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プレスリリース2024年4月19日

革新的資金調達ツールに各国が大規模な拠出を表明

10年間で最大700億ドル確保の見込み

ワシントン、2024年4月19日— 世界銀行グループは、融資余力を拡大し、地球規模の共通の課題に対しよりリスクをとった対応を可能にする新たな資金調達ツールを導入する。新ツールは、ポートフォリオ保証プラットフォーム、ハイブリッド資本メカニズムに加え、新設の「居住可能な地球基金(LPF)」で構成され、11カ国が本日、総額110億ドルへの大規模拠出を表明した。

ハイブリッド資本とポートフォリオ保証プラットフォームへの拠出金は、世界銀行グループの類を見ないレバレッジ力により、今後10年間で6~8倍に増やすことが可能である。一定の条件下では、レバレッジ額が10倍に達することもあり得る。

本日誓約された資金は、緊急に必要とされる資金として最大700億ドルの資金を提供することができ、国境を越えた課題に対応し、開発目標に向かって前進するために活用することが可能になる。

「我々は、融資余力を高め、ドナー資金を増やし、ひいてはより多くの人々の生活を向上できるよう、新しい資金調達手段の開発に全力で取り組んできた」と、アジェイ・バンガ世界銀行グループ総裁は述べた。「今回、ドナー各国が寛大な拠出を表明してくださったことは、世界銀行が進める組織改革に進展があったとの認識であると同時に、世界の開発に対する各国共通のコミットメントの表れでもある」

ベルギー、フランス、日本、米国はポートフォリオ保証プラットフォームへの拠出を、デンマーク、ドイツ、イタリア、ラトビア、オランダ、ノルウェー、英国はハイブリッド資本への拠出をそれぞれ表明した。

日本は、新設の「居住可能な地球基金(LPF)」に対し、他国に先駆けて拠出を表明した。  

世界銀行グループは、G20独立専門家グループの提言にある自己資本の十分性に関する枠組み(CAF)の見直しの一環として、一連の改革を実施し、革新的な資金調達手段を開発してきた。具体的な改革は以下の通りである。

  • 貸出資本比率を調整し、IBRDのバランスシートから今後10年間で400億ドルを確保する。
  • 二国間保証の限度額を100億ドル引き上げる。
  • 格付け機関が世界銀行の潜在的価値と財務能力をより適切に評価できるよう詳細な報告書を作成することで、請求払資本の恩恵の最大化を図る。
  • ハイブリッド資本を導入し、出資国やパートナーに特別なレバレッジ力のある債券への投資機会を提供する。
  • 世界銀行の融資をより広く活用可能にするための、共通のリスク・アプローチを盛り込んだポートフォリオ保証プラットフォームを開発する。
  • 各国政府、慈善団体、その他のパートナーの拠出が国境を越えた協力を促進し、共通の課題に取組めるようにする「居住可能な地球基金(LPF)」を立ち上げる。

世界銀行グループは、追加的措置として、借入国に追加費用の発生しないIBRDの50年融資を開発した。50年融資は、国境を越えて恩恵をもたらすプロジェクトに活用される。さらに、地球規模の課題に取り組むプロジェクトの金利を引き下げる仕組みを立ち上げた。そのための原資の一部は「居住可能な地球基金(LPF)」から提供される。

 

お問い合せ

ワシントン: Sue Pleming (202) 981-8929, spleming@worldbank.org

映像関係: David W. Young, (202) 473-4691, dyoung7@worldbankgroup.org

東京:開裕香子、+81 (3) 3597 6650、yhiraki@worldbankgroup.org

 

 

拠出国のコメント 


ベルギー
「ベルギーは、世界銀行のグローバル・ソリューション・アクセルレーター・プラットフォームに7,000万ドルのポートフォリオ保証を提供でき光栄に思う。ベルギーは、住みやすい地球に貧困のない世界を実現するという世界銀行グループの新たなビジョンを強く支持している。今回の拠出は世界銀行の融資余力拡大に資するもので、国際復興開発銀行(IBRD)の被援助国が、保健システムの強化や気候変動、生物多様性を含め、パンデミックに対する予防・備えなどの地球規模の課題に取り組むための支援に役立つだろう」
-ヴィンセント・ヴァン・ペテゲム ベルギー副首相兼財務大臣

 

デンマーク
「世界銀行は、世界の気候と開発の課題に取り組むための資金の調達において、国際社会を牽引する最も重要な機関の1つである。デンマークによる今回の拠出が世界銀行の組織改革に役立てられることで、世界銀行に一段と大きなインパクトをもたらし、途上国でさらに望ましい成果が期待できることをうれしく思う」
- ダン・ヨルゲンセン デンマーク開発協力・地球気候政策大臣

 

フランス
「本日、世界銀行グループは、人類と地球のためのパリ協定に全面的に沿って、現代の地球規模の課題に対応できる態勢を一段と整えるための重要な一歩を踏み出した。世界銀行の業務効率向上を図る中で、本日立ち上げられたプラットフォームが重要なマイルストーンとなり、各国が自国だけでなく、近隣諸国や世界全体にプラスにはたらくプロジェクトを開発するのに役立つものと確信している。開発ニーズ、気候変動、生物多様性危機のすべてに対応するためには、森林の保護、水アクセス、石炭の段階的廃止が極めて重要であり、これらを優先対象とする資金提供を強く支持する」と述べた。
- ブルーノ・ル・メール フランス経済・財務・産業・デジタル主権担当大臣

