プレスリリース

ソフト・ランディングを目指す中国経済-世界銀行

2012年4月12日




中国は持続可能で長期的な成長へ移行可能

北京、2012年4月12日 – 世界銀行は本日、「中国経済四半期報告」を発表し、中国のGDP成長率を2012年は8.2%、2013年は8.6%と予測し、成長を穏やかに調整していく可能性は依然として高いと指摘している。

「消費拡大が幾分鈍り、投資の伸びも大きく減速し、外需の低迷が続く中、中国経済の緩やかな減速は2012年も続くとみられる」と、アルド・ハンソン中国担当リード・エコノミストは述べている。「景気過熱リスクは緩和しつつあり、ソフト・ランディングに移行できる可能性が高まっている」

中国経済を定期的に分析する中国経済四半期報告は、ソフト・ランディングを進めながら成長を維持することが、当面の政策課題だとしている。主なリスク要因としては、高所得国の低く不確かな成長見通しと、国内不動産市場の調整の進捗状況を挙げている。中国は下振れリスクに対応できるだけの十分な政策余地が存在するが、長期的影響と目標に留意して慎重に策定する必要がある。

同報告は、政策対応としては、まず個人消費支援を中心とした財政の出動が考えられるとしている。預金準備率はまだいじることが可能だろうが、実質金利は既に緩和型となっているので、政策金利は下振れのシナリオに備え残しておくと良いだろう。行政指導は、不動産市場を冷ますために有効だったが、今後は、資本コストを引き上げ投資機会を拡大する市場ベースの措置に切り換えることが求められる。

中国の長期的見通しは構造上の中心的課題をいかに管理できるかにかかっている。これまでの成長エンジンの力が今後弱まっていくに連れ、GDP成長率は徐々に減速するだろう。国民一人当たり所得の大幅な伸びを維持するには、成長の基となる経済のファンダメンタルズの活性化、特に生産性向上が必要となる。競争を拡大し、中国の競争力の源泉を低コストから技術革新に基づく高付加価値に転換する努力が不可欠だろう。

過去には、高成長と構造変化は、経済・社会・環境面の不均衡を伴った。今後は、成長の率から質へ焦点をシフトする動きを持続することが重要となる。

この点を踏まえ、同報告の主任執筆者フィリップ・シェルケンズは次のようにみている。「循環的な景気の減速は、輸出・信用・投資主導の中国の成長モデルの限界を改めて示すものだ。既に第12次5か年計画で予測されている通り、経済成長の質の向上という目標達成に資することになろう」

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lli2@worldbank.org
In Washington
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malarief@worldbank.org


プレスリリース番号:
2012/04/12

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