イベント
「日本政府と世界銀行による保健共同研究」研究報告書出版記念イベント
2014年10月9日ワシントンDC


IMF世銀グループ総会にて「日本政府と世界銀行による保健共同研究」研究報告書出版記念イベントが開催されました。

2014年10月9日、米国ワシントンDCにおいて「日本政府と世界銀行による保健共同研究」研究報告書出版記念イベントが開催されました。

世銀は、日本の国民皆保険制度などユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に係る各国の知見や教訓を、途上国の政策立案に活かしてもらうことを目的に、2012年1月より計11か国を対象に、日本政府と共同研究を実施してきました。2013年12月には、本共同研究を総括し、各国のUHCの課題と経験を共有するために「保健政策閣僚級会合」を東京で開催するともに、今般、本共同研究報告書の完成・出版に伴い、IMF世銀グループ総会にてサイドイベントを開催し、研究成果の一層の普及を図ったものです。

冒頭、開会挨拶として、キース・ハンセン世銀グローバル・プラクティス、クロス・カッティング・ソリューションズ担当副総裁より、本研究報告書が、全ての国においてUHC達成に向けた教訓や戦略となる旨が述べられ、続く武見敬三参議院議員より、UHCを達成した日本においても、高齢化社会を迎え、UHCの持続可能性に向けた課題を抱えており、これらの格闘を経て得た教訓を地球規模で共有していく旨が述べられました。

続いて、執筆者から報告書の概要等が紹介され、前田明子世銀首席保健専門官より、本共同研究の目的は、先進国と途上国がUHCに関して相互に教訓や経験を共有することにあるとした上で、研究の3本柱である①政治力学、②医療財政、③保健医療人材に関する概要説明が行われました。また、マイケル・ライシュ ハーバード大学教授から、UHC実現・維持のプロセスにおける政治力学に係る教訓が提示され、政治的リーダーシップと慎重な制度設計が必要である旨が述べられ、続く池上直己慶應義塾大学教授からは、日本の経験に係る研究成果の概要とともに、日本の診療報酬制度が、医療コストの抑制や被保険者間の公平性の維持、医療人材や医療資源の適正配分等に貢献してきたことが紹介されました。

その後、モデレーターとしてティム・エバンス世銀保健担当グローバル・プラクティス・シニア・ダイレクターを迎えたパネルディスカッションでは、小寺清JICA理事、マサラ・エテュービ・エチオピア保健省局長、クリサ・エティェン汎米保健機構(PAHO)局長の間で、UHC実現に向けた課題等について活発な議論が展開されました。小寺理事は、日本の診療報酬改定に係る交渉過程や政治力学、UHC達成の鍵となるモニタリング実施体制の重要性等について、エテュービ局長は、プライマリー・ヘルス・ケア提供と、それに伴う財源確保に向けた政策や公平性について検討することの重要性等について、そして、エティェン局長は、本研究が焦点を当てた、プライマリー・ヘルス・ケアを通じた医療サービスや診療報酬制度のあり方が、包括的なヘルスケアを実現する上で重要であることを、それぞれ述べられました。

さらに、本イベントの締め括りとして、麻生太郎副総理兼財務大臣より閉会のご挨拶を頂き、本イベントの成功と執筆者に賛辞を伝えられるとともに、昨今のエボラ問題に関し、個別の感染症対策を超えたヘルスシステム全体の強化の重要性と、日本はUHCの実現に向けて取組む途上国に対し、自らの経験や知見を活かしながら、サポートを行う用意がある旨を述べられました。

今後の、各国の持続的なUHCの実現に向けた取組、そして日本政府と世界銀行のパートナーシップの更なる強化に向けて、本イベントは大きなスタートとなりました。