世界銀行は、デジタル分野のアントレプレナーシップの育成に向けた起業エコシステム(entrepreneurial ecosystem)評価、そのための手法とデータセットを含めた新ツールキット「デジタルビジネスとその先のための起業エコシステムの開発」(Developing Entrepreneurial Ecosystems for Digital Businesses and Beyond: A Diagnostic Toolkit)を発表しました。
本ツールキットは、企業レベルのデータの収集・分析、イノベーションと中小企業を支援する政策の質と効率性の評価、地方自治体レベルでの分析のため空間経済学的視点といった世界銀行の知見を提供しており、複数国の比較分析、地域レベルでの起業エコシステムの評価、デジタル分野のアントレプレナーシップとハイテク新興企業、公共プログラムと仲介組織のマッピング、デジタル市場規制、起業エコシステムをサポートする政策オプションの 6 つのモジュールで構成されています。
今回のモーニングセミナー(第184回)では、本ツールキットの著者であるマルシオ・クルーズ国際金融公社(IFC)経済リサーチユニット首席エコノミストとティンティン・ジュニ・ズー世界銀行市場・競争力・技術グローバルユニット上級エコノミストが、本ツールキットの主なポイントを日本の皆様に向けてオンラインでご紹介しました。
日時
2023年12月8日(金)午前8時~午前9時(日本時間)
スピーカー
マルシオ・クルーズ
国際金融公社(IFC)経済リサーチユニット 首席エコノミスト
2022年より現職。それ以前は、世界銀行貿易・競争力グローバルプラクティス上級エコノミストとして、イノベーション&アントレプレナーシップユニットに従事。それ以前は、開発経済総局(DEC)において、世界経済見通し(GEP)、グローバルモニタリングレポート(GMR)の執筆に携わっていた。パラナ連邦大学(UFPR)経済学部助教授、パラナ州計画長官室エコノミストを歴任。国際貿易、企業のダイナミクス、開発経済、インパクト評価に関する研究を専門とする。ジュネーブの国際・開発研究大学院で国際経済学博士号を取得。
ティンティン・ジュニ・ズー
世界銀行 市場・競争力・技術グローバルユニット 上級エコノミスト
デジタルビジネスエコシステム・イノベーション主導型成長に関するテクニカルリード。プラットフォーム型ビジネス、データ主導型ビジネスの産業組織に関する新たな知見に関する活動に従事。アフリカ、中東、中央アジア、東南アジアにおける融資プロジェクトとデジタル市場改革の実施を担当してきた。デジタル市場開発、経済地理に関する論文を査読付き学術誌に発表。ジョンズホプキンズ大学および香港中文大学で修士号を取得。
発表資料
Developing Entrepreneurial Ecosystems for Digital Businesses and Beyond(英語、PDF)