世界銀行の各地域総局では半年に1度(春と秋)、地域内の経済概況と展望をまとめた半期経済報告を発表しており、ヨーロッパ・中央アジア地域総局については2019年4月5日、「ヨーロッパ・中央アジア地域経済報告 2019年春版:金融の包摂性」(Europe and Central Asia Economic Update Spring 2019: Financial Inclusion)を発表しました。同報告書では、ヨーロッパ・中央アジア地域では、世界経済の減速と将来展望の不透明さにより、これまでの予測よりも厳しい経済環境に直面しており、2018年の域内の新興市場と途上国の経済成長は3.1%、2019年には2.1%に減速すると分析しています。域内経済はトルコ経済の減速による影響を受けているものの、中央ヨーロッパ、西バルカン諸国、ロシア、中央アジアなどでは堅調で、2020-2021年にはトルコ経済の復調とともに上向きに転するとしています。また同報告書では、域内における金融の包摂性の促進ががさらなる経済成長に向けて重要な役割を果たすと指摘しています。
今回のモーニングセミナー(第36回)では、同報告書の共著者の一人であるビンジェ・フー世界銀行ヨーロッパ・中央アジア地域担当チーフエコノミスト室エコノミストがワシントンよりテレビ会議にて同報告書の主なポイントをご紹介し、皆様のご質問にお答えしました。
スピーカー
南アジア地域担当チーフエコノミスト室エコノミスト、北京事務所エコノミストを経て現職。世界銀行入行以前は、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行上級エコノミスト(香港)、ユニセフのコンサルタント(ニューヨーク)。メリーランド大学で経済学博士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学修士号、中国人民大学で学士号を取得。 |
当日の資料: Europe and Central AsiaEconomic Update, Spring 2019: Financial Inclusion (PDF)
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