特集

ハイチ:コミュニティが選ぶプロジェクト

2007年7月31日


2007年7月31日 - 僻地の村にとって最も重要なプロジェクトは?:道路を通行可能にすることなのか、生産性を上げるための機械購入なのしょうか? それとも、農業用の新技術に投資することか、あるいは、若者の離村に歯止めをかけるよう青年センターを建設することでしょうか?

ハイチ北東部山麓僻地の(地方自治体)カリース村では、リーダーが集まって話し合った結果、村に一番必要なのはきれいな水であると決定。そこで、地域の女性組織 ラロース女性連合(Solidarité Femmes Larose)の提唱した、コミュニティに送水ポンプを設置するというプロポーザルを後押ししました。

世界銀行から17,900ドルの支援金、そしてハイチ政府が契約を結んだカナダNGOのCentre d’étude et de coopération internationale(CECI)(国際研究と協力センター)からのトレーニングと技術支援をもとに、女性たちは送水ポンプを設置し、ポンプのメインテナンスとその為の金融秩序を自分たちで維持する方法を学ぶことができました。彼女たちの努力のおかげで、現在は250世帯が飲料水を得ることができるようになりました。

「送水ポンプのおかげで住民の健康状態が向上しました。ここの子供たちは腸チフスや下痢にかかることもなくなり、母親の心配の種も減りました」と話すラロース女性連合 のコーディネーター、イスラネ・ジャン・シモーンは「このイニシアティブを自治体の他の地域にも応用して行きたい」と意気込んでいます。

コミュニティ主導の開発

カリースでの水プロジェクトはハイチのコミュニティが自分たちのための最優先プロジェクトを自ら決定している一例です。他のコミュニティも、土壌保護や、果物加工センター建築、鋤の購入、コミュニティ学校の建築といったプロジェクトをそれぞれに選んで行っています。

これらのイニシアティブは全てハイチのコミュニティ主導開発プロジェクト(Haiti Community Driven Development - CDD)の一環で、その資金は、世界銀行の一機関で、世界の最貧国への援助を行う国際開発協会(IDA) から3千800万ドル、さらに、コミュニティ・ベースの組織からの230万ドルによって資金調達されました。今後5年にもわたり、CDDのプロジェクトは55から65の遠隔及び都市周辺の自治体において約1300の小規模投資への資金援助を行い、ハイチの地方自治体の42パーセントと19万5千人のを支援していきます。

このプロジェクトの考え方は、直接コミュニティが資源管理できるようにすることで、地域レベルでの成果を上げさせ、社会の結束を高め、よりよい自治を促すことにあります。「ハイチでは、政府、世界銀行、地方自治体政府および開発関係団体が協力し合ってコミュニティの意思決定を援助しています」とハイチのプロジェクト・コーディネーターのヘンリオット・ネイダーは語り、そして「私たちのゴールは自ら率先して自分たちや家族の生活を良くしていこうとしている地元の人たちを援助していくことなのです」と加えました。

仕組み

CDDのアプローチは地域社会を基盤とする組織による投資の必要性の認識から始まります。そして民主的に編成されたプロジェクトの開発委員会が、利用可能な資源に見合う最優先プロジェクトは何かを決定します。

「選ばれた投資は平均1万7500ドルほどの援助金を受け取ります。この投資は地域の組織によって準備され、実施、管理運営、維持されます」と世界銀行のハイチCDDプロジェクトのタスク・マネージャーのゲリー・シャルリエーは説明します。

政府機関のPL−480管理事務所が CECIや全米開発財団といった地元組織と契約し、コミュニティへ必要なトレーニングや技術支援を提供します。

世界銀行とハイチ政府は協力してプロジェクト全体の監督を確実におこないます。これはハイチの生活環境向上を援助し、法治を整備していこうという世界銀行の広範な責務の一環です。

「地域主導の開発アプローチのすばらしいところは、地元の人たちが最も必要としているものをターゲットとし、その最中心にあるプロジェクトを狙えることです」と世界銀行のハイチ担当マネージャー、マスラン・グベチボウオウは語っています。さらに、「コミュニティのメンバーを共通のゴールに向けて協力させることで、プロジェクトは地域の平穏と融和とに貢献できます」とつけ加えています。

生活の向上

ハイチのコミュニティの生活向上を目指す努力の結果は目に見えた成果をあげ始めています。下記がその例です。

  • 修復された道路のおかげで運送費がさがり、ハイチ南西部にあるカリフール ビルヒーユ・ビドゥーズ村の住民たちの市場や生活に必要な施設などへのアクセスが改善されました。
  • カリース近郊にあるガンドゥナンテにある果物加工場は地元の女性の就職率を上げ、女性の経済的自立を高めました。
  • 南部にあるブロドカン自治体では、ヤギの繁殖プロジェクトが僻地の家族の生活を活気づけました。

「コミュニティがプロジェクトを自分たちのものとしてとらえて、利益をあげています」とグベチボウオウは語っています。

有望な投資

プロジェクト開発委員会によって選ばれたそれぞれのサブ・プロジェクトには、まだ援助金を得ていない有望な投資があります。たとえば、カリースでは選ばれた送水ポンプ・プロジェクトのほかに、製粉場の建築、家畜の健康改善といった他の3つの有望なプロジェクトもありました。CDDのプロジェクトチームは、最も優れた補欠提案にもチャンスを与えたいと努力しています。「世界中に散らばっているハイチ人たちのコミュニティや他の献金者と協力してこれらのプロジェクトへの出資金をみつけていくつもりです。協力すればできるはずです」とシャルリレーは語っています。

今後数ヶ月にわたり、ハイチのコミュニティ主導開発プロジェクトのマルチメディア・シリーズを展開していきます。

ハイチのシリーズを今後もウェブでご覧になるか、カリビアンに関する隔月アップデートにサインアップすることもできます。


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