世界銀行の各地域総局では半年に1度（春と秋）、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しています。このうちヨーロッパ・中央アジア地域担当チーフエコノミスト室は2021年10月5日、新報告書「ヨーロッパ・中央アジア地域経済報告2021年秋版：新型コロナウイルス感染症後の競争と確実な回復」（Europe and Central Asia Economic Update, Fall 2021: Competition and Firm Recovery Post-COVID-19）を発表しました。
同報告書では、ヨーロッパ・中央アジア地域では、今年前半の驚くほど力強い回復が域内の新興国・途上国の経済活動を高めた結果、域内経済は現在のところ、2021年に予想を上回る5.5％の成長が見込まれると指摘しています。また同報告書では、好転は主に、ユーロ圏の経済活動が立直り、一次産品価格が大幅に上昇して今年前半における輸出の大幅な回復が牽引したことに加え、ワクチン接種の広がりと支援パッケージにより内需が強化されたことによるものの、輸出への追い風は今後、感染力が高めの新型コロナウイルス変異株が今や世界各地や域内に広がっているために弱まる可能性があり、変異株はまた、域内の内需の回復を抑え込んでもいると述べています。
今回のモーニングセミナー（第126回）では、同報告書の執筆に携わったドロテ・シンガー世界銀行ヨーロッパ・中央アジア地域担当チーフエコノミスト室上級エコノミストが同報告書の主なポイントを、日本の皆様に向けてオンラインでご説明しました。
日時
2021年11月2日（火）午前8時～午前9時（日本時間）
スピーカー
世界銀行 ヨーロッパ・中央アジア地域担当チーフエコノミスト室 上級エコノミスト
金融へのアクセス、金融包摂性の評価（Global Findex）、国際金融における制度・組織の役割に関する研究に焦点をあてている。2009年、世界銀行入行。オランダのティルブルグ大学で経済学博士号を取得。
発表資料
Europe and Central Asia Economic Update Fall 2021 : Competition and Firm RecoveryPost-COVID-19（英語、PDF）
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