プレスリリース

世界銀行、初のカンガルー・グリーンボンドを発行へ

2014年4月16日


ワシントン、2014年4月16日―世界銀行(国際復興開発銀行:IBRD、格付Aaa/AAA)は本日、豪州の国内債券市場(カンガルー債)では史上初となる豪州ドル建て固定利付グリーンボンド(総額3億豪州ドル、期間5年)を発行した。世界銀行がグリーンボンドにより調達した資金は、条件を満たした気候変動対策プログラムに対する貸出に充てられる。この豪州ドル建てベンチマーク債は、今年に入り世界銀行が発行した米ドル建てとユーロ建ての2本のベンチマーク・グリーンボンドに続くものである。

今回の発行により、世界銀行は、あらためてグリーンボンド市場の投資家基盤を一段と拡大することになる。今回の発行により、世界銀行のグリーンボンド累積発行額は、2008年の初回発行以来、米ドル換算で56億ドルに達する。

今回のグリーンボンドの販売先は、アバディーン投信投資顧問株式会社、AMPキャピタル、コロニアル・ファースト・ステート・アセット・マネジメント、ユニスーパーなど15の機関投資家である。いずれの投資家も、投資の安全性やリスク調整後収益といった従来の投資要件に加え、自社の投資要綱の枠内で気候変動に配慮したプロジェクトを支援することに関心が高い。メインの投資家はユニスーパー だった。

「オーストラリアにおいて非営利退職年金基金の最大手であるユニスーパーは、社会的責任投資(SRI)の選択肢にグリーンボンドを取り入れるため、世界銀行と数か月にわたり調整を進めてきた。弊社が世界銀行による豪州市場初のグリーンボンド発行の先陣を切ることができ光栄だ。今回の豪州ドル建てグリーン・ベンチマーク債の発行は、世界銀行の協力と引受会社の支援により実現した。今回の取引は、グリーンボンド市場とSRI債券市場全般のさらなる発展に世界銀行が果たす主導的役割の大きさを示している。弊社は、持続可能な資金調達に力を注いでおり、今回の取引を通じて貢献できたことを誇りに思う」と、ユニスーパー のタリー・ウィリアムズ・ガバナンス・持続可能な投資担当マネージャーは述べた。

投資家別の内訳は、資産管理会社42%、年金基金35%、保険会社20%、銀行3%だった。投資家の地域別内訳は、オーストラリアの投資家77%、日本10%、アジア2%、米国11%だった。

今回の共同主幹事はRBCキャピタルマーケッツ証券会社とウェストパック銀行が務めた。

「今回の豪州市場初のグリーン・ベンチマーク債の発行は、グリーンボンドに注目する機関投資家の基盤をオーストラリアまで拡大する。これで、グリーンボンド市場の構築に向けさらなる一歩を踏み出したことになる。グリーンボンドは、各国が気候変動の影響に適応し災害に強い社会を構築しつつ、低炭素型経済に移行できるよう、民間セクターから気候変動対策用資金を調達する。この取引は、メインの投資家であるユニスーパー をはじめとする全投資家と引受銀行が真に協力し持続可能な未来に投資したおかげで実現した」と、世界銀行財務局のドリス・ヘレラポール資本市場部局長は述べた。

世界銀行は、気候関連プロジェクトの資金源となる流動性の高いシンプルな金融商品を求める大手機関投資家の要望に応えて、2008年に初のグリーンボンドを発行した。以降、世界銀行は、17通貨でグリーンボンドを60回以上発行し、途上国で条件を満たしたプロジェクトのために総額56億ドル相当の資金を調達している。世界銀行のグリーンボンドが支援するプロジェクトの例としては、再生可能エネルギー施設の建設、エネルギー効率化プロジェクト、温室効果ガスの排出削減に役立つ廃棄物管理・農業の新技術、森林・湿地帯管理、気候関連の洪水防止・強靭な社会構築のためのインフラ整備などが挙げられる。

「ウェストパック銀行は、世界銀行と協力して豪州市場で初のグリーンボンドを発行することができ嬉しく思う。世界銀行のカンガルー債は、域内の国際市場で重要性を増しているこの課題への認識を大きく高めるのに役立った。今回の発行により、この商品を求める投資家基盤が拡大し、オーストラリア市場にとって大きな節目となった。今回の取引は、弊社の持続可能性に関する幅広い戦略に則ったもので、関与できたことを誇りに思う」と、同社のマーク・ゴッダード債券責任者は述べた。

「世界銀行は、世界の債券市場のリーダーであり続けている。今回のグリーンボンドの国内発行により、その位置づけはさらに強化される。気候変動という課題が引き続き世界的に注目を集める中、グリーンボンドは、社会的責任を重視する投資家が環境の持続可能性を追求するプロジェクトに参加する絶好の機会を提供する。RBCキャピタルマーケッツ証券会社は、オーストラリア市場でこの重要な取引に関わることができ喜ばしく思っている」と、同社のエンリコ・マッシ・アジア・太平洋債務資本市場部部長は述べた。

発行の概要

発行体: 世界銀行(国際復興開発銀行:IBRD)
発行体格付: Aaa/AAA
発行額: 3億豪州ドル
決済日: 2014年4月29日
利息: 3.5%(半年)
償還日: 2019年4月29日
再販売価格: 98.960%
再販売権行使後の利回り: 3.73%(半年)
決済機関: Austraclear
共同主幹事: RBCキャピタルマーケッツ証券会社、ウェストパック銀行

世界銀行について

 

世界銀行(国際復興開発銀行:IBRD)は、1944年に設立された国際機関で、加盟188か国が共同出資する世界規模の開発機関で、ムーディーズ/S&PによるAaa/AAAの格付けを維持している。加盟国が公平で持続可能な経済成長を達成し、地域や地球レベルの差し迫った環境問題への効果的なソリューションを見出せるよう資金や専門知識を提供し、調整を行っている。全体目標は、世界中の生活水準を大幅かつ持続的に改善することにある。活動資金を調達するため、60年以上にわたり国際資本市場で債券を発行している。

投資家のための情報: 世界銀行財務局ウェブサイト:
https://www.worldbank.or.jp/debtsecurities/cmd/htm/

世界銀行グリーンボンドの詳細情報(グリーンボンド投資カ専用ページ):
https://treasury.worldbank.org/greenbonds

 

メディア連絡先
東京
平井 智子
電話: +81-3(3597)6650
thirai@worldbankgroup.org



Api
Api

Welcome