特集

世界の貧困に関するデータ

2018年10月5日

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世界銀行は、2030年までに極度の貧困を世界全体で3%まで減らす、また、全ての途上国で所得の下位40%の人々の所得拡大を促進する、という2つの目標を掲げており、貧困に関するさまざまなデータを収集・分析しています。

※世界銀行は、2015年10月、国際貧困ラインを2011年の購買力平価(PPP)に基づき、1日1.90ドルと設定しています。
(2015年10月以前は、1日1.25ドル)

世界の貧困率および貧困層の数
貧困率 1990年:36% 2015年:10%
貧困層の数 1990年:18億9500万人 2015年:7億3600万人
(*2011年の購買力平価に基づき、国際貧困ラインを1日1.90ドルで計算)

出所:Regional aggregation using 2011 PPP and $1.9/day poverty line

地図で見る世界の貧困率2015年

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出所:世界開発指標

 

地域別貧困率

国際貧困ラインに基づく地域別貧困率(2015年)

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※貧困ギャップとは、貧困層の平均的所得が、貧困ラインを下回っている割合を示す数値です。

 

地域別貧困率の推移  (英語)

1981年以降の地域別貧困率の推移をご覧いただけます(2011年の購買力平価に基づき、国際貧困ラインを1日1.90ドルと設定)。出所のPovcalNetでは、異なる貧困ラインを設定し、貧困を分析することができます。

 

国別貧困率

国際貧困ラインに基づく貧困率(英語)
国際貧困ラインに基づく貧困率( 1日1.90ドル未満で生活する人の比率)を国別にご覧いただけます。

国別貧困ラインに基づく貧困率(英語)
国別の社会経済的な環境に見合う形で貧困を推計するために用いられる、国別貧困ラインに基づく貧困率をご覧いただけます。

所得・消費の分配(格差の状況) (英語)
国内における個人または世帯所得が、完全に平等な状態からどの程度乖離しているかを示すジニ係数をご覧いただけます。0の場合は完全に平等、100%の場合には完全に不平等を示します。

 

データについて

世界銀行は各国機関や援助機関、市民社会と連携し、貧困モニタリングを実施している国々について、貧困・公正の度合の査定、成長と公共政策によるインパクト調査、世帯調査データ・測定方法の再考察を目的とし、定期的にデータの分析作業を行っています。

本サイトに掲載されている貧困データは、世界銀行の開発研究グループ(DEC)がまとめたもので、国際貧困ラインは各国の統計機関や政府・国際機関の監督の下に民間企業が実施したものに基づいています。データは各国の統計機関及び世界銀行グループの国別担当部局から入手したものです。

方法論の詳細はこちら (英語)

 

データの利用について

本サイトのデータは、世界銀行からの出典であることを明記していただければ、どなたでも無料でご利用いただけます(二次利用、メディアでの掲載も含む)。データの利用規約 (英語)

 

よくあるご質問

Q1. データの更新頻度はどのくらいですか?

A1. 世界開発指標  は年1度、4月に更新されますが、オンライン・データは年4回(4月、7月、9月、12月)に更新されます。

オンライン貧困データ分析ツールPovcalNet は年1回4月に更新されます。

 

Q2. 貧困統計がそれぞれの国に対して必ずしも毎年発表されていないのはなぜですか?

A2.  多くの国で貧困測定に必要な世帯調査が毎年行われていないため、ほとんどの国の貧困統計は、毎年最新版を発表していません。このような理由で、オンラインデータベース上ではデータが欠損している年が多くあります。調査年は国によって異なりますが、一覧で指標をご覧になる場合には、世界開発指標(WDI) の書籍版PDF、又はオンライン・テーブルをご覧ください。

世界開発指標(WDI) 書籍版
世界開発指標(WDI) オンライン・テーブル

 

Q3. 基軸とする年の全ての国の貧困率データがない場合、世界または地域別の貧困統計はどのように算出されているのですか?

A3. ある年の調査データがない場合には、貧困測定は直近の調査年よりデータを補間しています。

詳細はこちらをご覧ください。:Estimation of Internationally Comparable Poverty Measures (PDF)

 

Q4. 購買力平価(PPP)とは何ですか?どのように決定されるのですか?

A4. PPPを使うと、各国の所得や消費のデータをグローバルに比較できる数字に転換することが可能です。PPPは、世界各国の物価データを基に割り出されます。その年のPPPを決定する責任は、国際比較プログラム(ICP)が担います。ICPは独立した統計プログラムであり、世界銀行の開発データ・グループの中にICPグローバル・オフィスが設けられています。

詳細はこちらをご覧ください: International Comparison Program (ICP)

 

Q5. 国際貧困ラインとは何ですか?また、国際貧困ラインを基準とした場合、世界にはどれくらいの極度の貧困層が存在しますか?

A5. 国際貧困ラインとは、貧困を定義するためのボーダーラインで、2011年の購買力平価(PPP)に基づき1日1.90ドルに設定されています。2015年には、極度の貧困層は、世界人口の10%となる7億3,600万人に減少しており、25年間で11億人以上が極度の貧困から脱出しています。

 

Q6. 国際貧困ラインはどのようにして決定されるのですか?

