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プレスリリース 2015年7月17日

メタンガス削減を目的とする初の排出権オークション取引に成功

ワシントンDC、2015年7月17日— このたび、 「オークションを活用したメタンガス排出削減を目指す機構」(Pilot Auction Facility for Methane and Climate Change Mitigation’s-以下PAF) により、初めてのネットオークションが開催され、多くの民間企業が入札に参加しました。入札の結果、総量870万トンの排出権を一トン当たり2.40米ドルでPAFが将来的に購入を保証する取引が成立しました。

今回対象となるのは、ゴミ処理に付随して発生するメタンガスに関連する排出権となります。排出権の買取価格を保証する取引にオークションを活用したのは初の試みで、本件はメタンガス排出削減の新たな金融手法の一つとして今後普及していくことが期待されます。 メタンガスは、数ある温室効果ガスの中でも最も温室効果の高いものの一つで、 長期的には二酸化炭素の25倍もの温室効果があると言われています。具体的な対象プロジェクトは、ゴミの埋め立て処理・農業・汚水処理から発生するメタンガスを削減するもので、その殆どがブラジル・インド・インドネシア・マレーシア・メキシコ・タイに集中しています。

本オークションは7月15日に開催され、開発途上国から先進国まで、大小様々な28社の企業が参加しました。入札形式は、排出権を「一定の価格」(ストライクプライス)で「売却する権利」(プットオプション)の価格を0.30米ドルで固定し、ストライクプライスを入札するものとなりました。

オークション主催者側であるPAFはなるべく低い「購入」価格を希望し、一方入札企業はなるべく高い「売却」価格を希望する立場なため、一般的なオークションとは逆に、最も低い価格を入札した参加者が落札するという形式となりました。結果、最終落札価格は一トンあたり2.40米ドルとなり、12社が落札することとなりました。

以上により、落札した12社は一トン当たり0.30米ドルのコストを前払いすることで、将来メタンガス削減により取得する排出権を一トン当たり2.40米ドルでPAFに売却する「権利」を取得しました(詳細につきましてはPAFウエブサイト(英語)をご覧下さい)。

「初めての取り組みとなった本パイロット・オークションが成功したことにより、メタンガス削減のための新たな金融の道筋が開けたと言える。このような新たな金融手法により、温暖化問題に対処するには不十分な公的資金を最大限に有効活用しつつ、民間資金の温暖化対処プロジェクトへの投資が促されることを期待したい。」(レイチェル・カイト、世銀グループ副総裁 兼 気候変動特使

本件のユニークな点として、世銀債の仕組みを決済に応用していることが挙げられます。前述の通り、落札者は排出権一トンあたり0.30米ドルの費用を「最初に」PAFに払い込み、その結果「将来に」排出権一トン当たり2.4米ドルでPAFに売却する権利を取得しますが、このキャッシュフローを再現する特殊な世銀債を落札者に購入してもらうことで、複雑かつ長期に渡る資金決済手続きを簡素化しています。

「将来の買取価格保証という保険的な商品特性を持つ金融商品が温暖化問題の対処に貢献し、その組成に特殊な世銀債が活用されたのは資本市場にとって斬新かつ新たな試みであり、温暖化問題に対処するグリーンボンドの発行を先導してきた世銀にとっても意義深いことである。PAFの仕組みはメタンガスだけでなく、他の温室効果ガスの削減にも活用が可能であり、その実現を心待ちにしている。」(ドリス・ヘレラ・ポール、世界銀行財務局資本市場部門担当局長

地球温暖化問題に活用できる公的資金の総額は限られており、オークションを活用することにより、資金を最大限に効率的に活用することをPAFは目指しています。加えて重要な点は、「PAFは排出権が実際に発生した場合のみ保証価格で買い取る」点で、仮に事業者の目標が達成されず排出権が発生しなかった場合でも、追加の無駄な出費は一切生じないことです。

PAFの出資国であるドイツ、スウェーデン、スイス、米国は合計で5,000万米ドル(約62億円相当)を拠出することで合意しており、1億ドル相当の出資金を集めることを当面の目標としています。オークションに関しては、今後1年半以内に2-3回開催する計画となっています。

世界銀行について
世界銀行(通称 IBRD:International Bank for Reconstruction and Development) は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在188の加盟国が出資し運営しています。IBRDは加盟国への貸出・保証に加え、リスク管理サービスおよび分析・助言サービスも提供し、加盟国の公平で持続可能な経済成長と環境保全を両立しつつ、世界の貧困を削減することを目指しています。最終的な目標は、貧困を撲滅し世界中の人々の生活水準を改善することです。貸出資金を調達する(借入れる)ために、世界銀行は60年以上にわたり国際資本市場で債券を発行しています。

詳しくは世界銀行財務局のウェブサイトをご覧ください。


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