ワシントン、2023年12月12日 — 世界銀行は、総額3,500万ドルの支援パッケージの一環として、衝突の影響を受けたガザ地区の人々への緊急援助活動に新たに2,000万ドルを提供すると発表した。世界銀行理事会が承認した支援額には、推定37万7,000人を対象とする食料引換券と食料品パックのための1,000万ドルの新規支援が含まれる。緊急援助活動の必要性が高まる中、今回の支援は世界食糧計画(WFP)を通じて届けられる。今回の追加資金はコロナ対応としての社会的保護・雇用のための緊急プロジェクトから提供される。
これに加え、世界銀行の公衆衛生上の緊急事態・予防信託基金プログラムから、医療と人道目的の物資補給のために日本とドイツが拠出する1,000万ドルが配分された。これは、ガザ公衆衛生上の緊急事態への対応プロジェクトの一環として、ユニセフと世界保健機関(WHO)を通じて提供され、ガザ地区の人口の推定10%への緊急医療提供に充てられる。
今回承認されたこれらの資金は、世界銀行が衝突の影響を受けたガザ地区の人々を救済するためにグラントとして緊急に提供する総額3,500万ドルの支援パッケージの一環である。緊急援助活動のための最初の1,500万ドルはすでに届けられた。支援の原資は、世界銀行がヨルダン川西岸地区及びガザ地区向けに実施中のポートフォリオに含まれるプロジェクト再編・緊急対応活動、ならびに世界銀行が管理する信託基金から準備される。資金は、緊急に必要とされている食料、水、保健サービスの提供を支援するために使われ、具体的には医薬品、医療機器、緊急医療、食料品パックと食料引換券、衛生キット、飲料水、浄水タブレットなどに充てられる。
支援活動は、WHO、WFP、ユニセフなど、紛争地での支援実績があり、すでにガザ地区で活動中の国連機関を通じて実施されている。支援金は、資源が確実に人々に届き、意図された目的に利用されるよう、厳格な信託手続きによって管理されている。
世界銀行はこのほど、今回の紛争がパレスチナ経済に与える経済的影響について分析を実施した。世界銀行は、状況が許せば、国連機関や欧州委員会(EC)、その他の開発パートナーとの緊密な協力の下、被害・ニーズ調査(RDNA)を完了させる予定である。RDNAは、紛争後や災害後の環境における物理的損害や経済的影響を評価し、復旧・復興に向けたニーズのベースライン評価を行う世界銀行の分析報告書である。