A6. まず、国別貧困ラインを確認します。その国でそれ以下の収入では、最低限の栄養、衣類、住まいのニーズが満たされなくなるというレベルが、国別貧困ラインです。当然ながら、裕福な国ほど貧困ラインは高く、貧しい国ほど低くなる傾向にあります。

ですが、世界全体の極度の貧困層の数を把握するためには、ただ単に各国の貧困層の数を足せば良いわけではありません。貧困層を定義する基準が国によってそれぞれ異なるからです。そのため、全ての国の貧困層を同じ基準で測定する貧困ラインが必要になります。

1990年、独立した研究者のグループと世界銀行は、世界の貧困層の数を把握するため、最貧国の基準を用いた測定法を提案しました。まず最貧国数カ国の国別貧困ラインを検証し、それを購買力平価(PPP)を用いて共通の通貨価値に 換算するという方法です。PPPとは、ある国である価格で買える商品やサービスが他の国ならいくらで買えるかを示す換算レートです。 共通の通貨に転換すると、これらの最貧国の内6カ国における国別貧困ラインが1人当たり1日約1ドルになることが分かり、これが最初の国際貧困ラインである1日1ドルの根拠となりました。

2005年、各国間の物価に関する比較可能なデータがより多く集められ再度検討が行われた結果、国際貧困ラインは、世界の最貧国の内15カ国の国別貧困ラインを基に改定されました。これら15の国別貧困ラインを平均すると、1人当たり1日1.25ドル(前回同様PPPベース)となり、これが改定後の新たな世界貧困ラインとなりました。

そして2015年に再び、2005年と同じ15の最貧国の国別貧困ラインを用いて(つまり測定基準を変えずに)、1.90ドル(2011年のPPPベース)という新国際貧困ラインへの改定を決定しました。

 

Q7. 地域別で見た場合の貧困率はどうなっていますか?

A7. 2015年の統計によると、貧困層の半数強がサブサハラ・アフリカ地域に集中しており、85%以上がサブサハラ・アフリカ地域もしくは南アジア地域に、また残りの15%(約1億600万人)がそれ以外の地域に住んでいることになります。サブサハラ地域以外での貧困率の平均値は1.5%から12.4%なのに対し、サブサハラ・アフリカでは約41%が貧困ライン以下となっており、地域別の貧困率には偏りがでています。特に中東・北アフリカ地域での極度の貧困率の増加が顕著となっています。

 

Q8. 世界銀行の目標は世界の貧困撲滅です。それなのになぜ貧困率の目標値が0ではなく3%とされているのでしょうか?

A8. 貧困撲滅という目標の進捗状況を把握するには、信頼性の高い貧困測定と調査が必要となります。世界での貧困撲滅が進むと、少ない人口から成り立つサンプルはますます減っていくため、測定された数値の精度は低くなります。極端に言うと、サンプル調査によって正確な貧困率ゼロという数値を測定することは出来ません。このような理由から、貧困率3%という数値は、信頼度の高いレベルで測定可能でかつ野心的な目標とされています。

 

Q9. 2015年時点で最も貧しい国はどこですか?

Q9.南アジア(インド、バングラデシュ)、サブサハラ・アフリカ(ナイジェリア、エチオピア、コンゴ共和国)などの人口の多い国は、極度の貧困層が多い国です。インドの貧困層は、1億7,000万人以上で、その割合は世界の貧困層の約4分の1です。人口13億人に対して貧困率が13.4%という結果は、インドには貧困者層が多数存在することを示しています。しかし、この順位にも変動が見られており、実際に世銀が行った調査では、ナイジェリアがインドを抜いて最貧国であるという結果も出ていますが、順位の変動の時期については、予測データにギャップが生じることから特定は難しい状況です。最新の貧困データは、povertydata.worldbank.orgからご覧いただけます。

 

Q10. なぜ最新の貧困データは2018年ではなく2015年なのでしょうか?

A10. 貧困データの統計は、164ヵ国を対象にした世帯調査に基づいており、調査は各国の政府によって約3〜5年ごとに実施されています。データの収集、分析は複雑で時間を要するため、2015年が世界全体での貧困データ統計の最新年となっています。また、このようなギャップが存在することを考慮し、世界銀行グループは2年ごとに貧困データの統計を行っています。次回は2020年に2017年の統計を発表する予定です。

 

Q11 .以前に出した貧困率の予測と、今回発表された貧困率の数値が違うのはなぜですか?

A11 .2015年に発表した、2015年の貧困率9.6%という数値は、予測に基づく数値でした。最新の世帯調査によるデータを収集し分析した結果、10.0%という数値を発表しています。また2016年には2013年の貧困率を10.7%としていますが、同様の理由で11.2%に変化しています。

 

Q12. 2030年までに極度の貧困を撲滅することは出来ますか?

A12. ここ数年、貧困削減のペースには減速が見られます。2013年から2015年にかけての年間貧困率の減少は0.6ポイントとなっており、また2018年の8.6%という予測は、2018年から2015年にかけては0.5ポイント以下に低下することを想定し算出されています。2030年までに極度の貧困撲滅を達成するには、所得の下位40%の人々を8%以上にまで所得拡大させる必要があります。現在のペースのままでは、2030年までに極度の貧困率は5%を超えることが予想されています。






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