 

ドイツ
「この18カ月間、我々は力を合わせ世界銀行の業務効率向上に成果を上げてきた。そして今日、我々はさらに大きな成果に向け、大きな一歩を踏み出そうとしている。G7とヨーロッパ諸国による資金拠出の表明は、これまでの意欲的かつ画期的な組織改革を認めるにとどまらず、国際社会の連帯を示す力強いシグナルでもある。世界銀行グループは今後これまで以上に、国境を越えた各種のグローバルな課題への対応を強化し、飢餓、貧困、格差との闘いを続けていくことができるであろう」
- スヴェンヤ・シュルツェ ドイツ連邦経済協力・開発大臣

 

イタリア
「イタリアは、世界銀行のインパクト拡大と業務効率改善に向け進行中の改革を支持し、ハイブリッド資本メカニズムを通じて、さらに大規模な拠出を表明する。同メカニズムは、イタリアが議長国を務めた2021年のG20における「国際開発金融機関(MDBs)の自己資本 の十分性に関する枠組(CAF)の独立レビュー」の提言が成功裏に実施されていることを示すもう一つの重要な進展である」
- ジャンカルロ・ジョルジェッティ イタリア経済財務大臣

 

日本
「日本は、ポートフォリオ保証プラットフォームを通じた10億ドルの拠出によるグローバル・ソリューション・アクセルレーター・プラットフォームへの最初にして最大の拠出国の一つとして、また、「居住可能な地球基金(LPF)」への拠出を最初に表明した国として、「資金インセンティブのための枠組み(FFI)」に参加していることを誇りに思う。我が国からの拠出が、パンデミックに対する予防及び備えを含め、地球規模の課題に取り組む被援助国の支援に役立てられるよう希望する」
- 鈴木俊一 財務大臣

 

ラトビア
「ラトビアが世界銀行のハイブリッド資本メカニズムに投資することは、状況を大きく変えることになる。今回の投資は、混乱に直面するウクライナと近隣諸国への我が国の支援を強化するものである。我々は、国際社会として責任ある形で力を合わせ、世界銀行の融資余力拡大を図っている。目標は、より大きなインパクトを生み出し、弾みをつけることにある」
- アルビルス・アセラデンス ラトビア財務大臣

 

オランダ
オランダは、気候変動や脆弱性といった地球規模の課題への取り組みに全力を注いでいる。我々は本日、途上国がエネルギー移行の資金を確保し、生物多様性を保護し、将来のパンデミックを防ぐために保健システムを強化できるよう支援するために、新たに約5億ユーロを世界銀行に拠出すると発表した。途上国の強靭性、安定、繁栄が促進されれば世界全体が恩恵を受けることになる。このイニシアティブに参加できることを誇りに思う」
- スティーブン・ファン・ウェイエンベルク オランダ財務大臣、リースュ・スフレイネマーヘル オランダ外国貿易・開発協力大臣

 

ノルウェー
「ノルウェーは、世界銀行が業務の効率化に向けて改革を進めるとともに、インパクト拡大のための取組みを強化していることを歓迎する。世界的ニーズが高まる中、我々は、世界銀行の開発金融がもたらす強力なレバレッジを評価する。我が国からの拠出は、気候変動や食料不安などの地球規模の課題に取り組むために世界銀行として取組みを強化するという共通の大志を支援する」
- アンネ・ベアテ・トヴィンネライム ノルウェー国際開発大臣

 

英国
「貧困と気候変動の状況を世界が真剣に改善しようとするなら、言葉だけでなく行動で示す必要があるが、世界銀行は追加資金の動員により、まさに真剣さを行動で示したことになる。我が国自身は、ハイブリッド資本メカニズムに1億ポンドの拠出を表明した。同メカニズムは、今後10年間で新たに10億ポンドを調達する予定であり、我が国の拠出金は、地球規模の喫緊の問題に取り組み、大きなインパクトをもたらすために貢献するであろう」
- アンドリュー・ミッチェル 英国外務副大臣兼開発省担当大臣(開発・アフリカ担当)

 

米国
「米国は、世界銀行が組織改革アジェンダの一環として開発した革新的な資金調達手段を大いに歓迎する。 我々は、バイデン大統領が議会に対し、ポートフォリオ保証プラットフォームへの拠出を要請したことや、国境を越えたインパクトをもたらすプロジェクトにさらなるインセンティブを与える厳選された信託基金や金融仲介基金への拠出などを通じて、この取組みを支援できることを誇りに思う。ポートフォリオ保証プラットフォームは、優先度の高いグローバルな課題に取り組むプロジェクトのために、IBRDの融資能力を数百億ドル規模で拡大する予定である」と述べた。
- ジャネット・イエレン 米国財務長官
 

プレスリリース番号: 2024/067/TRE

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