東京開発ラーニングセンター(Tokyo Development Learning Center:TDLC)は、2004年より日本政府と世界銀行のパートナーシップにより運営されている信託基金プログラムで、世界銀行の都市開発分野の専門部署である「都市・防災・強靭性・土地グローバルプラクティス(GPURL)」の下で運営されています。
TDLCは、都市開発分野の知見収集・発信拠点(ナレッジハブ)として、日本と世界の都市開発におけるベストプラクティスの特定、新しい知識の創出、実践可能な解決策の普及に取り組み、世界銀行が途上国で展開している都市開発分野の融資事業の成果の向上に貢献しています。
戦略
TDLCは東京を拠点とし、多様なセクターで活躍する国内外の都市開発専門家及び都市分野の実務者、世界銀行のプロジェクトチームやスタッフとの協力体制のもと、共同研究、知識共有、技術協力などに取り組んでいます。
TDLCは4つの主要な活動を、急速に変化し続ける都市開発の課題や世界銀行が途上国で実施する事業のニーズに合わせて、迅速かつ柔軟に展開しています。

- 都市開発実務者向け対話型研修(TDDs):途上国で都市開発事業に取り組む実務者や政府・自治体関係者を対象とした、TDLCの代表的な1週間にわたる実践的知識共有プログラムです。
- 融資事業向け技術協力:主に、TDDsで学んだ知識のフォローアッププログラムとして、途上国の都市開発課題のニーズに合わせた技術協力やアドバイザリー支援を実施します。
- 都市の知見創出と発信:都市開発の主要なトピックを独自に調査し、それらの成果を出版物やマルチメディアコンテンツを通じて発信しています。
- 都市連携プログラム(CPP):選定都市としてパートナーシップを結ぶ日本の都市から得られた都市開発のベストプラクティスや実践可能な専門知識を途上国の開発事業に活用する取り組みです。
TDLCの実績
2020年6月までの5年間に、TDLCは80か国において総額610億ドルに上る世界銀行の融資事業に貢献しました。80を超える国々から1,400名以上が28回のTDDsに参加し、TDDs参加者に対するフォローアップとして104件の融資事業向け技術協力が35か国で実施されました。
また、TDLCの「都市連携プログラム(CPP)」を通じて、北九州市、京都市、神戸市、富山市、福岡市、横浜市の6選定都市が、TDDsを含む計71のイベントやその他の活動にて、各市の知見を共有しました。さらに、TDLCと共同で29件の出版物を制作し、世界銀行が途上国で実施する事業に貢献しました。