プレスリリース 2017年7月18日

世界銀行グループの途上国支援、2017年度は約590億ドルに

グローバル経済の緩やかな回復に伴い
IDAとIFCの支援が拡大、MIGAは過去最高の新規保証総額を達成

ワシントン、2017年7月18日—途上国の貧困削減と機会創出に向けた世界銀行グループの2017年度(2016年7月1日~2017年6月30日)の融資、グラント、直接投資、保証を通じたコミットメント総額は約590億ドルに達した。

2016年度 と 2017年度の世界銀行グループのコミットメント
(単位:10億ドル)

世界銀行グループ

FY17*

FY16

IBRD

22.6

29.7

IDA

19.5

16.2

IFC

11.9**

11.1**

MIGA

4.8

4.3

合計

58.8

61.3

*7月7日時点の未監査の暫定値。

**IFC自己勘定からの長期の投融資。他の投資家から動員された約68億ドル(2017年度)と77億ドル(2016年度)は除く。

「貧困層からの期待値が上がる一方で、強制移動や飢饉、気候変動といった危機が重なり我々の使命の緊急性がより一層高まる中、職員の献身により今年度、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)による支援が大幅に拡大した。今年度は、国際復興開発銀行(IBRD)による貸出を積極的に進めなければならなかった。そうした中、理事会と世界銀行マネジメントは、各国の開発目標達成を支援する世界銀行グループ各機関の機能を確実に生かす最も効果的なアプローチについて検討を進めている。我々は、これまで同様、民間投資のクラウドイン効果拡大と貧困層のための最大限の支援確保を目指し、加盟国をはじめとするパートナーと協力していく所存だ。」と、世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁は述べた。

各国に対して開発に関する知見と資金を提供し、リスク管理も手掛けるIBRDの2017年度のコミットメントは、226億ドルにとどまった。その理由としては、将来にわたり高い自己資本比率を維持し財務管理に配慮するために、援助受入国の喫緊の開発課題への対応に慎重に取り組んでいることが挙げられる。

世界の最貧国77カ国に、無利子融資やグラントを提供するIDAの2017年度のコミットメントは、195億ドルに達した。IDAのコミットメント拡大は、旺盛な資金需要と共に、レバレッジ効果を高め借入国の資金調達オプション拡大に向けた IDAの取り組みを反映している。2017年度、IDAは、第17次増資の3年間を対象とする資金パッケージを最大限に活用し、援助受入国からのIDAの資金に対する極めて高い需要に引き続き対応した。

例えば、IDA支援対象国に画期的な変化をもたらすプロジェクトに対しては、非譲許的条件での資金提供として追加で39億ドルが配分された。新たな資金によりIDAは、難民危機に対応するレバノンとヨルダンの各政府に対する特別配分、飢饉に見舞われた国々へのIDA危機対応ウィンドウを通じた緊急資金の提供と強靭性強化など、地球規模の危機に対しても素早い対応を図ることができた。

民間セクターに特化した国際開発機関では最大規模のIFCは、最も必要とされる場所に新たな市場を拓き機会を創出すべく、自己資本と専門知識、影響力を駆使した。

6月30日現在の未監査の暫定データによると、IFCの2017年度における長期の投融資総額は、他の投資家から動員した資金を含め、およそ約187億ドルに上った。これには、IFCの自己勘定での長期の投融資契約額約119億ドルと他の投資家から動員した 約68億ドルが含まれる。これらの、多くの場合複雑な投融資は、世界中の途上国で342件の長期支援プロジェクトに充てられた。

IFCは引き続き、最貧国・地域を戦略的重点対象と位置付け、IDA支援対象国では他の投資家から動員した資金を含め46億ドル以上の長期的投融資を提供した。IDA支援対象国向けは、IFCの投融資全体の25%近くを占めている。また、脆弱・紛争国の民間セクターに対するIFC投融資は、他の投資家から動員した資金を含め、総額8億5,800万ドルに上ったが、これは、深刻な影響を受けた国に優先的に資源を回すという世界銀行グループの戦略とも合致している。

世界銀行グループがインフラ投資拡大のための新たな手法の模索を続ける中、IFCは2016年10月、新興国のインフラ・プロジェクトへの投資に充てるため、保険会社などの機関投資家から最大50億ドルを調達するという先駆的なイニシアティブ「MCPPインフラストラクチャー」を立ち上げた。同イニシアティブは、第三者である投資家がIFCのシニアローン・ポートフォリオに参加するための協調融資運用ポートフォリオ・プログラム(MCPP、30億ドル)の成功を受けて打ち出されたものである。

世界銀行グループの組織で政治的なリスク保証と信用補完を提供するMIGAは、今年度、33件のプロジェクトに対し過去最高の48億ドルの保証を提供し、途上国に民間投資159億ドルを呼び込んだ。これらのプロジェクトの内、約45%がIDA支援対象国で、21%がブルンジとミャンマーなどの脆弱・紛争国であった。プロジェクト全体では、温室効果ガス排出の110万トン(CO2換算)削減、850万人を対象とする電力供給またはサービスの質向上、年間870万人の患者への保健医療提供が見込まれる。2017年度末現在のMIGAのグロス・エクスポージャ総額は過去最高の178億ドル(2016年度から25%増)で、世界全体で144件のプロジェクトを支援している。

世界銀行グループの最優先支援対象であるサブサハラ・アフリカ諸国に対するコミットメントは、2016年度の125億ドルから、2017年度には152億7,000万ドルに上った。これには、IDAからの107億ドル、IBRDからの12億ドル、IFC(自己勘定)からの 23億3,000万ドルの他、域内プロジェクトに対するMIGAの保証10億4,000万ドルが含まれる。

援助受入国における持続可能な開発プログラムと資本市場開発に充てるため、IBRDは今年度、国際資本市場で560億ドルの世銀債を発行して資金を調達した。その内の一つである「ムーラン債」は、中国国内の債券市場で初めて発行された特別引出権(SDR)建ての債券で、人民元の国際化を支援する。IBRDはまた、持続可能な開発目標(SDGs)の達成において民間セクターが担う役割を特に強調する債券を発行した。同債券の投資収益は、SDGsの達成に貢献する民間企業の株価指数に連動する。

2017年6月、初の世界銀行(IBRD)感染症債が発行された。これにより世界の最貧国は、感染症が発生並びに拡大してしまった際にパンデミック緊急ファシリティ(PEF)を通じて保険金を受け取ることができる。PEFは、世界銀行がドナーからの支援を得て立ち上げたパートナーシップであり、保険枠と現金枠の組み合わせを通じて、途上国が感染症大流行のリスクに対応できるよう今後5年間に5億ドル以上を提供する。


プレスリリース番号: 2018/004/ECR

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