2016年2月4日、スティーン・ジョーゲンセン世界銀行ヨルダン川西岸・ガザ地区担当局長の来日にあたり、セミナー「ヨルダン川西岸・ガザ地区における世界銀行の取り組み」を開催しました。
2014年7月から8月にかけて起きたガザ地区での武力紛争は、甚大な被害を人々の生活、インフラ、経済にもたらしました。2014年の経済成長率が実質ベースでマイナス15%と落ち込み、ガザ地区の復旧・復興費用は総額39億ドルと見積もられています。こうした危機的状況のなか、パレスチナ自治政府からの水と衛生、エネルギー、都市開発の各セクターにおける被害評価の実施要請を受け、世界銀行では衝突が終了した直後の8月下旬にチームを発足させ、ガザの復興を支援する取り組みを進めてきました。
セミナーでは冒頭、塚越保祐・世界銀行グループ駐日特別代表の挨拶の後、、これらの活動を統括するジョーゲンセン局長より、同地区が直面する課題と展望、世界銀行による復興支援の取り組み状況などについて話しました。続いて、森裕之・国際協力機構(JICA)中東・欧州部次長と並木麻衣・日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ事業担当がコメンテイターとして登壇し、それぞれの団体でのパレスチナ支援の活動状況と課題・展望を紹介しました。
プログラム
冒頭挨拶
塚越保祐 世界銀行グループ駐日特別代表
スピーカー
スティーン・ジョーゲンセン 世界銀行ヨルダン川西岸・ガザ地区担当局長
当日の資料:The World Bank Group in Palestine (PDF)
コメンテイター
森裕之(もりひろゆき) JICA中東・欧州部次長
並木麻衣 日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ事業担当
当日の資料:Introduction of JVC project - East Jerusalem and Gaza Strip (PDF)
スピーカー紹介
1985年世界銀行入行。ヤングプロフェッショナルを経て、アフリカ地域総局およびラテンアメリカ・カリブ海地域総局エコノミスト、専務理事補佐官、主席公共セクター管理専門官、社会的保護セクター担当マネージャーを歴任。社会開発局長(2000年から2008年まで)在任中は日本の「人間の安全保障」理念と世界銀行の持続可能な開発のための取り組みの連携に尽力。中東・北アフリカ地域総局人間開発局長を経て、2013年10月から現職。 |
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