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プレスリリース 2020年8月10日

世界銀行グループ、2020年度の財務諸表を発表

ワシントン、2020年8月10日—世界銀行グループは、途上国における開発成果の向上を支援すると同時に、新型コロナウイルス感染症の保健・経済面への影響軽減に全力を注いでおり、2020年度(2019年7月1日~2020年6月31日)のコミットメント総額は734億ドルに上った。これは前年度比23%増であり、過去10年間における最高水準である。グループ4機関が本日発表した財務諸表は、世界銀行グループの堅調な財務体質、新型コロナウイルス関連を含む大規模な資金需要、そして出資国および資本市場からの継続した支持を反映した内容となっている。

世界銀行グループ4機関の財務諸表には、各機関のマネジメントの議論と分析も掲載されている。4機関とは、中所得国に融資と助言を提供する国際復興開発銀行(IBRD)、最貧国を支援する国際開発協会(IDA)、民間セクターへの支援を手がける国際金融公社(IFC)、途上国にインパクトの大きな外国直接投資を促進する多数国間投資保証機関(MIGA)である。

世界銀行グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に迅速に対応し、2021年6月30日までの15カ月間に最大1,600億ドルの支援を行う用意がある。世界銀行グループは2020年度、新型コロナウイルス感染症関連の支援として総額約210億ドルを提供した。

「途上国は保健・社会・経済面で前代未聞の危機的状況に直面しており、数十年をかけて達成された開発成果が失われ、数百万人が貧困へと追いこまれようとする中、世界銀行グループの使命はかつてないほどの緊急性を帯びている。本日グループ4機関から発表された財務諸表は、世界銀行グループが、保健医療システムの強化、最貧困世帯の保護、経済基盤の維持、格差への取り組み、強靭性のある持続可能な回復において各国を支援するための手段と堅実な財務体質を兼ね備えていることを示すものである。」とデイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁は述べた。「世界銀行グループは、成長の加速と開発成果の向上のために、国別プログラムを一層重視するようになっている。業務の再編に伴い、国主導の開発をプログラム実施の主軸とする一方、開発課題について革新的な考え方を示しリーダーシップを強化している。引き続き低所得国への支援を増やし、脆弱性・紛争・暴力の影響下にある国々に資源を振り向けていく。長期的に我々の優先課題は、広範な成長の創出と、電力や清潔な水といった基幹インフラへのアクセス拡大を通じた平均所得の引上げ、デジタル金融サービスの対象範囲拡大、法治と民間セクターの成長・発展の促進、債務と投資の透明性と持続可能性の促進が中心となる。」とマルパス総裁は述べた。

 

4機関の財務諸表の主要な点は次の通り。

国際復興開発銀行(IBRD)

  • 2020年度のコミットメント純額は280億ドルに増え、実行額は引き続き202億ドルの高水準を維持した。2020年度のコミットメントの内、下位中所得国向けが全体の55%を占めた。
  • 貸出返済額を考慮すると、2020年度の純貸出実行額は106憶ドルであり、IBRDの貸出ポートフォリオは前年度比5%増の2,022億ドルとなった。
  • ポートフォリオ拡大にもかかわらず、IBRDの自己資本規制比率である対貸出資本比率は22.8%と安定していた。背景のひとつとして、一般増資からの払い込み10億ドルと、準備金10億ドルの留保が挙げられる。
  • 20年度、資本市場において、中・長期債を発行し前年度比210億ドル増の750億ドル相当を調達した。これらの資金は開発融資に充てられ、流動性強化に貢献した他、満期を迎える債務の借換えに充てられた。
  • IBRDは前年度5億500万ドルの純利益から、2020年度は4,200万ドルの純損失を計上した。これは主に、トレーディング・ポートフォリオ外での時価ベースでの評価損によるもので、一部は多額の正味利息収入により相殺されている。
  • IBRDがグループ内機関への利益配分の内部基準としている「配分可能な利益」は、前年度から2億ドル増の14億ドルであった。これは主に、正味利息収入の増加による。

国際開発協会(IDA)

