日本―世界銀行防災共同プログラム(本プログラム)は、日本政府と世界銀行のパートナーシップにより構築されたプログラムで、クライアント国の気候変動や自然災害に対する強靭性の向上を支援しています。本プログラムは、技術支援プロジェクトの提供(プロジェクト一覧は以下地図参照)、および災害リスク管理分野における日本や世界の知見と優良事例を途上国や世界銀行のチームと共有することにより、目標の達成を目指します。
日本政府と世界銀行のパートナーシップの下、世界の開発アジェンダを支援しており、2030年持続可能な開発目標(SDGs)、パリ協定、仙台防災枠組みで掲げた目標を途上国が達成できるように後押しする上で、本プログラムは重要な役割を果たしています。
下記の地図は、本プログラムが100カ国以上で支援する、220件以上の技術支援プロジェクト、(2022年6月時点)現在総額1億5100万ドル超の資金提供の詳細を示しています。詳細についてはインタラクティブ版をご覧ください。
プログラムの背景と発展
日本と世界銀行は、途上国の災害に対する強靭性を 高めるための支援を目的として長い間、連携しパートナーシップを構築してきました。日本は防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)にその 2006年設立当初から拠出しており、重要なメンバーです。2011年の東日本大震災を機に知見の提供、啓発活動、プロジェクト支援を通じてこうしたパートナーシップ は一層拡充しています。
日本―世界銀行防災共同プログラムは、日本政府の資金援助をもって2012年に世界銀行とGFDRRが共同で作成した仙台レポートにもとづいて計画されました。2014年より開始したプログラムは、途上国の国家開発計画や投資プログラムにおける防災の主流化を目的としています。これを達成するため、技術協力、パイロットプロジェクト、能力強化、そして日本の知見・経験を防災に活かすための専門家派遣を通じた支援を行っています。
設立から4年間のプログラムの成果にもとづいて、2018年4月に日本政府と世界銀行はこのプログラムを更新することに合意し、財務省から新たに支援を受けました。更新されたプログラムは 2024年まで実施され、次の3つを重点分野として支援を行っています。
1. 強靭なインフラ
2. リスクの特定、削減と備え
3. 災害リスクファイナンスと保険
次の5年間の主な活動目標は、世界銀行の国別事業とプロジェクトを通じた途上国の国家開発計画や投資プログラムにおける防災の主流化です。
プログラムの3つの重点分野
東京防災ハブの役割
世界銀行東京防災ハブ(東京防災ハブ)は、日本―世界銀行防災共同プログラムの日々の運営管理と、防災、質高インフラ、持続可能な都市開発における日本の知見と経験を積極的にレジリアンスプログラムや防災の活動に繋げる活動を行っています。東京防災ハブは、東京開発ラーニングセンター(TDLC)、質の高いインフラ投資(QII)パートナーシップ、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティー(GIF)等、日本が支援する他のプログラムと連携することで強靭なインフラに対する投資効果を最大限化しています。
さらに、東京防災ハブは、自然災害リスクに対する途上国の強靭性を高めるために欠かせない防災の専門性、知識、技術を繋げるファシリテーターとしても機能しています。
東京防災ハブは、下記の事業を実施しています。
1. 途上国の世界銀行プロジェクト準備および実施を支援
2. 途上国への日本の防災専門家派遣
3. プロジェクトから得られた知見と教訓の発信
4. 日本―世界銀行防災共同プログラムのモニタリングと評価
東京防災ハブの協力により、現在プログラムが支援する多くのプロジェクトにおいて日本の防災の知見が活用されています。
本プログラムでは、220件あまりの技術支援プロジェクトを通じて世界100カ国以上を支援し、(2022年6月)現在総額1億5100万ドル超の資金提供をしています。
これらのプロジェクトは、災害リスク管理の方針・解決策の評価および設計に向けた各国の能力強化への鍵となっており、たとえばインフラや社会的分野において、災害や気候の影響に対する強靱性強化の主流化を目指すための国家政策枠組み採用の支援や、建築基準および土地利用計画システムの強化などです。さらに、これらの活動はクライアント国が強靭なインフラへの投資に世界銀行の融資を動員することに役立っています。
インタラクティブ版を閲覧するには地図をクリックしてください。
この地図は、日本―世界銀行防災共同プログラムが設立当初から現在(2022年6月)までに支援しているすべての技術支援プロジェクトを示しています。地図の左上にはグローバルプロジェクトが示されています。
地域別プロジェクトリスト(ソート可能)
本プログラムは、防災に関する日本の専門知識やソリューションを世界銀行のクライアント国(途上国)に共有する活動として、日本の公的機関、民間企業、市民団体などの専門家を動員し、クライアント国の防災・気候変動適応を支援しています。
ここでは、本プログラムによる技術支援の成果を紹介します。
最新情報は本プログラムが主催または協力したイベントの概要を掲載します。日本人専門家の役割についてもご紹介します。