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BRIEF 2023年11月21日

世界銀行強靭な都市・地域開発プロジェクト(RUTDP)にかかるワークショップに参加

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ワークショップ参加者の集合写真


世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)は、2023年9月24日(日)から26日(火)の3日間にかけてバングラデシュのダッカで開催されたワークショップ「都市強靭性フォーラム: 戦略的計画と開発の推進」(世界銀行バングラデシュ都市チーム及びバングラデシュ国地方行政技術局(LGED)共催)に参加し、日本の都市開発の知見を共有しました。

このワークショップは世界銀行強靭な都市・地域開発プロジェクト(RUTDP)の一環として実施されるもので、バングラデシュ国内の3つの経済回廊に位置する14の都市の関係者を対象に、各都市並びにその周辺地域に及ぶ統合的な都市計画とインフラ整備にむけた合意形成を促すこと目的としています。今回は14の都市から市長を含め約50名の自治体関係者が参加し、各都市における課題や可能性、そして都市間ネットワーク強化に向けた方策について議論しました。

ワークショップでは、まず仙台市危機管理局の田脇正一氏が登壇し、仙台防災枠組の概要と仙台市における都市強靭性向上にむけた政策や取組みについて発表しました。田脇氏は過去の災害経験や教訓を踏まえて、強靭なまちづくりにむけた防災計画を立案していくことが重要だと語り、防災計画にもとづくハード及びソフト面における備えが、都市における減災と早期の復興につながると述べました。また、災害リスクだけではなく、気候変動やパンデミックといった新たなリスクも含めた危機管理を効率的に行うためには、投資の拡大、より強力な政治的コミットメント、そしてガバナンスの改善が必要であると語りました。この日は、各都市の代表者が、それぞれ都市におけるインフラや廃棄物の課題についても発表し、自治体の人材不足や財源、そして環境課題などの問題を指摘しました。

ワークショップ2日目は、第3回国際都市・地域計画会議(ICURP 2023)の世銀のセッション『統合された都市計画と開発に向けて: 日本とバングラデシュの都市実務者の対話』に合流し、日本における都市計画や公共交通志向型開発(TOD)ならびに廃棄物管理の取組について理解を深めました。こちらのセッションでは、まず都市計画の専門家である遠竹利道氏(URリンケージ)が登壇し、日本で普及している立地最適化計画の手法について日本の地方都市の事例を交えながら解説しました。また、TODの専門家である齋藤 眞人氏(URリンケージ)もTODが都市にもたらすプラスの効果と日本のTODの発展過程、そして渋谷の再開発事例を紹介しました。齋藤氏は、官民と学識経験者が協働してまちづくりにかかわる政策に携わってきたこと、事業実施にあたっては開発者だけでなく、渋谷の民間事業者や公的機関が継続的に協議・調整し、実施してきたこと、そしてこうした取り組みにより駅周辺だけでなく、渋谷区全体の新たなまちづくりや地価向上等の経済効果につながったと語りました。

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日本の立地最適化計画について解説する都市計画専門家の遠竹利道氏(株式会社URリンケージ)

また、廃棄物管理の専門家である古澤康夫氏(自然エネルギー財団/東京都環境公社)は、東京都を事例に日本の廃棄物管理の歴史と法制度、自治体における分別回収から最終処分までの過程について解説しました。そのうえで、廃棄物管理においては各地域の社会背景を考慮した対応が必要であること、現場の人々の声に耳を傾けることが何より重要であること、そして使命感をもって楽しく廃棄物管理に取り組むことが重要だと述べました。

ワークショップ最終日には、各自治体の代表者が1日目及び2日目の学びをもとに行動計画を発表しました。彼らの多くが総合的な都市計画の重要性や近隣都市との連携強化の必要性、中心市街地に立地する施設の機能を明確にすることの重要性、(特に廃棄物管理における)市民との対話と協力の価値について触れ、ワークショップがRUTDP成功にむけた大きな一歩となったと語りました。

TDLCは今後もこうしたワークショップを途上国のカウンターパートと実施し、日本のまちづくりの知見を共有するとともに、現地において展開される世銀の都市開発プロジェクトを後押ししてまいります。

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参加者のアクションプランに対してコメントする公共交通志向型開発の専門家の齋藤眞人氏(株式会社URリンケージ)