世界銀行では、日本人の採用を積極的に行っています。キャリアセミナー「世界銀行で働く」シリーズでは毎回、世界銀行の日本人職員が登壇し、途上国が直面する開発課題、自身が担当するセクターの現況、世界銀行による途上国に対する様々な支援活動と自身が担当する業務、これまでのキャリアパスなどを紹介しますが、今回はその特別編として、ロビー・センデロヴィッチ世界銀行ガバナンスグローバルプラクティス 公共行政プラクティスマネージャーによるキャリアセミナーを実施しました。
今回は、マネージャーとしての自身の経験に基づき、将来世界銀行で活躍したいと考えている若手プロフェッショナルや大学院生・学生の皆様向けに、インタラウティブなワークショップ形式で実施しました。ガバナンス分野に限らずすべての分野を念頭におき、世界銀行で働くということ、どのような準備が必要かなどについてアドバイスを提供しました。
<世界銀行のガバナンスセクターにおける取組み>
https://www.worldbank.org/en/topic/governance
ウクライナ戦争、新型コロナウイルス感染症パンデミック、気候変動はじめ、様々な危機が重なり合うなかで、途上国政府の対応能力は前例のないほど限界に達しつつあります。公的機関に対する人々の信頼は失われ続けており、現在の社会契約のあり方を更新することが急務です。公共セクターのガバナンスと汚職防止は、途上国の開発における最も重要な優先事項のうち、引き続き上位に位置付けられており、途上国政府は民間セクターの発展にとっての障害を取り除きながら、増大する国民の需要に応えるために、より少ない労力でより多くのことを効果的かつ効率的に行う必要があります。世界銀行では、気候変動、パンデミックのリスクに効果的に対処するには、リスク管理を組み込み、緊急時に不測の事態に対応できるよう、より強力かつ柔軟で、より即応性の高い公共サービスが求められます。政府の運営、サービス提供、国民との交流のモデルを適応させる必要性を踏まえ、途上国政府のデジタル化を通じて公共セクター改革を支援し、市民を中心に据えた、わかりやすく、効率的かつ透明性の高い政府づくりを目指すGovTechアプローチも進めています。
日時
2024年6月6日(木)午後6時30分~午後7時30分(日本時間)
スピーカー
ロビー・センデロヴィッチ
世界銀行 ガバナンスグローバルプラクティス 公共行政プラクティスマネージャー
ヨーロッパ・中央アジア地域総局ガバナンスプラクティスマネージャー、リーダーシップ・ラーニング・イノベーション担当マネージャー、社会アカウンタビリティのためのグローバルパートナーシップ(Global Partnership for Social Accountability: GPSA)マネージャー、ドミニカ共和国担当カントリーマネージャーを歴任。世界銀行ではこれまで、政治経済分析、変革のための連携構築、汚職防止、公共機関に関するパフォーマンスに基づく評価に焦点を当ててきた。世界銀行入行以前は、非営利組織で人事管理に関する講師、企業で教育プログラム、コミュニティ開発、人事管理担当ディレクターを歴任。“Building Effective, Accountable, and Inclusive Institutions in Europe and Central Asia,” “Democratic Governance in Mexico: Beyond State Capture and Social Polarization” (with Yasuhiko Matsuda), “Performance Informed Budgeting and Trust in Government” (with Nick Manning and others), and “From the International Financial Crisis to Inclusive Growth in the Dominican Republic”などの著作を発表している。ブエノスアイレス大学で教育学の理学士号、ジョンズホプキンズ大学で政策学・公共行政・非営利組織マネジメント学の修士号を取得。