ワシントン、2025年9月30日—世界銀行理事会は本日、ベトナム中部のダナン市およびザライ省における、洪水対策と交通の接続性強化を目的としたプロジェクトを承認した。本融資 によって、120万人超の住民が、より良い洪水対策、より安全な避難経路、ならびにより安定した市場およびサービスへのアクセスを享受できるようになる。
「統合型強靭化開発プロジェクト」は、暴風雨および洪水による影響を抑え、必要不可欠なサービスを保護し、主要な経済回廊への年間を通じたアクセスを確保することを目的とする。本プロジェクトは、急速に成長する沿岸部のハブと、農産品および工業製品を沿岸部へ結ぶ高地回廊という、ベトナムの脆弱でありながら経済的重要性の高い2地域を対象とする。頻発する道路閉鎖および迂回を減らすことで、企業および家計のコストを低減し、物流効率の改善にもつなげる。
「深刻な気象現象の影響を背景に、ベトナムのインフラは洪水および沿岸レジリエンスを高めるための適応が不可欠である」と、マリアム・シャーマン世界銀行ベトナム・カンボジア・ラオス担当局長は述べた。「本プロジェクトは、地域住民の安全確保、経済的なつながりの促進、ならびに各省による雇用創出および持続的な成長を促進するインフラ管理能力の強化に重点を置いている。」
ダナン市において、本プロジェクトは河川の流路の復旧および洪水バイパス放水路の整備を通じ、人口密集地区の浸水を軽減し、学校や病院等の必要不可欠なサービスを保護する。ザライ省において、本プロジェクトは、中央高地から農産品および工業製品の重要な輸送拠点であるクイニョン港への年間を通じたアクセスを維持するため、主要道路と橋梁の嵩上げおよび補強を実施する。
港湾および都市中心部への、より信頼性の高い交通接続性は、民間投資の環境を強化し、農業、貿易およびサービス分野における雇用創出を下支えする。また、こうした改善は、観光および地域企業に新たな機会をもたらすことが期待されている。
世界銀行は、「統合型強靭化開発プロジェクト」を支援するため、1億4,500万ドルにおよぶ融資を提供する。本プロジェクトは、防災および持続可能なインフラに関するベトナムの国家戦略と整合している。
本プロジェクトは、日本政府の支援のもと、防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)が管理する「日本-世界銀行防災共同プログラム」を通じて技術支援およびグラントを受け、準備が進められた。