プレスリリース 2018年7月19日

2018年度、世界銀行グループによる支援への需要は約640億ドルまで上昇

人間開発、気候変動対策、IDAによる支援が過去最大の伸び

ワシントンDC、2018年7月19日 – 途上国に対する世界銀行グループの2018年度(2017年7月1日~2018年6月30日)のコミットメントは、人間開発と気候変動対策の資金、ならびにIDA支援が過去最高の伸びを記録し、640億ドル近くに達した。

2018年度と 2017年度の世界銀行グループのコミットメント(単位:10億ドル)

世界銀行グループ

FY18*

FY17

IBRD

23.0

22.6

IDA

24.0

19.5

IFC

11.6**

11.9**

MIGA

5.3

4.8

合計

63.9

58.8

*7月18日時点の未監査の暫定値。

**IFC自己勘定からの長期の投融資。他の投資家から動員された約116億ドル(2018年度)と75億ドル(2017年度)は除く。

「我々が提供する資金、専門知識、イノベーションへの需要は高まり続けている。昨年度、出資国はこうした需要拡大に応えるため、過去最高となる130億ドルの増資を承認した。これにより、現在我々が直面する喫緊の課題に対処し、援助受入国とその国民が切なる願望を達成するための支援の強化が可能になる。今回の増資は、貧困撲滅と繁栄の共有促進に向けて世界各地でたゆまぬ努力を続ける世界銀行グループ職員に寄せられた大きな信頼の証だ。」と世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁は述べた。

人間開発分野は教育、保健・栄養・人口、社会的保護、雇用など多岐にわたる。同分野に対する融資は、過去最高の74%の伸びを記録し、世界銀行の2018年度のコミットメント全体に占める割合は、2017年度の16%から2018年は25.2%へと、かつてないレベルに達した。この大幅な伸びは、人的資本構築への投資に対する各国の需要の高まりを示すものだが、その背景には世界銀行グループが2017年年次総会の場で発表した「人的資本プロジェクト」がある。この野心的な取組みは、人材への投資の質・量の両面における向上を優先課題として掲げている。

さらに2018年度には、気候変動関連の支援が世界銀行グループ全体の支援に占める割合が32.1%に達し、2020年までに28%を達成するという2015年に設定された目標を上回った。2018年度、気候関連分野には過去最大の205億ドルの支援が実行されるなど、世界銀行グループは温室効果ガス削減と深刻化する気候変動の影響への強靭性構築において途上国への支援を引き続き拡大した。また、世界銀行(IBRDとIDA)による農業分野への融資の内、過去最高の46%が気候変動対策と持続可能な開発を並行して促進する「コベネフィット・アプローチ」に充てられ、気候変動課題に貢献する農業の潜在性実現を図っている。食糧・農業関連の支援総額も、IBRDと IDAのコミットメント額が2017年度の25億ドルから2018年度には46億5,000万ドルと大幅に伸びた。

プロジェクトファイナンス融資に加え、リスク管理などの各種財務サービスを提供する国際復興開発銀行(IBRD)は、加盟国への支援(額)を2017年度の226億ドルから2018年度には230億ドルに増額した。IBRD は、こうした開発支援のための資金を資本市場における革新的な金融手法を駆使して調達している。2018年度、IBRDは中所得国における持続可能な開発の取組みを支援するため、360億ドル相当の債券(世銀債)を27の通貨建てで発行した。世銀債はまた、健康と福祉、ジェンダー平等、責任ある消費と生産、気候変動対策といった持続可能な開発目標(SDGs)の個別目標に焦点を当てた世銀債を発行するなど、SDGsの達成に果たす民間セクターの役割について投資家の意識を高めている。

