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ASEAN+3財務大臣会合での東南アジア災害リスク保険ファシリティ設立に向けた合意について
2017年5月5日横浜


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覚書の調印式は、2017年5月5日、横浜でのASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議開催に合わせて実施され、木原稔財務副大臣、ラオスのソムディ・ドゥアンディ財務大臣、ミャンマーのチョウ・ウィン計画・財務大臣、カンボジアのヴォンセイ・ヴィソット次官およびビクトリア・クワクワ世界銀行副総裁が出席しました。(写真提供:財務省)

東南アジアは頻繁に猛烈な自然災害に襲われ、人と経済は破滅的な影響を受けます。2013年以来、カンボジア、ラオス、ミャンマーは大洪水を経験し、被害額は数十億ドルに上ります。いちばん新しい例として2015年のミャンマーの洪水だけでも160万人が避難し、損失額と損害額の合計は15億ドルと推定されます。繰り返される洪水などの自然災害からの復旧・復興財源として、しばしば政府は短期資金が緊急に必要となります。

2017年5月5日、カンボジア経済財務省、ラオス人民民主共和国(以下、ラオス)財務省、ミャンマー計画財務省、日本財務省は、「災害リスクファイナンス・保険に関する地域技術作業部会」の設立に関する覚書(MoU)を締結しました。この新設作業部会では、災害直後の対応への迅速な資金提供を目的とする地域災害リスク保険プールとして、東南アジア災害リスク保険ファシリティ(SEADRIF)を設立するためのフィージビリティスタディおよび準備作業を共同で実施するものとしています。

覚書の調印式は、横浜でのASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議開催に合わせて実施され、日本の木原副大臣を始め、カンボジア、ラオス、ミャンマーの財務大臣・財務次官が出席して、世界銀行もオブザーバーとして招待されました。調印式後のASEAN+3財務大臣会議の共同声明では、ASEAN+3財務大臣は2011年以来検討してきた地域災害リスク保険プールを創設する鍵としてSEADRIFを特に強調し、他のASEAN+3諸国に対し、このイニシアティブに加わるよう呼びかけました。

世界銀行は2011年以来、災害リスクファイナンス・保険においてASEAN+3諸国と連携しており、現在は、技術支援に加えて総合的な投資計画を通じ、SEADRIFの設立を支援しています。その一例として、2017年4月、IDAの資金を受けたカンボジアのプロジェクトが世界銀行理事会で承認され、現在、さらにラオスとミャンマーのプロジェクトを準備中です。作業部会の要請を受け、世界銀行は作業部会の事務局として機能し、SEADRIFの設立に向けて参加諸国を支援します。

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(写真提供:財務省)
過去2年間、日本政府は東南アジアの災害に対する財政の強靭性強化に向け、政策と資金の両面で重要な支援を提供してきました。当支援には、ロックフェラー財団も追加的に資金提供しています。世界銀行は、カンボジア、ラオス、ミャンマーに対し、財政影響分析、災害リスクモデリング、能力強化支援等の技術支援や分析活動を提供してきました。この援助は、世界銀行東京防災ハブの支援を受け、世界銀行グループ災害リスクファイナンス・保険プログラム(DRFIP)により提供されています。

SEADRIFについて

SEADRIFは再保険に基づく災害時流動性ファシリティとも言える地域災害リスク保険プールで、自然災害に遭った東南アジアの参加国に対し、災害対応のための資金を迅速に提供することを意図したものです。SEADRIFの参加国は、革新的な地域共同の資金調達方法の整備に加え、包括的な災害リスク資金調達戦略を策定し、実施するために、国レベルで助言を受けることもできます。SEADRIFでは、当初はカンボジア、ラオス、ミャンマーに重点を置いていますが、地域協力と資金面での強靭性を強化するために、他の国々へも拡大することが想定されています。

世界銀行グループ災害リスクファイナンス・保険プログラムについて

災害リスクファイナンス・保険プログラム(DRFIP)は、途上国に対し、災害や気候のショックにより生じうる甚大なコストに対処するための支援を実施しています。DRFIPは、世界中の50か国以上に対し、分析や助言、会議等の開催、金融サービスを提供しており、気候・災害リスクに対する総合的な財政戦略の策定と実施を支援しています。災害リスクファイナンスに関する紹介ビデオはこちらからご覧下さい。

更に詳細な情報はhttps://www.worldbank.org/drfiをご参照下さい。


Japan-World Bank Program for Mainstreaming Disaster Risk Management in Developing Countries





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