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日本鋼管 水江工場 ~ 日本が世界銀行から貸出を受けた31のプロジェクト

急伸する産業を支えた鉄鋼


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鋼管製造機械を操作する技術者

1956年2月、日本鋼管、トヨタ自動車、石川島重工、三菱造船に対する4件の世銀貸出が調印されました。急速な国内需要および輸出の高まりに対応するため、世銀のタイドローンにより輸入機械を購入し、工場の近代化・拡張を行なうためです。高まる鉄鋼需要に応じるため、鉄鋼分野では日本鋼管が、前年の八幡製鉄に続き、継目なし中継管製造設備の購入に世銀から260万ドルの貸出を受けることになりました。世銀の貸出は利率4.3/4%で調印され、1956年3月25日に発効しました。これは、輸入機械の支払いにあてるタイドローンでした。

日本鋼管はその後1958年9月、第二次貸出として川崎市にある水江工場の転炉建設のため、2200万ドルを世銀から借り受けました。この頃、世界的好況から日本の輸出は急伸し、鉄鋼需給はますます逼迫していました。産業界からの設備・生産能力の増力を求める声を受け、当初は圧延設備を中心とした老朽設備の近代化に重点を当てていた鉄鋼業界は、56年頃から生産能力の拡大と大型高炉、転炉建設を目指しました。鉄鋼生産は増大し、1959年度の粗鋼生産は1825万トンと、日本はフランスを抜いて世界第五位の鉄鋼国となりました。

 

プロジェクトデータ

調印日:1956年2月21日
受益企業:日本鋼管(1次)
対象事業:継ぎ目なし中継管製造整備
貸出額:260万米ドル
調印日:1958年9月10日
受益企業:日本鋼管(2次)
対象事業:水江工場60トン転炉
貸出額:2200万米ドル

 

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左・右共:鋼管製造機械を操作する技術者

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左:鋼管の積み出し、右:転炉(水江工場)