IBRDは世界有数のソブリンリスク保険提供機関として、災害がもたらす経済的損害から加盟国を守るために、資本市場にて革新的な金融手法を駆使している。2018年度、 IBRDは 総額13億6,000万ドルのキャット・ボンド(大災害債券)を発行。これにより、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルーに対し地震保険を提供した。した。これは、ソブリンリスクの保険取引としては過去最大であり、キャット・ボンド市場でも過去2番目に大きな取引であった。同キャット・ボンドによりチリ、コロンビア、ペルーの3カ国は初めて、資本市場を活用した保険の導入に成功した。これとは別に、メキシコを地震とハリケーンを対象とする3億6,000万ドルのキャット・ボンドが既に発行されていたが、昨年9月の地震の際に保険支払い事由が満たされ、復興支援のためにメキシコに対して1億5,000万ドルが支払われた。

世界の最貧国75カ国に無利子またはごく低金利の融資と贈与を提供する国際開発協会(IDA)のコミットメントは、第18次増資(IDA18)対象期間の最初の年に過去最高の240億ドルに達した。IDA17対象期間の最初の年と比べ27%増に上るこの伸びは、IDA資金に対する旺盛な需要を反映するものだ。高まる脆弱性リスクへの対応、民間セクター投資の動員、気候変動対策の資金力強化に向けた新たな手法、ポリシーと資金調達におけるイノベーションなど、2018年度は、IDAにとって歴史的な一歩を踏み出す年となった。

具体的には、膨大な数の難民を受け入れている国を支援する新たな難民ウィンドウを通じた4億4,600万ドルや、自然災害、公衆衛生上の緊急事態、経済的ショックに備えた危機対応ウィンドウを通じた3億4,000万ドルがある。さらに、民間セクター・ウィンドウを通じた総額1億8500万ドルのコミットメントは、IFC/MIGAによる6億900万ドルと合わせ、8億ドル以上に上る民間セクター・プロジェクトへの資金動員に貢献した。気候変動については、IDA18のコミットメント実行が順調に進められており、再生可能エネルギーへの投資は既に過去3年間の総額の2倍に上っている。

2018年4月、IDAは、新たな開発資金調達モデルとして、創立60年の歴史上初の債券を発行し、国際資本市場にデビューを果たした。世界各国の投資家は、トリプルA格付を有するIDA債に投資することで最貧国の人々の生活向上に大きく貢献する機会を得られた。その結果、IDAは今回の起債により総額15億ドルの資金を調達することができた。こうした資金調達プログラムはドナーによる資金支援を補完し、SDGs達成に向けたIDA支援の拡大を可能にする。

民間セクターに特化した国際開発機関では最大の国際金融公社(IFC) は、最も必要とされる場所に新たな市場を拓き機会を創出すべく、自己資本と専門知識、影響力を駆使した。6月30日時点の未監査の暫定データによると、IFCの長期の投融資は、他の投資家から動員した資金を含め、総額230億ドル以上に上った。2018年度、IFC の自己勘定での長期の投融資契約額は約116億ドル、他の投資家から動員した資金は約116億ドルに上った。複雑に構成されたこうした投融資は、世界中の途上国で366件の長期投融資プロジェクトに充てられた。

IFCは引き続き、最貧国・地域を戦略的重点対象と位置付けている。IDA支援対象国では他の投資家から動員した資金を含め68億ドル以上の長期的投融資を提供した。IDA支援対象国向けは、IFCの投融資全体の29%近くを占めている。脆弱・紛争国の民間セクターに対するIFC投融資は、他の投資家から動員した資金を含め、37億ドル以上に上った。

政治的なリスク保証と信用補完の提供により途上国への外国直接投資(FDI)促進を使命とする多数国間投資保証機関(MIGA)は、過去最高の53億ドルの保証を提供した。その結果、約800万人のための電力アクセス確保、140万人のための新規またはより良い電気通信サービスへのアクセス、難民受入国政府のための14億ドルの手数料・税金の創出、温室効果ガス排出の推定300万トン(CO2換算)削減が見込まれる。2018年度、MIGAの保証は、途上国における計179億ドル相当のプロジェクトへの資金提供に貢献した。グロス・エクスポージャ総額は2013年度の2倍に相当する212億ドルで、67カ国で161件のプロジェクトを支援している。2018年度の新規の保証提供もまた、2013年度の2倍の金額に達した。

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プレスリリース番号: 2019/009/EXC

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