プレスリリース

中国経済報告:成長は鈍化するも労働市場は堅調、と世界銀行

2014年6月6日


北京、201466 - 世界銀行は本日「中国経済報告」を発表し、中国の成長は中期的には減速を続け、構造変化がより鮮明になるだろうと指摘している。また中国の経済成長率を、2013年の7.7%から2014年に7.6%、2015年には7.5%と予測している。

第1四半期に見られた成長鈍化は、それ以前の成長支援措置の効果減少、外的環境の悪化、特に不動産部門に対する金融引き締めなど、複合的な背景による。だがこの数か月間は、工業生産を含めた経済活動は回復の兆しを見せ始めている。このところの景気加速は、新たな成長支援措置、底堅い消費、外的需要の回復が反映されており、今後2期(半年)にわたって継続する可能性が高い。



中国経済を定期的に分析する中国経済報告は、段階的な調整に伴い起こりうるリスクを挙げている。第一に、地方政府債務の無秩序なレバレッジ解消は、投資拡大の大幅な減速を招きかねない。第二に、特に不動産部門をはじめとする、ある特定のセクターの資本コストや資本アクセスを突然変更すれば、経済活動を大幅に落ち込ませかねない。さらに、純輸出の増加に関連したリスクも想定されるが、これは先進国の回復が減速した場合は発生しないであろう。

「中国にはこうしたリスクに対応するための様々な手立てがあり、アンバランスは段階的で秩序ある調整を通じて解消できるだろう。」と、中国担当リード・エコノミストのコルチン・ゴーは述べている。

同報告はまた、こうした中期的リスクへの政策対応は、主に財政・金融セクター改革を中心に進めるべきであるとしている。まず第一に、シャドー・バンキング・システムなどの急激な信用拡大プロセスの効果的な管理、そして第二に、予算外勘定や非公式な金融システムを通じて蓄積された地方政府債務の段階的で秩序あるレバレッジ解消が求められる。これらの問題を持続可能な形で解決するためには、金融セクターと財政システムの改革が必須である。改革は短期的には成長を妨げる可能性があるが、競争を促進し、保護されているセクターの参入障壁を引き下げ、企業に対する行政負荷を軽減するような政策を強化すれば、その影響は和らげられるだろう。

中国政府はすでに、2013年11月に策定した改革アジェンダの実施に踏み出している。16の分野と60の個別項目から成る意欲的な改革パッケージにより、市場経済における政府介入を減らし、資源分配に果たす市場の役割を強めようとしている。

「こうした改革措置は、今後5年間に中国で見られるであろう成長鈍化の反転を意図したものではなく、構造的な改革措置である。」と、本報告の首席執筆者でシニア・エコノミストのカーリス・スミッツは述べ、さらに「これらの政策措置は、中期的に中国の成長の質を高め、より均衡のとれた、弱者を糾合した持続的成長を促進し、健全な経済発展の基礎を築くだろう。」と続けた。


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プレスリリース番号:
06/06/2014

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