特集

エボラ出血熱に対する世界銀行の支援

2014年9月5日

8月4日、世界銀行グループは、西アフリカ地域のエボラ出血熱対策としていち早く、感染拡大を阻止するために支援の表明を行いました。ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国に対し、経済的損失を補うとともに、公衆衛生システムの向上に役立てるため、最大2億ドルの緊急支援を発表しました。今後さらに、エボラ出血熱の影響を受けている家庭、コミュニティを支援するためのセーフティネットを構築していきます。さらに、西アフリカ地域の感染症対策の能力向上を支援していく予定です(プレスリリース)。

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世界銀行グループのキム総裁は、拡大しつづけるエボラ出血熱への迅速な対応のためには、最前線で感染を食い止めようとする医療従事者への防護服や必要な医療器具の支援、医療従事者の確保、感染地域のコミュニティに対するより効果的な情報提供、将来他の感染症が発生した場合に備えた保健システムの構築、の4点が重要であるとして、国際社会の行動を呼びかけました(詳しくはこちら)。

 

8月26日、世界銀行の資金でリベリア政府が購入した医療関係者の感染を防ぐ保護具や医療器具100トンが、ユニセフ(国連児童基金)によってリベリアの首都モンロビアに空輸されました。これらの物資は、エボラ出血熱感染地域へ迅速に輸送されています(プレスリリース)。

 

エボラ出血熱拡大を防ぐ支援の最前線で日本人職員が活躍しています。世界銀行アフリカ地域総局の保健スペシャリスト、馬渕俊介さんはエボラ出血熱拡大を阻止する世界銀行プロジェクトのチームリーダーとして、現在ワシントン本部で日々奮闘しています。その馬渕さんに、世界銀行の取り組みについて聞きました。

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保健システム改善に取り組む馬渕俊介アフリカ地域総局保健スペシャリスト(2012年撮影)

 

 

 

エボラ出血熱感染拡大を防ぐために世界銀行は2億ドルの支援を表明しましたが、具体的に馬渕さんはどのようお仕事を担当されていますか?

 

まずは緊急対応として、リベリアとシエラレオネへの世界銀行の既存の支援プロジェクトを組み直して、1200万ドルの資金をエボラ出血熱対策として提供しました。大きなチームをまとめ上げて、とにかく早く、そして最大の効果が出せる形で各国に支援を届けられるように調整するのが私の仕事です。

支援をしていく中で最も困難な課題はどのような事でしょうか。

感染の拡大にともなって、対応しなければならない課題が非常に広く、複雑になってしまっていることです。新しい治療センターの緊急立ち上げに必要な人員、感染を防ぐための各種機器から、感染経路をたどるチーム、人々へのコミュニケーションなど、資金ニーズが急拡大しています。それだけではなく、感染地域の隔離によりその地域での食料、水不足が危機的な状況になっています。また特にリベリアでは、通常の病院や地域の保健センターが閉鎖されたり、開いていても、感染を恐れてマラリアや出産などの非常に重要な医療サービスを提供できなくなっています。このように拡大してしまった課題のすべてに世界銀行だけで対応するのは不可能です。限られた資金を最も効果的・効率的に、そして最も早く提供するための見極めと政府、ドナーとの調整、実施体制の構築が非常に難しい仕事です。

 




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