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プレスリリース 2018年11月13日

低・中所得国の借入、2017年に3倍以上に:世界銀行国際債務統計

対外債務残高、2017年には10%増の7.1兆ドル

 

2018年11月13日、ワシントンD.C. — 世界銀行が発表した「国際債務統計」2019年版によると、低・中所得国による国外の公的・民間債権者からの借入は、前年の1,800億ドルから2017年には3年ぶりの最高水準となる6,070億ドルにまで急増した。また、2014年以降初めて、純債務フローが株式資本フローを上回ったことが明らかになった。

同報告書はまた、債務と株式を含む純金融フローが1.11兆ドルに跳ね上がり、4年ぶりの最高水準となったことを示唆している。

低・中所得国の昨年の対外債務残高は、2016年から10%増加して7.1兆ドルに達した。対外債務の対GNI比は平均25%で安定して推移し、債務の対輸出収入比は102%に低下した。にもかかわらず、レバノン、モンゴル、モザンビークといった低・中所得国11カ国では、債務のGNI比が100%を上回っている。

本データベースは、低・中所得国121カ国について、国外債権者から借り入れた債務の残高とフロー、及びその他の金融フローを測定している。データの根拠をなすのは、公的債務と公的保証付き債務についての貸付ごとのデータ、非保証民間債務の集計データ、国際収支統計、公的援助フロー、短期対外債務などである。

「測定は、債務管理の改善、及び債務の持続可能性への取り組みの第一歩です。本統計は他に類を見ないデータソースであり、各国の政策担当者や専門家にとって参考となるはずです。世界銀行は、ユーザーのニーズに対応し、各国が直面している債務管理についての情報を提供できるよう全力で取り組んでいます」と、ハイシャン・フー世界銀行開発データグループ長は述べた。

地域別に見ると、サブサハラ・アフリカ諸国では対外債務が16%近く増加した他、南アジア地域と中東・北アフリカ地域も、対外債務残高がそれぞれ11%、12%と増加した。一方、東欧、中央アジア、ラテンアメリカ・カリブ海地域の国々では、対外債務残高は3%程度の増加にとどまっている。

公的債券と公的保証付き債券の純発行額は、すべての公的・民間債権を合わせた純長期債務フローの85%を占めた。また、新規債券発行額は、2016年の1,960億ドルから2017年には過去最高の3,500億ドルに跳ね上がった。

債務とは対照的に、低・中所得国に対する株式資本フローは、2017年には5,150億ドルとわずかに減少した。また、海外直接投資(FDI)フローは2年連続で減少し、3%減の4,540億ドルとなった。しかし、国際開発協会(IDA)の融資対象となる最貧国に対する海外直接投資フローは11%増加している。

2017年の民間債権者からの新たな貸付は、2016年の3倍以上となる92億ドルに増加したが、こうした貸付の1/3以上は、債務危機の恐れが高いと評価されているIDA対象国に向けられたものである。民間債権者からの貸付は通常、一括返済または比較的短期の支払期間である上に、市場金利であることを踏まえると、債務の持続可能性についての懸念の高まりが浮き彫りになる。

国際債務統計2019年版は、2017年の世界経済における対外債務残高や金融フロー(債務および株式)に関する統計や分析を提供している。また、対象国のほとんどについて、1970年~2017年の時系列指標が200以上掲載されている。

報告書および関連資料:

 


プレスリリース番号: 2019/084/DEC

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