世界銀行は2017年11月7日、報告書「世界金融開発報告2017-2018:国境なき銀行業務」(Global Financial Development Report 2017/2018: Bankers without Borders)を発表し、2007~09年の金融危機以降、途上国に展開する外資系銀行に対する規制強化が進んだことで、企業や家計に不可欠な資金フローが制限され、成長見通しへの足かせとなっていると指摘しました。また同報告書では、銀行の国際業務は、途上国に大きな利益をもたらす可能性があるとは言え、特効薬となるわけではなく、リスクも伴うため、途上国の政策担当者は、銀行のクロスボーダー取引のコストを最小限に抑えつつ、そうした取引がもたらす利益を最大限活かす方法を模索すべきと推奨しています。
金融危機後の銀行の国際業務に対する規制の影響で途上国の成長基調に翳り
世界銀行モーニングセミナー(第6回)では、同報告書執筆チームのセルジオ・シュムクラ―世界銀行開発経済総局(DEC)開発リサーチグループ リードエコノミストがテレビ会議でワシントンより、同報告書の主なポイントをご紹介し、皆様からのご質問にお答えしました。
スピーカー
国際金融、国際金融市場・制度に関する調査・研究に従事。1997年、カリフォルニア大学バークリー校で経済学博士号取得後、ヤングエコノミスト・ヤングプロフェッショナルプログラムで世界銀行入行。現在、コロンビア大学で教鞭をとっており、通貨金融研究(Money and Finance Research: Mo.Fi.R)グループのメンバー、ラテンアメリカ・カリブ海地域経済学会(LACEA)トレジャラーでもある。過去にはメリーランド大学経済学部で教鞭をとり(1999-2003年)、国際通貨基金(IMF)研究部に所属(2004-2005年)、開発経済学ジャーナル(Journal of Development Economics)編集委員も務めた(2001-2004年)。 |
当日の資料: Global Financial Development Report 2017/2018: Bankers without Borders (PDF)
関連
世界銀行モーニングセミナーシリーズ
過去に開催された同セミナーシリーズの資料をダウンロードいただけます。