- 概要
2025年10月6日から7日にかけて、キルギス共和国ビシュケクにおいて、世界銀行はキルギス共和国非常事態省および日本の総務省消防庁と、緊急事態準備・対応(EP&R)に関する技術的知識共有プログラムを共同で開催しました。
本知識共有プログラムは、キルギス共和国の国家防災月間(9月5日~10月5日)に合わせて実施されました。日本の緊急事態への備えと対応の優良事例を参考に、国家および地方レベルでの救助能力の強化を目的としています。最終日は、国家防災月間の閉会会議「気候変動下におけるキルギス共和国の防災」をもって全日程を終了しました。
今回の知識共有プログラムおよび閉会会議では、(1)消防体制の組織およびガバナンス、(2)早期警報システム、多様な情報伝達チャンネルおよび先行的アクションを含む大規模災害への備えと対応、(3)人材育成および国際協力、そして、(4)都市型捜索救助(USAR)の体制整備、訓練および展開の4点を中心に議論が交わされました。また、参加者は技術的なプレゼンテーションやパネルディスカッションに加え、双方向型の机上シミュレーションにも参加し、意思決定プロセスの検証、難度の高いUSARシナリオへの対応方法の共有、具体的なベストプラクティス例の共有を行いました。
今回参加したキルギス共和国非常事態省第一次官のマンベトフ・アザマト・ムラトヴィッチ氏は、「日本の総務省消防庁のようなパートナーと経験と技術的知見を共有する機会は極めて重要です。ここで共有された教訓と専門的知見は、我が国の災害への備えと対応能力の強化に資するだけでなく、両国および両機関の協力関係をさらに深化させるものです」と述べました。
日本から参加した総務省消防庁の久野克也氏は、「キルギス共和国緊急事態省と消防庁は、防災分野の協力に関する覚書を締結する重要なパートナーであり、本交流は覚書締結後初めて実現した知識・技術交換の機会となりました。先方参加者の積極的な姿勢に刺激を受け、たがいに高め合う有意義な交流となり、今後の両国の防災分野の発展と関係深化につながることを期待しています」と述べました。
今回の知識共有プログラムには日本国大使館および国際協力機構(JICA)の代表者も出席し、合田秀樹・駐キルギス日本国大使(当時)は、「我々の世界水準の専門知識と経験の共有する機会となった、本パートナーシップ及び協力関係に深く感謝するとともに、キルギス共和国緊急事態省のリーダーシップとビジョンに敬意を表します。日本は世界銀行とともに、すべての人々にとってより安全で強靭な未来を築くため、キルギス共和国およびそのパートナーを引き続き力強く支援していきます」と述べました。
今回の知識共有プログラムは、両国の主要な防災機関を結び付けることにより、災害対応の時間短縮、機関間および国際的な連携の強化、そして高リスク地域におけるコミュニティレベルでの備えの拡充に向けた取組みを前進させる一助となりました。
世界銀行グループのカントリーマネージャー、ヒュー・リデルは、「市民向けの情報発信キャンペーンや訓練、教育をテーマにしたコンテストなどの今月の一連の活動は、社会のあらゆるレベルで安全とレジリエンスの文化を醸成しようとする同国の強いコミットメントを示しています」と締めくくりました。
今回、キルギス共和国非常事態省は消防体制のガバナンスと調整機能の強化をはじめ、早期警報システムの改善、多様な情報伝達チャンネルの確立、そして先行的アクションの推進を通じた災害への備えと対応の向上、さらには人材育成と国際協力の強化に関する理解を深めました。また、机上シミュレーションを通じ、USARの訓練および展開に関する実践的な技能も習得しました。これにより、大規模かつ複合的な災害対応時において、より効果的な意思決定、ベストプラクティスの適用、ならびに対応能力の向上が可能となります。
今回の知識共有プログラムは、世界銀行の技術支援プログラムである「キルギス共和国における災害リスクへの備えとレジリエンスの強化(Deepening Disaster Risk Preparedness and Resilience for Kyrgyz Republic)」および「キルギス共和国における緊急事態への備えの強化(Strengthening Emergency Preparedness in Kyrgyzstan)」の下で実施されました。これらの技術支援プログラムは、日本政府が支援する「日本−世界銀行防災共同プログラム」の資金提供、そして世界銀行・防災グローバル・ファシリティの東京防災ハブの技術的支援を受けて実施されています。