台風、豪雨、豪雪、洪水、干ばつ、さらに熱波、寒波などの気象・水文関連の災害による被害は世界中に大きな損失をもたらしてきました。1980~2011年の統計によると、気象・水文に関連した災害は災害数全体の約80%、災害による死者数の50%以上を占めています。
こうした災害への最も効果的な対応策の一つとして、気象・気候・水文サービスや早期警報システムの充実があげられます。また、気象・気候・水文情報の有効活用は防災に寄与するのみならず、気象や気候条件の変化に影響を受けやすいセクターの生産性を年間最大でおおよそ300億ドル向上させることができると見積もられています。気象・気候・水文サービスへの投資は費用対効果が高いと考えられ、世界銀行もこの分野への投資を近年積極的に増加させてきました。その一方で、日本もこの分野において途上国への最重要支援国の一つであり、アジア・太平洋地域を中心に多大な貢献をしてきました。また、日本では国土交通省や気象庁が中心となり、気象・気候・水文サービスが提供されていますが、これらは世界でも最先端のサービス提供機関のひとつであり、気象・水文機関のグローバルネットワークの中で重要な位置を占めています。実際、気象庁は国内に限らず、アジア太平洋諸国へ気象衛星「ひまわり」の画像配信はじめ様々なサービスを提供するなど世界気象機関 (WMO) と連携しグローバルなサービス提供機関としての役割を果たしてきました。
本セミナーでは日本が国として取り組んできた気象・水文サービス近代化の歴史や教訓、日本や世界銀行がこれまで行ってきた途上国支援の経験を踏まえ、今後の気象・気候・水文サービス支援のあり方について議論します。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
プログラム
開会挨拶
塚越 保祐
世界銀行グループ 駐日特別代表
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講演
ブラディミル・ツィルクノフ
世界銀行 防災グローバル・ファシリティ 主席専門官
「気象・気候・水文サービス支援に関する効果的な開発パートナーシップの推進」PDF (英語) | ビデオ
羽鳥 光彦
気象業務支援センター 理事長
「日本の気象サービスに関する考察および開発途上国における日本の経験の活用」PDF (英語) | ビデオ
栗城 稔
河川情報センター 河川情報研究所 研究第二部部長・技術士
「日本の水文サービスに関する考察」PDF (英語) | ビデオ
羽鳥 光彦・栗城 稔
「途上国における気象・気候・水文サービスおよび早期警報システムの近代化:日本の経験から学ぶ」PDF (英語) | ビデオ
モデレーター
諏訪 理
世界銀行 防災グローバル・ファシリティ 上級防災専門官
(敬称略)
❖ このセミナーは公開用に録画されます。