特集

日本-世界銀行防災共同プログラム : 開発途上国における気候変動への強靭性策定を支援

2015年11月18日


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気候変動がもたらす温暖化、暴風雨の頻発化、海面上昇等により、アジアを始め世界各地のリスク特性に深刻な変化が示されています。気候変動による影響の深刻化に対し、変動要因の軽減および各国の温暖化対策の向上を図るため、世界は「気候変動枠組条約第21回締約国会議 (COP21)」での新たな枠組みの採択に向けて動いています。

世界銀行の新報告書「気候変動がもたらす衝撃波: 貧困への影響を和らげるために」でも指摘されるように、迅速で包括的な気候情報に基づく開発は、気候変動がもたらす貧困への影響を大きく削減することが可能です。対応せずにいた場合、現状に加えさらに1億人が2030年までに極度の貧困に陥るとみられています。


「日本-世界銀行防災共同プログラム」は、世界銀行のプロジェクト・リーダーと開発途上国とを繋ぎ、気候変動に対する強靭性強化に必要な資金援助・技術支援を行っています。防災グローバル・ファシリティ (GFDRR) により運営される世界銀行東京防災ハブを通し、現在22プロジェクトを推進、30か国に3,260万ドルを超える支援を行っています。自然災害に伴う課題への取り組みの一つとして、水文気象現象等により引き起こされる災害への対策支援が挙げられます。


日本-世界銀行防災共同プログラムによる気候変動に関する支援プロジェクト

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2015年11月18日現在

フィリピンにおける質の高いインフラ投資と金融保護の融合

重要な公共施設やインフラ設備の強靭性を確固たるものにすべく、世界銀行はフィリピン政府と協力し支援事業を行っています。具体的には、リスク管理のための法的・制度的枠組みを強化、気候・災害レジリエンス・ファンド等を含めた金融保護ツールの利用、平成25年台風第30号ハイヤンによる被災地への強靭な復興能力開発等が挙げられます。「日本-世界銀行防災共同プログラム」では、5億ドルを超える事業への追加投資を行い、強靭性強化を進め、発展を促すための支援を実施しています。
 

太平洋地域での革新的な災害保険利用と復興

「日本-世界銀行防災共同プログラム」が支援する「太平洋地域甚大被害リスク評価および資金用達イニシアチブ (PCRAFI)」は、熱帯低気圧、地震、干ばつに際し、災害保険金の迅速な給付を行っています。一例として、2015年3月に発生したサイクロン・パムによる被害に対し、バヌアツに1,900万ドルが支払われました。これはバヌアツ政府による年間の緊急支援提供の8倍、ならびに同政府による年間保険給付の7倍となっています。世界銀行東京防災ハブはまた、国際的に認識されている災害後ニーズ評価 (PDNA) 実施のため、同国に技術支援スタッフを派遣しました。このPDNAは、現地政府が主導する復興政策に役立てられています。
 

影響に対する日本の知見活用

世界銀行東京防災ハブは、気候変動への適応と水文気象災害への対策において、日本の知見を活用するための重要な役割を担っています。日本の水文気象サービスに関する戦略的知識連携により、内閣府、国土交通省、気象庁 (JMA)、国際協力機構 (JICA) の専門家が、日本の経験から学んだ質の高いサービスを提供する事例を開発途上国にて活用できるよう、支援を行っています。その他、東京都からの教訓を基に、バングラデシュとフィリピンにおいて上下水道事業継続計画を行っています。
 

「日本-世界銀行防災共同プログラム」は、日本の経験・専門知識を共有し、検証された革新的な手法によって、気候変動の影響をうける国々が面する課題に対応できるよう、引き続き支援を行っていきます。

日本-世界銀行防災共同プログラム







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