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プレスリリース 2020年8月31日

レバノンにおける改革と再建のために断固たる行動と変化が必要

ベイルートでの爆発によりインフラと有形資産への損害は最大46億ドル、と最新のアセスメント

ワシントン、2020年8月31日 — 首都ベイルートを震撼させた8月4日の大爆発について、損害とニーズの新たなアセスメントが行われ、レバノン国民の需要と期待に応えるために、透明性、包摂性、説明責任の原則を軸によりよいレバノンへと立て直しを図ることが必要であると結論付けている。

緊急に必要とされる国際社会による対応の指針とするため、世界銀行グループ(WBG)が国連(UN)と欧州連合(EU)との協力の下、レバノンの省庁や市民社会組織等をはじめとする主要なステークホルダーと緊密に連携し、損害とニーズに関する緊急アセスメント(RDNA)を実施した。

RDNAの初期予測によると、今回の爆発が同国経済のフローとストックにもたらした損害は、経済フローの変化を含め前者が、各種経済セクターの生産量減少の結果、29億から35億ドル、後者が38億から46億ドルに上る。特に深刻な影響を受けたのは、住宅や輸送セクターに加え、有形・無形の文化資産(考古学的に価値のある宗教施設、国が定める遺跡、劇場、記録保管所、図書館、記念碑等)である。

公共セクターの復興・復旧には今年と来年で18億から22億ドルが必要になるとみられる。内訳は、当面2020年12月までは6億500万から7億6,000万ドル、短期的に2021年が11億8,000万から14億6,000万ドルとなっている。運輸セクターのニーズが最も高く、文化、住宅が続く。

パートナーと協力して実施された緊急アセスメントではあるが、困難な状況の中で行われたため、予測値は暫定的ではある。とは言え、RDNAは改革・復旧・復興アジェンダの基盤となる。同アジェンダは、全レバノン国民により良い将来への希望となり、レバノン国民が主導的枠割を担うべきである。

今回の爆発が経済にもたらした影響を大きく3つ挙げると、1) 物的資本の破壊による経済活動の損失、2) 貿易の混乱、3) 歳入の損失、である。レバノンは、今回の爆発以前から複合的な危機に直面しており、爆発前における2020年の実質GDP成長率予測は、マイナス10%を大きく下回っていた。その背景にはシリア内戦の余波がある。レバノンは人口一人当たりで見ると世界で最も多くの難民を受け入れ続けている。加えて、多くの問題を抱えた金融セクター等の金融・経済危機、通貨危機、極めて高いインフレ率、機能不全に陥った公共セクター、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響等といった問題もある。今回の壊滅的な爆発は、経済活動縮小を悪化させるだけでなく、爆発直前にすでに45%だった貧困率をさらに悪化させることになる。

今後3カ月間の主要な復旧ニーズは、被災した9万人の基本的なニーズを満たすべく大規模な現金給付を直ちに実行し、1万5,000人を対象に短期的な雇用を創出するために、3,500万~4,000万ドルに上るとみられる。この他、特に脆弱な難民、低・中所得者世帯のためのシェルター提供、部分的に一定の被害を受けた低所得世帯の住宅の修理が必要となる。喫緊の住宅ニーズは3,000万から3,500万ドルになるとみられ、短期的に2021年のニーズは1億9,000万から2億3,000万ドルになるとみられる。さらに、数千人のレバノン国民が働く零細企業5,200社と小規模事業4,800社の事業を立て直すために2億2,500万から2億7,500万ドルの資金支援が緊急に必要とされている。小規模事業再建のためのこうしたグラントと譲許的融資は、活動を再開し労働者を維持するための建物等の再建、機器、運転資本といったニーズに充てられる。

再建の取り組みには、破壊された建物やインフラの再建や修復だけでなく、組織・制度やガバナンス構造の再構築も必要となる。港湾セクターを例にとると、レバノン経済を支える輸出の確保に必要な緊急作業にとどまらず、これまで以上の立地や規模で総合的かつ近代的な港湾を再建し、最高レベルの効率性と透明性を備えた実務により運営されるよう、RDNAは提言している。

RDNAはまた、貧困・脆弱層を中心に人々のニーズを優先した支援と、マクロ経済の安定、ガバナンス、民間セクターの事業環境、人間の安全保障に関する構造改革を組み合わせた改革・復旧・復興の枠組みを通じ、「より良い状態への再建」というアプローチを推奨している。構造改革においては、不正やエリート層による支援の搾取を防止しなければならない。

レバノンが債務超過状態にあり外国為替予備金に乏しいことから、同国の総合的な復旧・復興には国際社会による援助や民間投資が不可欠となる。成功の見込みが高い改革をレバノンが実施することが、国際社会からの開発援助にアクセスし、外国や民間セクターの資金源を活用するための鍵となる。

世界銀行、国連、欧州連合は、レバノンと協力し、レバノンが人々のニーズを最優先する、よりよい形での再建に全力で取り組んでいく。

 

お問い合わせ

ベイルート

Zeina El Khalil
External Affairs Officer

zelkhalil@worldbank.org

東京

開裕香子
(+81-3) 3597-6650

yhiraki@worldbankgroup.org

国連

Nadine Daou
Communications Officer, Resident Coordinator Office (RCO)/UNIC Beirut

daou@un.org

駐レバノン欧州連合代表部

Tatiana Hosny Richa
Press and Information Officer

tatiana.hosny@eeas.europa.eu


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