世界銀行は、2020年5月7日、新報告書「新型コロナウィルス感染症拡大:教育への影響と政策対応」(The COVID-19 Pandemic: Shocks to Education and Policy Responses)を発表しました。同報告書では、新型コロナウィルス感染症の拡大は、学校の閉鎖と感染拡大抑止による経済の低迷という二つの影響が世界各地における教育の促進に大きな脅威となっているとしたうえで、学校閉鎖は学びの機会の喪失、退学の増加、不平等の拡大を、また経済の低迷は家計を直撃し教育セクターにおける需要・供給の衰退をもたらし、人的資本と福祉の確保に長期的な負担を与えると指摘しています。また同報告書では、これらに対して求められる政策についても検討しています。
今回のモーニングセミナー(第65回)では、同報告書の執筆担当者であるハルゼイ・ロジャース世界銀行人間開発ネットワーク主任エコノミストとシュレットレナ・サバルワル世界銀行教育グローバルプラクティス上級エコノミストが、ワシントンより日本の皆様向けにライブストリーミングで同報告書の主なポイントををご紹介しました。
スピーカー
世界銀行人間開発ネットワーク主任エコノミスト 「世界銀行教育戦略2020:全ての人々のための学び」(World Bank's Education Strategy 2020: Learning for All)執筆担当チームリーダー、「世界開発報告(WDR)2018:開発のための教育」執筆担当共同局長。教育セクターにおけるサービスデリバリーの質向上(主に教員のパフォーマンスと動機について)や、開発援助の効果の測定と改善について論文を多く発表している。世界銀行入行前は、米国経済諮問委員会スタッフエコノミスト、インドネシア財務省に勤務。カリフォルニア大学バークレー校経済学博士号、ハーバード大学ケネディスクール公共政策学修士号、プリンストン大学学士号取得。 |
世界銀行教育グローバルプラクティス上級エコノミスト 教育経済、労働市場経済に関する研究に従事。教育に関する研究では、教員・学生の取り組み改善、サービスへの需要拡大、教育のためのパフォーマンス連動型金融、教育改革の政治経済面などに焦点を当てている。ミネソタ大学で応用経済学博士号を取得。 |
当日の資料:The COVED-19 pandemic: Shocks to education and policy responses (英語、PDF)
報告書:https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/33696(英語、PDF)
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