  • 2020年3月、総務会はIDA第19次増資(IDA19)を承認し、対象期間である2021年度から2023年度の3年間に新たに820億ドルをコミットすることに合意した。対象には、債務の透明性を強化し、債務の持続可能性を高めるための枠組みを導入する国が含まれる。
  • 2020年度、IDAの純コミットメント額は、前年度比39%増に当たる304億ドルであった。2020年度の純実行額は、前年度比24%増の151億ドルで、これにより融資残高は前年度比6%増の1,610億ドルとなった。
  • IDAは資金調達の一環として、国際資本市場において債券の発行も行い、2020年度は中・長期債により50億ドルを調達した。
  • 2020年度に計上した純損失は11億ドルで、前年度の67億ドルを大きく下回った。これは、新たな会計基準の導入によりグラントの扱いが変更になったためである。
  • IDAの自己資本規制比率を評価する「展開可能な戦略的資本比率」は、前年度をわずかに上回る35.8%であった。IDAの資本は引き続き、業務遂行に十分な水準にある。
  • IDAが業務の経済効果のモニタリングに用いる財務の持続可能性基準である調整済み純利益は、前年度比4億9,900万ドル増の7億2,400万ドルであった。この増加の背景には主に、延滞債務解消措置の結果としての融資損失準備金の減少と、利息収入の増加があるが、一部は投資取引ポートフォリオの時価ベースでの評価益減少により相殺されている。

国際金融公社(IFC)

  • 2020年の長期的投融資コミットメントは220億ドルに増えた。自己勘定からのコミットメントは110億ドルに、他の出資者からの動員額は110億ドルに達した。さらに、短期的には65億ドルの投融資を行った。
  • コミットメント総額には、新型コロナウイルス感染症対策支援パッケージの21億ドルとして自己資本15億ドル、他の出資者からの動員額6億ドルが含まれる。短期的な貿易金融には新型コロナウイルス感染症対策の20億ドルが含まれる。
  • IFCは2020年度に1兆6,720億ドルの純損失を計上した。 株式ポートフォリオの評価損は、2019年度の9億1,800万ドルから、2020年度は総額1兆6,030億ドルに達した。投融資ポートフォリオにおける損失引当金総額は、2019年度の8,700万ドルから2020年度は6億3,800万ドルに増えた。
  • IFCの自己資本規制比率である「展開可能な戦略的資本比率」は、2019年度末に11.6%だったが、2020年度末には17.9%に増えた。これは主に、IFCの業務遂行に必要な資本の減少によるものである。
  • 中長期資金として2020年度は120億ドルを調達した。 

多数国間投資保証機関(MIGA)

  • MIGAのコミットメント総額は、2019年度は37件のプロジェクトに対する55億ドルだったが、2020年度は47件のプロジェクトに対する40億ドルであった。この減少は、MIGAがIDAの支援対象適格国と脆弱性・紛争の影響下の状況への支援に注力していることを反映したものである。
  • 新型コロナウイルス感染症対策の一環として、新興国・途上国の民間投資機関や貸し手が新型コロナウイルス感染症の影響に対処できるよう、21億ドルの保証を提供した。これは2020年度のMIGAの新規保証の53%に相当する。
  • 2020年度末の時点での純保証額は、2019年度末の83億ドルの11%増に当たる92億ドルに達した。
  • 2020年度の純利益は、2019年度の8,240万ドルを下回る5,720万ドルであった。この減少は、支払準備金が2,590万ドル増え、保険料収入から管理費を差し引いた事業利益が130万ドル減少したことによるもので、その一部は投資利益が180万ドル増えたことで相殺されている。
  • MIGAの自己資本規制比率である資本稼働率は47.5%と、前年度から大きく変わらなかった。これは、MIGAの資本を管理するため民間セクター再保険キャパシティを引き続き展開したためである。

 

世界銀行グループ4機関の財務諸表および各機関のマネジメントの議論と分析の全文は、以下のウェブサイトをご覧ください。

 


プレスリリース番号: 2021/016/EXC

お問い合せ

ワシントン
David Theis
(202) 458-8626
dtheis@worldbankgroup.org
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(+81-3) 3597-6650
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