グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)は、G20のイニシアチブとして設立された官民連携のグローバル・プラットフォームです。GIFは、ドナー機関、国際開発金融機関、各国政府に加え、民間投資機関や金融機関からの専門的知見を活用し、開発途上国および新興国の各国政府に対し、民間資本を用いた持続可能で質の高いインフラプロジェクトの案件形成を支援しています。
投資適格性のある質の高い持続可能なインフラプロジェクトを民間企業に提供する目的のもと、GIFは個別プロジェクトの支援に加え、知見の共有を行っています。その取り組みの一つとしてGIFは、ブラジルが議長を務めるG20インフラストラクチャー作業部会のもと、国際通貨基金(IMF)と連携し、報告書「新興国・途上国におけるインフラプロジェクトの為替リスク対策」(Addressing Exchange Rate Risk in Infrastructure Projects in EMDEs)を作成しました。
インフラ投資は、持続可能な開発と経済成長に必要不可欠であり、特に新興国・途上国においてその重要性は一層高まっています。しかし、これらの国々は財政制約や為替リスクといった課題に直面しており、そのことがインフラプロジェクトへの民間資本の誘致を妨げています。特に、現地通貨収益とハードカレンシーによる資金調達のミスマッチによるFXリスクは、重大な課題です。
本報告書では、FXリスクを可能な限り低減するために、現地資本市場からの現地通貨ファイナンスを含む戦略的枠組みを通じ、マクロ経済およびプロジェクトレベルの双方でのFXリスク管理に関する国別戦略を提供しています。また、残るリスクに対しては、リスク軽減メカニズムや革新的な金融ソリューションを用いる方法についても解説しています。
本セミナーでは、GIFのヘッドを務めるアストリッド・マンロスおよび上級インフラ金融専門官のジョアオ・サビノが、本報告書の要旨に加え、GIFが支援する民間投資家向けの投資案件の事例についてもご紹介しました。
スピーカー
アストリッド・マンロス
グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)ヘッド
ジョアオ・サビノ
グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)上級インフラ金融専門官