特集 2018年11月28日

日本の専門家がインドの鉄道インフラの強靭性強化に貢献

2018年11月28日
ニューデリー、インド

インドは様々な自然災害、特に洪水、サイクロン、干ばつ、極端な気温上昇、地滑り、山火事、そして地震に対して脆弱です。 研究によると、 気候変動などの要因による自然災害の甚大化や頻度増加により、気象災害の影響が増大することが今後予測されます。 インド国政府は、防災対策を促進し、気候変動に対する強靱化を図るための重要な取り組みを推し進めています。 世界銀行防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)は、災害リスク情報と早期警報システムの改善、国家・州レベルでの制度・政策面での能力強化、インフラ資産やサービスにおける計画、設計と管理向上に関する技術支援を行うことでインド国のこれらの取組みを支援しています。

世界銀行の支援の中でも特に防災を進めるにあたり重要なプロジェクトが、21億1500万ドルの技術支援で実施されている、インドの鉄道の災害に対する強靱性を高めることを目的とした、東部専用貨物鉄道プロジェクト(EDFC)です。日本政府が支援するGFDRRのグラントによる技術支援を通じ、既存のインドの鉄道インフラとそれに関わる取組の強靭性評価が行われました。具体的には、これらの気温の変動、洪水、霧に対する強靭性を評価し、海外の優良事例の調査等を踏まえ、パンジャブ州のルディアナから、デリー近郊のクルジャを経由し、ウッタル・プラデーシュ州のムガルサライまでを繋ぐ、1193kmにもおよぶ東部貨物専用鉄道の、早期警報システム、運用上の緊急時対策、気象災害に対する強靱化を向上させるための提案を行いました。

この取組に対する支援として、2018年11月28日にニューデリーにてステークホルダー向けのコンサルテーションワークショップが開催されました。そこでは、技術支援を通じて行われた評価の結果と、EDFCの中で鉄道運営を更に気象災害に強いものにしていくためのアイデア等が協議されました。このワークショップには、インド貨物専用鉄道公社(DFCCIL)、インド国鉄(IR)、インド鉄道省研究設計標準機構(RDSO)、インド北部鉄道、インド中北部鉄道、インド気象局(IMD)、インド中央水委員会(CWC)、日本から国立研究開発法人防災科学技術研究所(NIED)、JBAコンサルティング、SECON(セコン)と世界銀行を代表する関係者36名が参加しました。このワークショップは、評価結果の検証の実現、EDFCに対し気候変動や災害リスクを管理するための様々なアイデアの提供、そして、関連組織と海外専門家間の防災に関する対話の実現に寄与し、重要な役割を果たしました。

世界銀行東京防災ハブの支援により、日本からNIEDのセンター長である島村誠氏がこのワークショップに派遣され、鉄道インフラの強靭性強化における日本の知見や経験がどのようにEDFCの活動に適用できるか発表をしました。島村氏は特に、インフラ資産のライフサイクルの全ての段階において日本の鉄道がどのように災害リスクに対応しているかについて説明をしました。例えば検査手順の改善、鉄道資産の保護、修理や取替作業、運用や制度面で対応策の確立などについて言及しました。 更に、鉄道サービス運営や異常気象時の災害リスクを軽減するための意思決定プロセスを導く降雨量規制の設定など、重要な取り組みについて強調しました。

東部専用貨物鉄道の気候変動への強靭性の向上に関する報告書からの提言はインド政府に高く評価され、2019年3月19日ニューデリーで開催された、「第2回 強靭なインフラに関する国際ワークショップ」のセッションの一つ、「強靭な港湾、鉄道及び貨物専用鉄道」のにおいて重要なインプットとして発表されました。この報告書は現在、インド政府がEDFCにおいて災害と気候変動への強靭性を高めるための投資判断をするための欠かせない資料となっています。

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写真1:ワークショップの参加者に向けて発表をする登壇者 
写真提供:JBAコンサルティング

 

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写真2:ワークショップの参加者がお互いの経験と意見交換する様子
写真提供:JBAコンサルティング

 



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