プレスリリース 2018年9月23日

国際連合、世界銀行、人道援助機関が、飢饉に終止符を打つための革新的パートナーシップを始動

2018年9月23日、ワシントンDC - 国際連合、世界銀行、赤十字国際委員会(ICRC)、マイクロソフト、グーグル、アマゾン・ウェブ・サービスは本日、これまでに類のない、将来の飢饉を防止するためのグローバルなパートナーシップを発表した。

これらの国際機関は、世界的なテクノロジー企業の支援を受け、将来の飢饉を未然に防ぐことに特化した初の世界的メカニズムである飢饉行動メカニズム(FAM)を立ち上げた。飢饉のような壊滅的な事象への対応はしばしば遅れをとり、多くの人命が失われた後に行われ、多額の支援コストが発生してきた。FAMは、飢饉の回避、準備、早期対応に取り組むことにより、こうした支援の在り方を変えることを目指す。これにより多くの人命が救われ、人道援助コストは30%削減されることが期待される。FAMは、既存のシステムと密接に連携しつつ、データに基づいた予測が適切な金融ツールを用いた資金提供と連動する仕組みとなっている。

2017年、紛争、貧困、気候変動や食糧価格などの要因が複合的に発生した結果、ナイジェリア北東部、ソマリア、南スーダン、イエメンでは、2千万人以上の人々が飢饉やそれに近い状況に直面した。こうした状態は現在も世界の多くの地域で続いており、慢性的に貧困に苦しむ国々が苦労して実現した成長の成果に支障をきたしている。現在、1億2,400万人の人々が危機的なレベルの食糧不足の中で暮らしており、生存のために緊急の人道援助を必要としている。この内半数以上の人々は紛争の影響を受けた地域にいる。

「FAMは、食糧不足や飢饉が蔓延する前に発生を予測し、その防止に役立つ重要な新しいツールです。危機への備えは人命を救います。FAMにより我々は飢饉と深刻な食糧危機に断固として屈しないというゼロ容認の決意を新たにしました。」と、国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長は述べた。

世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は、「多くの子供たちを含む数百万人の人々が、この21世紀において今も深刻な栄養失調や飢饉に苦しんでいるという事実は国際的悲劇です。我々は、飢饉の『終結』を宣言するために、これまでに類のない世界的な連携を始めました。FAMは、飢饉防止のために、革新的技術、早期資金提供、パートナーシップを統合した予防的アプローチです。これにより我々は、一体化したリソースを動員して、最も貧困で脆弱な人々の保護に役立てることができます。また、慢性的な食糧不足に毎年苦しんでいる数百万の人々への支援を集中させることが可能となります。」と述べた。

「ICRCは、世界各地の最前線で活動しており、紛争と暴力がもたらす深い苦しみを目の当たりにしています。飢饉は、長びく戦争の前兆であることがよくあります。我々は、このような新たな協力のモデルが、食糧不足の新たな解決策となり、その大幅な軽減につながることを期待しています。」とICRCのペーター・マウラー総裁 は述べた。

FAMは、最初の警告の兆しがあった時点で、飢饉の根本原因に対処するための投資を促す。これにより、脆弱な人々の生計、セーフティネット、対処メカニズムの構築が後押しされる。過去10年間、世界銀行は年間最大30億ドルを食糧安全保障の取り組みに投資しているが、将来のプロジェクトとプログラムにおけるこうした投資を増額するために、さらなる手段を追求していく。

FAMは、最先端の技術を活用して、食糧危機が飢饉へと進行する時期を特定する、より信頼性の高い早期警告を提供する。警告が出されると、ドナー、人道援助機関、各国政府が、迅速でより効率的な介入を実施するために予め準備しておいた資金や行動計画が発動される。

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、「いつ、どこで将来の飢饉が発生するかをより正確に予測できれば、これまでより早く効果的に対応することができ、人命を救うことに繋がります。人工知能(AI)および機械学習は、作物の不作、干ばつ、自然災害や紛争といった食糧危機の初期の兆候を予測・検出する上で、大きな期待が持てます。マイクロソフトは、アマゾンやグーグルと共に、人道的ニーズに対応するソリューションの開発に携われることを光栄に思います。」と述べた。

グーグル、マイクロソフト、アマゾン・ウェブ・サービス、ならびにその他のテクノロジー企業は、世界最高レベルの専門技術を提供し、高度なAIと機械学習を活用した食糧安全保障の悪化をリアルタイムで推定・予測する分析モデルのスイート「アルテミス(Artemis)」を開発する。こうした予測は、より早期な対応の意思決定を促す役割を果たす。

「AIやその他の先端技術は、永続的に信頼できる有力な手段です。農家がキャッサバの病気を特定したり、牛の健康管理で生産性を高めたり、支援の取組みを統合する上で役立つ可能性を、我々は既に見出しています。グーグルは、世界銀行と協力してFAMに参加し、世界各地のコミュニティで将来の飢饉の防止に貢献できることを光栄に思います。」と、グーグルの国際問題担当シニアバイスプレジデント 兼 最高法務責任者であるケント・ウォーカー氏は述べた。

アマゾン・ウェブ・サービスのワールドワイド・パブリック・セクター担当バイスプレジデントであるテレサ・カールソン氏は次のように述べた。「我々は、FAMの取り組みに役目を果たし、喫緊の地球規模課題の一つを解決する上でご協力できることを光栄に感じています。今回のような官民連携のおかげで我々は、最先端技術を包括的に人道援助機関に提供でき、飢饉の予測・予防が可能な革新的ツールが実現され、引いては人命を救うことに繋がります。」

FAMは、リスクを予測し、あらゆる種類の危機を発生前に未然に防ぐ世界銀行の経験とコミットメントに立脚している。世界銀行グループの理事会は、7月に世界危機プラットフォーム(Global Crisis Risk Platform)を承認した。これは、リスクが本格的な危機へと変わる前に察知する新たなプラットフォームであり、予防と準備を途上国の開発戦略に組み込む他、飢饉、エボラ、その他の自然・人的災害などの世界的危機に先手を打つために利用される。

FAMはまた、予防を優先しより系統的な方法でリスクに対応する国際連合の取り組みにも沿っている。最近採択された、紛争により誘発される食糧不足と飢饉の脅威の関係性についての安全保障理事会決議2417にも合致している。

FAMは、当初は脆弱な国々から成る小規模なグループを対象に展開されるが、最終的には全世界を対象とすることを目指している。また、この取り組みに賛同するリーダーたちが、10月13日、世界銀行・IMF年次総会の場で参集し、FAMの今後の拡大について協議を行う予定である。

 


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