特集

セーフガードに関するコンセンサスに向けた長い道程

2015年8月11日


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要点
  • 世界銀行は融資事業において貧困層と環境を保護するための政策を改定中である。
  • 世界銀行は環境・社会フレームワーク案に関するコンサルテーションの第3フェーズを開始し、実施面及び引き続き議論を必要とする複雑な開発課題に関する例示リストに焦点を当てていく。
  • コンサルテーションは、8月末にアンゴラで予定されているアフリカ諸国の財務大臣会合を最初の会合とする。

貧困層と環境の保護は、世銀事業において核心的な位置を占める。世界銀行のセーフガード政策は、人々や環境に対する潜在的な悪影響をどのように特定し、回避し、最小化するかを規定している。

世界銀行は、過去20年間にわたり整備してきたセーフガード政策を現在改定中である。2014年8月4日、世界銀行は、新たな環境・社会フレームワーク案に関するコンサルテーション第3フェーズを開始した。

コンサルテーション第3フェーズの開始は、長い道における次の段階となる。多岐にわたる複雑で重要な課題が依然として残されており、原則及び文言の両面で大きな隔たりがあるところ、世界銀行の188カ国に及ぶ加盟国間で合意に達することは大きな課題であり、最終的には、世界銀行の理事会により政策改定の結果が決定されることになる。

コンサルテーションは、30カ国以上で実施される予定である。最初の開催地はアンゴラであり、同地で世界銀行は、アフリカ諸国の財務大臣と協議を実施する。その後、世界銀行のセーフガードの専門家チームは、年末まで各国政府及びその他の関係者と協議を実施する。

世界銀行のセーフガード政策改定は2012年に以下の目標のもと開始された。

  • 最新の基準を通じて貧困層と環境の保護を強化する。
  • 差別禁止原則を通じて開発の利益への幅広いアクセスを確保する。
  • より緊密な協力と借入国の国内制度の一層の活用を通じて借入国とのパートナーシップを強化する。
  • 最新のセーフガードフレームワークを通じて世界銀行のリーダーシップを強化する。

今回の改革は、人権、気候変動及び多くの社会的課題を含む複雑な開発課題に関わるものである。環境・社会フレームワーク第1ドラフトに関するコンサルテーションにおいては、世界銀行の株主である各国政府と市民社会グループの間で多岐にわたる見解が示された。世界銀行理事会開発効果委員会(CODE)がフレームワーク第2ドラフトを議論した際、本フレームワークの大枠の設計と幾つかの文言に関してはコンセンサスが得られた。他方で、多くの課題についてまだコンセンサスが得られていない。CODEは、見解が分かれている課題に関する解決策を見出す努力を継続するためにコンサルテーション第3フェーズを承認した。理事会は、コンサルテーションプロセスを通じて議論を進めるため、未解決の課題に関する例示的リストの作成を求めた。

コンサルテーションは、フレームワーク案の現場での実施可能性と、同案による借入国への潜在的影響に焦点を当てる。コンサルテーションを通じて、世界銀行は、借入国と協力し、フレームワーク案を実施するために必要な追加的支援策を特定する予定である。コンサルテーションで得られる意見に基づきフレームワークの第3ドラフトが作成され、世界銀行の理事会による議論が進められることとなる。

今回のコンサルテーションでは、技術的な議論と一般的なコンサルテーションの双方を行う。世界銀行は、新フレームワーク案の実施に関するワークショップを開催し、セーフガードを現場で実施している専門家と事業の具体例に関して検討を進める。ワークショップやその他の対面形式の会議に加えて、世界銀行は、世界規模でアクセス可能な多くのオンラインチャネルを活用して、各界の関係者との協議を行う考えである。世界銀行は専用のウェブページを立ち上げ、世界銀行の株主と関係者が議論に貢献できるプラットフォームを提供している。

コンサルテーションの議題は幅広く、大きな課題である。例示的リストには52の論点が示されており(リスト参照)、包括的な議論が必要となる。世界銀行は188の加盟国から構成されているが、実施可能で効果的な新環境・社会フレームワークに向けて、全ての当事者が議論に参加することが必要となっている。


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