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プレスリリース 2021年2月11日

世界銀行がアフリカでの新型コロナウイルス感染症ワクチン供給に初の支援


カーボベルデが優先摂取対象者20%を含む人口のほぼ35%に当たる約20万人分のワクチンを調達・配布

ワシントン、2021 年2月11日  世界銀行は本日、小島嶼国カーボベルデにおける新型コロナウイルス感染症ワクチンへの低価格で公平なアクセスの確保に、国際開発協会(IDA)から追加資金500万ドルの支援を承認した。世界銀行の資金によるプロジェクトとして、COVAX ファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility)と協力し、アフリカで国家による新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種計画と調達・配布を支援するのは今回が初めてとなる。

今回の追加資金は、新型コロナウイルス感染症ワクチン40万回分以上の他、ワクチン接種をスムーズに進めるためのマスク等の個人防護具(PPE)をはじめとする医療機器の調達・配布に充てられる。同プロジェクトはまた、コールドチェーン(低温物流)の機器・輸送に資金を提供すると共に、観光客の入国規制緩和に向けて保健インフラの向上を図る。各種の取組みは、カーボベルデ新型コロナウイルス感染症緊急対応プロジェクトを通じて提供された緊急支援を拡大する形で進められる。

 「アフリカ地域ではコロナウイルス感染症の第2波により人的被害と経済への悪影響が深刻化し、学校封鎖や経済活動の停止が余儀なくされている。こうした中、我々は各国によるワクチン、検査、治療のための調達・配布やワクチン接種関連システムの強化を支援するため取組みを拡大している。」と、世界銀行のウスマン・ディアガナ西部・中央アフリカ地域総局副総裁は述べた。「カーボベルデは、ワクチン接種キャンペーンの経験が豊かであり、今月からワクチン配布を開始する準備が整っている。今回の支援は、カーボベルデ国民のために未来を安全なものとし、雇用を取り戻し、今回の危機で特に大きな打撃を受けた観光業を立て直すための重要な一歩となる。」

カーボベルデの経済は今回の危機により深刻な打撃を受けており、2020年のGDPはマイナス11%となったとみられる。2020年、西アフリカの沖合に位置する同国を訪れる観光客は70%減少し、失業率は20%近くに上り、貧困率は20%から45%へと短期間に2倍以上に急上昇した。犠牲者の3人に2人は65歳以上の高齢者だが、特に大きな打撃を受けているのは、現役で経済活動に従事する若い人々である。

「数カ月にわたり懸命な取組みと効果的な協力を進めてきた結果、我が国の新型コロナウイルス感染症ワクチンの調達・配布のための追加資金について世界銀行の承認が得られたことを大変歓迎する」と、カーボベルデの副首相兼財務大臣オラボ・アベリノ・ガルシア・コレイア博士は述べた。 「この追加資金は、危機が始まった当初にカーボベルデに対して講じられた広範かつ迅速な措置を補足するものとして不可欠である。これまで以上に多様かつ強靭な形で経済成長を再開できるよう、国民へのワクチン接種をただちに開始したい。」

カーボベルデ政府は、全国新型コロナウイルス感染症ワクチン接種計画の策定に当たり、世界銀行、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)の支援を受けて、ワクチン接種の準備態勢に関するアセスメントを実施した。その結果、準備態勢は順調に整いつつあり、摂取対象となる国民の特定プロセスも法的枠組みの下で進められていることが確認され、カーボベルデはワクチン調達の主たるメカニズムとしてCOVAX のワクチン買取補助金事前保証制度(AMC)を活用できる資格を獲得した。

今回の危機を受け、世界銀行グループはただちに、カーボベルデにおける対策において人的被害の削減、貧困層の保護、より良い復興を3つの重点分野と定めた。保健分野での対応の一環として、500万ドルの緊急保健プロジェクトと、パンデミック緊急ファシリティ(PEF)を通じた94万ドルの追加グラントが基本的な医療機器の調達に充てられた。これに加え、1,000万ドルの災害リスク繰延引出オプション(Cat DDO)が、経済的ショックと保健対応によって浮き彫りとなった財政資金の不足を解消するきっかけとなった。最脆弱層の保護に向け、より多くの困窮家庭を対象に緊急で現金給付を行うため、300万ドルが社会的包摂プロジェクトを通じて再配分され、追加資金1,000万ドルが承認された。また、教育・技能育成促進プロジェクトが、学校閉鎖の間の遠隔学習をスムーズに進めるためのタブレット端末とテレビの調達に役立てられた。経済を再建するために、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた零細・中小企業の助成金アクセス・プロジェクト」を通じた追加資金が、中小企業による融資へのアクセスを支援している。この他にも、財政の強靱性強化と国営企業の改革を目的とする2,500万ドルがこの程承認された。

世界銀行は、途上国に開発のための資金や知識を提供する世界有数の機関であり、途上国が今回の世界的流行の保健、社会、経済面の影響に対応できるよう、広範かつ迅速な措置を講じている。ここには、ワクチン、検査、治療のための調達・配布やワクチン接種関連システムの強化を支援するために低・中所得国に提供される120億ドルが含まれる。こうした資金提供は、100カ国超において保健システムの強化、最貧困世帯の保護、特に深刻な打撃を受けた人々の生計と雇用の維持を支援するより広範な世界銀行新型コロナウイルス感染症対策を拡大する形で進められる。


プレスリリース番号: 2021/090/AFR

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