万ドル)など、アフガニスタン国内の国際開発協会(IDA)の活動に対し、貢献してきました。また、アフガニスタン政府はこのセクターの発展に向けた手法を開発しているため、このロードマップが同政府によって活用されています。
  • 日本の防災専門家派遣と知見の共有:プロジェクトから得られた教訓の配信

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    インドに対するダムの安全管理技術支援について協議会を開催

    2018年8月、インド政府、州政府、中央水委員会、世界銀行ダム復旧・改修プロジェクト、水資源機構の関係者、およびその他のステークホルダーが、世界銀行東京事務所にてインド政府がダムの運用・保守に関して直面している課題について協議し、防災をダムの各プロジェクトに主流化する方法について検討を行いました。 要点:参加者は、日本のインフラ事業における災害リスクと気候リスクへの対応策について学びました。 成果:会議で共有された技術的な知見や優良事例、専門知識は、今後の日本との協力について検討する際の参考材料となります。
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    日本のグリーンインフラ投資専門家から学ぶインドネシア

    2018年8月、インドネシアにおける革新的な都市洪水リスク管理のワークショップに向けて、東京防災ハブは日本の専門家の選出と派遣を支援しました。これは、インドネシア国内で現在進められている都市の強靭性と緊急事態準備に関するプロジェクトの一環として行われたものです。 要点:日本政策投資銀行地域企画部の荘浩介氏および北栄階一氏が、グリーンインフラと都市洪水リスク軽減投資に関する革新的なアプローチを共有し、とりわけグリーンボンドや官民パートナーシップについて紹介しました。 成果:この知見共有により、都市洪水リスク管理のためにグリーンインフラと革新的な投資成果を模索することを目的とするインドネシアと日本の協働について、さらに関心が高まりました。
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    チュニジアでの自治体投資と都市計画における防災の合理化

    チュニジアのプロジェクトでは、地方自治体や地域社会が災害リスクをより理解し、現地での計画立案において防災の主流化を可能にする参加方式のアプローチを用いています。在チュニジア日本大使館と国際協力機構(JICA)より、この技術計画立案委員会に初期段階からご協力を頂きました。 要点:JICAが資金提供したプロジェクトから作成されたリスクデータが、このプロジェクトの一環として整備されたリスクマップに反映されることで、そのプロジェクトの質に大きく貢献してきました。さらに、日本の民間セクター(八千代エンジニヤリング株式会社)の専門家がリスクマップ開発担当の専門家と面談を行い、洪水リスクデータ収集に関わる情報交換を行いました。 成果 :この日本の専門家との情報交換が、洪水リスクマップ開発とリスクデータ収集法の改善に関して貢献しました。
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    日本の専門知識を災害リスクファイナンスと保険(DRFI)に活用

    2018年10月、バヌアツにてリスクファイナンスを理解する太平洋フォーラム(URf Pacific)2018が開催されました。 要点:国際協力機構(JICA)の馬場仁志氏が、日本の緊急調達協定から学んだ教訓についての論文を、緊急事態対応計画に関するワークショップで発表しました。 成果:この共有は、クック諸島、マーシャル諸島、サモア、トンガ、バヌアツによる大洋州自然災害リスク評価および資金援助イニシアチブ(PCRAFI)緊急事態対応計画の策定に反映されました。DRFIにおける日本の専門知識と経験は、現在進められている社会保護および産業の強靭性に関する事例研究にも反映されています。


テーマ別分野と年次報告書 <下記リンクをクリックしてご覧ください>
1. 強靭なインフラ 2. リスクの特定、削減と備え
3. 災害リスクファイナンスと保険  
4. 年間報告書・パンフレット  







1. 強靭なインフラ
 

2. リスクの特定、削減と備え
 



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