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スピーチ&筆記録

日本/韓国メディア・ラウンドテーブル

2013年11月22日


World Bank Group President Jim Yong Kim Roundtable with Japanese and Korean Media Washington, DC, 米国

スピーチ原稿

皆様、本日はご参加ありがとうございます。

約1週間後に、私は、日本と韓国を訪問する予定です。本日は、今回の訪問の目的について、両国の報道関係者の皆様にご説明させていただくために、ここにお集まりいただきました。

その前に、今朝ほどのベニグノ・アキノ・フィリピン大統領との電話の内容についてお伝えいたします。私は、台風30号(ハイエン)による甚大な被害に対し、フィリピン政府と国民の皆様へのお見舞いの言葉を述べると共に、今週初めに発表した5億ドルの緊急支援に加え4億8000万ドルを、被災地コミュニティの復興支援のための追加支援として行う事を大統領にお伝えしました。これで、世界銀行の支援パッケージは総額10億ドル近くとなりました。

救済・復旧・復興作業は時間を要するものです。世銀グループは、フィリピン国民の生活が正常に戻るまで、どれほど時間がかかろうとも同国政府の努力を支援していく所存です。

また、アキノ大統領による、世界的な気候変動対策へのより一層の取組みへの呼びかけに感謝の意をお伝えしました。科学的根拠は明らかです。温室効果ガスの排出により地球温暖化が進み、異常気象に起因する事象が世界的に増えているのです。

それでは、今回の韓国・日本訪問についてお話させていただきます。最初に訪れるのは韓国です。先月ヒョン・オソク(玄 旿錫)副首相と覚書を交わし、この度、世界銀行グループの事務所を開設することになりました。世銀グループが持つ知識や動員力と、韓国が持つ開発政策、情報通信技術、インフラ、金融セクターといった分野における優れた専門技術による相乗効果により、様々なパートナーシップの機会を幅広く推進していきたいと思います。

韓国事務所には、途上国に融資を行う国際復興開発銀行(IBRD)と国際開発協会(IDA)の他、民間セクターを通じた支援を行う国際金融公社(IFC)と多数国間投資保証機関(MIGA)も入ります。パートナーシップ強化により、世界の新興市場への韓国企業の投資を促進していく所存です。

世銀グループと韓国は、長年にわたり極めて有効な関係を培ってきました。皆様ご存知の通り、私は韓国で生まれました。私が少年だったころの韓国は、「将来性の乏しい」無力な国だと言われていました。もちろん、このように決めつけることは大きな間違いであり、甚だしく不当であることに、異論を唱える人は今や誰もいないでしょう。今日、韓国は援助受入国からドナー国へと変貌を遂げた稀に見る好例であり、1950年代初頭には67ドルと、多くのアフリカ諸国より低かった1人当たりGNI(国民総所得)は、2万ドルを越えるまでになっています。現在、世界第14位の経済大国である韓国は、世銀グループの主要な開発パートナーであり、世銀の最貧国向け基金である国際開発協会(IDA)の重要な拠出国でもあります。私が総裁に就任した当初、アフリカを初め途上国の多くの指導者が、韓国がいかにしてここまで成長したかについて学びたがっていることに大いに力を得ました。

今年の春季会合では、2030年までに極度の貧困撲滅と繁栄の共有促進(途上国の所得の下位40%の人々の所得を引き上げる)という2つの目標が加盟国の承認を得ました。さらに先月の年次総会で、世銀グループは、この2つの目標を推進するための新たな戦略を立ち上げました。 

この二つの目標を達成するためには、サブサハラ・アフリカにおける貧困削減のペースを加速しなければなりません。2010年、サブサハラ・アフリカでは、極度の貧困率が5割を超える国が全体の3分の1を超えており、最貧困率6割以上では12か国、8割以上でも4か国を数えました。

なぜアフリカを優先しなければならないか、これでお分かりいただけると思います。新事務所開設により、韓国の知見と活況な民間セクターを活用させていただきながら、協力関係を強化していきたいと考えています。 

韓国の次は日本に向かい、「保健政策閣僚級会合」に出席します。低・中所得国でユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現のための助言や支援を求める声が高まる中、世銀と日本は2年間の共同研究を実施してきました。今回の会議はその集大成と言えるものです。ご存知の通り、安倍総理は、UHCを達成した日本の優れた実績に基づき、新たに策定された「国際保健外交戦略」の中でUHC実現に向けた支援を柱として掲げています。

また、日本政府と世銀は、災害リスク管理に関する共同研究を実施し、自然災害の危険性が高い途上国で活用できるよう東日本大震災の教訓をまとめました。大型台風がフィリピンにもたらした惨状は、ひとたび大規模な自然災害が発生すれば、社会や経済にいかに甚大な被害をもたらすかを改めて我々に見せつけました。

世界全体では、過去30年間の自然災害による損失額は4兆ドル近くに上ります。こうした損失は、効果的な計画や準備態勢を整えれば、大幅に抑えることが可能であると分かっています。そこで、災害リスク管理に関する日本の優れた知見を普及させるため、日本と世界銀行でまもなく「東京防災ハブ」を立ち上げます。日本には高度な災害リスク管理の体制や防災文化、高い建築基準などの効果的な法制度・規制などがあり、途上国が自然災害に強い社会を作るために役立てることができます。東京防災ハブは、こうした日本の知見や技術を各途上国のニーズにあった形で提供していくもので、知識のブローカーとしての役割を担います。

日本は60年以上にわたり世銀の加盟国であり、第二位の出資国でもあります。日本の指導者の皆様と、今後いかにして協力関係を深めていけるかについて話し合いたいと思います。

それでは質問をお受けします。


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