プレスリリース

イノベーションによるジェンダー・プログラムの強化と経済発展の促進をアフリカに-世界銀行

2013年3月8日



ワシントン、201338 – この数年間に多くのアフリカ諸国が着実な経済成長を遂げてきたが、ジェンダーの平等や貧困削減は必ずしも前進していない、と世界銀行は指摘する。

「国際女性の日」に寄せて、世界銀行アフリカ地域総局は、アフリカのジェンダー・プログラム強化への決意を新たにすべく、エビデンスを駆使する2つのイニシアティブを立ち上げた。

一つ目は、アフリカ・ジェンダー・アクションプランで、ジェンダー分野における世銀の支援に関する詳細な5か年計画となっている。二つ目のジェンダー・イノベーション・ラボは、厳密なインパクト評価による科学的ソリューションを駆使するもので、今後世銀が世界の最貧国のために用いる開発ソリューションに変化をもたらすものとなる。世銀はこの2つのイニシアティブを組み合わせ、アフリカのジェンダー関連の貸出業務を科学的根拠を指針として進めていく。

「この10年間に、アフリカ諸国ではジェンダーの平等に大きな進歩があった」と、世界銀行アフリカ地域総局マクタール・ディオップ副総裁は述べている。「ジェンダー・イノベーション・ラボにより、これまでの観念的なジェンダー・プログラムが、今後は新たな段階に進むことになる。これは、サブサハラ・アフリカにおけるジェンダーの平等に関して、何がうまくいき何がいかないかを、これまで以上に質的・量的エビデンスを活用して知識の不足を埋めるという試みだ」と同副総裁は結論付けている。

ディオップ副総裁は、新ジェンダー・イノベーション・ラボは、アフリカにおけるジェンダーの平等達成に向けた各国のモメンタムを維持しつつ、開発ソリューションを提供するものである、と説明している。

アフリカ・ジェンダー・アクションプランは、アフリカ地域のジェンダー格差を解消するための戦略であり、融資とプロジェクトを通じて推進されるジェンダー・プログラムの有効性について、最新のテクノロジーを駆使したツールを用いて得られた実証に基づき、男女双方のための開発を進める。

ジェンダー・イノベーション・ラボは、世銀初の試みとして、科学の力で世銀プログラムの効果を高めようというものだ。同ラボでは既に20件以上のインパクト評価が進められており、奏功についての明確なエビデンスを提供する。英国の国際開発省(DFID)は、ジェンダー・イノベーション・ラボに1800万ドルの資金提供を行った。

DFID及びルワンダ政府との提携により行われたあるインパクト評価は、土地登記により女性の土地投資が男性の2倍のペースで増えたことを示している。また、ブラック(BRAC)及びロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究者が共同で行った別のインパクト評価では、若年女子の団体による生活技能を身につけるための職業訓練プログラムが、妊娠件数を30%減らし、女子の就業を30%高め、意思に反して性交渉を強いられる可能性を75%減らした。いずれも、何が機能するかだけでなく、こうした種類の投資の成果を示す強力な教訓となっている。

2015年以降の目標に、従来とは違う人々の声を反映させる必要性

専門家が指摘するように、新興国や民間セクターの影響が大きくなるにつれ、従来の開発パラダイムのあり方が問われている。またグローバル企業は、サプライ・チェーン全体での社会的責任と収益確保を両立するためにビジネスモデルの刷新を模索しており、このため2015年以降の世界では開発の議論に新たな声を取り入れる必要が生じるだろうとされている。

こうした専門家の間では、新たな声として途上国の女性を特に重視すべきだとする点で意見が一致している。

「途上世界出身者として、またアフリカ出身者として初めて、そして女性として初めて、オックスファム・インターナショナルのような尊敬を集める組織のトップに就くことを誇りに思う」と、UNDPの開発政策局ジェンダー・チーム・ディレクターでオックスファムのウィニー・ビヤニマ次期事務局長は述べる。「極めて大きな権限を担うことになると認識している。私の故郷アフリカや途上世界の人々の声を、世界の人々に届けたいと思う」とビヤニマ氏は言う。

世界銀行は、ジェンダーは、今後サブサハラ・アフリカにおけるすべての開発プログラムの主流に据えられなければならないとしている。もちろんグローバルにも最優先課題とすべきである。

ジェンダー・プログラムは世界的優先課題

世界銀行は世界各地で、モニタリング・追跡システムを強化し、世銀コーポレート・スコアカードにジェンダー関連の目標を設定するなど、ジェンダーの平等実現のために様々な努力を提供している。

2012年、世銀の「世界開発報告」は初めて、ジェンダーの平等と開発をテーマとして取り上げた。

「期は熟していた」と世界銀行のキャロライン・アンスティ専務理事は言う。「男女を問わず機会均等の確保は正しいだけでなく、経済合理的でもある」と同専務理事は述べた。

「女性への投資が不十分だと貧困削減が順調に進まない。とりわけ、女性は通常、自らの収入のうち、男性よりもはるかに多くを家族やコミュニティに再投資するからだ」と同専務理事は付け加えた。

世界銀行は、ジェンダー関連のプロジェクトへの支援を増やし、成果をさらに細かくモニタリングすると共に、明確にジェンダーに的を絞ったプロジェクトでなくても、より多くのプロジェクトに設計の段階からジェンダーへの配慮を行っていく。

2012年度だけでも、2900万ドル超(世銀の融資・贈与総額の83%)がジェンダーに配慮したプロジェクト(教育、保健、土地アクセス、金融・農業サービス、雇用、インフラ)に配分された。理由の一つには、ジェンダーが世銀とパートナーによって国際開発協会(IDA)の特別テーマに加わったことも挙げられる。IDAは2011年から2014年までに、最貧国(その多くがアフリカにある)に500億ドル近くの融資・贈与を提供している。

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プレスリリース番号:
2013/269/AFR

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