ドドマ市やアルーシャ市など、タンザニア全土の都市が急速に発展し人口が増加する中、都市部に住む住民の多くは、信頼できる交通インフラへのアクセス不足という大きな課題に直面しています。例えばドドマ市では、80%以上の道路が未舗装です。
国による交通網セクターへの巨額の投資がおこなわれたものの、その調整は往々にして不十分であり、深刻化する災害リスクや気候変動リスクの影響に対する配慮が十分とは言えませんでした。防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)が支援するこれまでの分析研究で明らかになったように、タンザニアにおける道路・橋梁建設は、同国で最も頻繁に発生する自然災害である洪水のリスクを時に増加させる結果となっていました。
この課題に対応するため、GFDRRはタンザニアに対し、交通セクターが直面するレジリエンスに関する課題への理解を深め、国およびその開発パートナーがこれらの課題により効果的に対処するための支援を実施しました。この支援は、日本−世界銀行防災共同プログラム(日本プログラム)のもと提供されています。
GFDRRは現在、ドドマ市およびアルーシャ市の2都市における都市交通網の包括的なレジリエンス評価への支援に注力しています。洪水災害モデリング・分析、交通網分析などの手法を用いながら、同2都市における都市交通のレジリエンス計画および投資に資する重要な知見を得ることができました。