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特集2025年6月1日

タンザニアにおける交通網のレジリエンス強化および雇用創出

タンザニアにおける交通網のレジリエンス強化および雇用創出

写真: Hugo Ramos on Unsplash

概要

タンザニアでは、都市交通網の包括的なレジリエンス評価により、気候変動に対応した強靭な交通網プロジェクトへの道が拓かれました。本プロジェクトは、洪水対策および交通網の整備を進めるとともに、1万人以上の雇用を創出します。

ドドマ市やアルーシャ市など、タンザニア全土の都市が急速に発展し人口が増加する中、都市部に住む住民の多くは、信頼できる交通インフラへのアクセス不足という大きな課題に直面しています。例えばドドマ市では、80%以上の道路が未舗装です。

国による交通網セクターへの巨額の投資がおこなわれたものの、その調整は往々にして不十分であり、深刻化する災害リスクや気候変動リスクの影響に対する配慮が十分とは言えませんでした。防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)が支援するこれまでの分析研究で明らかになったように、タンザニアにおける道路・橋梁建設は、同国で最も頻繁に発生する自然災害である洪水のリスクを時に増加させる結果となっていました。

この課題に対応するため、GFDRRはタンザニアに対し、交通セクターが直面するレジリエンスに関する課題への理解を深め、国およびその開発パートナーがこれらの課題により効果的に対処するための支援を実施しました。この支援は、日本−世界銀行防災共同プログラム(日本プログラム)のもと提供されています。

GFDRRは現在、ドドマ市およびアルーシャ市の2都市における都市交通網の包括的なレジリエンス評価への支援に注力しています。洪水災害モデリング・分析、交通網分析などの手法を用いながら、同2都市における都市交通のレジリエンス計画および投資に資する重要な知見を得ることができました。

都市計画家は、洪水への強靭性に関する研究により、洪水が最も発生しやすい地域を特定することができます。これにより、インフラ整備の優先付けや土地利用の調整が可能になります。…本研究により、自然の氾濫原の保護、湿地の復元、屋上緑化など、環境に配慮した計画を策定し、気候変動により適応した都市計画が可能になります。
Mgesi Nyahende
ドドマ市議

本評価により、特にドドマ市内における道路網の10.5%が大規模な洪水の影響を受ける可能性が高いことが明らかになり、市内で最も甚大な被害を受けると推定される5つの区も特定されました。道路交通網はドドマ市内外を問わず、主要な交通手段となっています。

分析から得られた知見の普及はまだ初期段階であるものの、ドドマ市とアルーシャ市における交通網のレジリエンス強化に向け、すでに国および開発パートナーによる取り組みの推進力となり始めています。 例えばドドマ市における分析は、2025年3月に世界銀行理事会により承認された2億ドルの「ドドマ市における統合的かつ持続可能な交通網(DIST)プロジェクト」の準備に寄与しました。この気候対応型プロジェクトは43万人以上の住民に恩恵をもたらすと期待されており、選定された幹線道路の改善、アクセスルートの強靭化、歩道および自転車道のインフラ強化などの対策を通じて、ドドマ市におけるモビリティの強靭化を目指します。また2030年までにドドマ市において1万人以上の新規雇用の創出と、2%の経済生産高の増加を見込んでいます。

タンザニアにおける交通網の強靭化に対するGFDRRの支援は、東アフリカにおけるGFDRRの活動の一つに過ぎません。例えば、GFDRRは日本プログラムを通じて、タンザニア最大の都市であるダルエスサラームにおける水資源の強靭化および干ばつ対策を支援するとともに、タンザニア全土のダムインフラに対する災害および気候変動リスクの特定と管理に向けた取り組みを推進しています。

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