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プレスリリース 2021年12月10日

世界銀行はブータンの気候と災害に対する強靭性の強化を支援

ティンプー、2021年12月10日 – ブータン王国政府と世界銀行は、本日、351万ドルの融資契約に署名しました。この契約の目的は、同国の対象セクターにおいてリスク情報に基づく意思決定と開発計画の改善を支援し、公共サービスの向上につなげることです。

強靭性向上のためのリスク情報強化プロジェクトでは、これまでに類を見ないマルチハザードリスク評価を通じて、全国規模の気候・災害リスク情報を生成します。これはインフラや建設などの対象セクターにおけるリスク情報を統合することで、リスク情報に基づいた革新的な意思決定支援システムの構築に役立ちます。

「このプロジェクトを通じ、環境に優しい強靭で包括的な開発に向けて、ブータン王国政府とのパートナーシップを深めることができ、喜ばしく思います」と、世界銀行ブータン事務所代表のAdama Coulibalyは述べます。

ブータンはその特異な地理的位置から、洪水、地すべり、氷河湖決壊洪水、地震、森林火災などの自然災害に対して非常に脆弱です。気候変動により、自然災害や異常気象に対するブータンの脆弱性がさらに高まっています。

本プロジェクトでは、水門気象サービスや農業気象サービスを強化し、11地区(gewog)の約5,140世帯に農業に役立つ気象情報を提供します。農業気象意思決定支援システムの天気予報の期間を3日間から10日間に拡大することで、害虫注意報や病害虫発生予察を強化するとともに、農家のための気象に関するフィールドスクールを開催します。

また、ドローンを使用して道路網に沿った地すべり頻発地帯の詳細な調査を実施します。これは道路局がリスク情報に基づく輸送計画の策定や投資決定を行うのに役立ちます。本プロジェクトでは、脆弱な自治体(dzongkhag)やコミュニティを特定して優先順位をつけ、防災能力を強化します。

さらに、世界銀行が現在融資しているプログラムを基盤に、同国の長期的な強靭性のための法規制基盤を強化する、革新的政策および制度改革の策定も支援する予定です。

「このプロジェクトは、第12次5カ年計画およびブータン経済危機管理計画2020に沿うものです。ブータン王国の気候と災害に対する強靭性の強化のために、世界銀行と築いてきた10年以上にわたる揺るぎないパートナーシップを続けられることを喜ばしく思います」と、ブータン王国財務大臣のNamgay Tsheringnは述べています。「すでに新型コロナウイルスによるパンデミックに直面しているこのような時期に、ブータンが大規模な自然災害事象に対応できるよう備えることは、国家の優先事項です。このプロジェクトにより最先端の技術が導入されるとともに、国の発展に不可欠な要素として強靭性を主流化するための政府職員の能力構築が実現することでしょう」

この融資契約は、世界銀行を代表する世界銀行ブータン事務所代表のAdama Coulibalyと、ブータン王国政府を代表するブータン王国財務大臣Namgay Tshering閣下により署名されました。

本プロジェクトは、戦略気候基金の「気候変動への耐性強化パイロット・プログラム」、「日本―世界銀行防災共同プログラム」および「災害リスク管理能力構築のための欧州連合 ‐ 南アジア共同プログラム」の3件の助成金から出資を受けています。


お問い合せ

ティンプー:
Tenzin Lhaden
tlhaden@worldbank.org
ワシントン:
Diana Chung
dchung1@worldbank.org
東京:
開裕香子
(+81-3) 3597-6650
yhiraki@worldbankgroup.org
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