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世界銀行対アフリカ気候変動支援計画:進捗報告


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2016年11月8日、ワシントン – 世界銀行は、2015年の対アフリカ気候変動支援計画(Africa Climate Business Plan: ACBP)発表以降、援助受入国、開発パートナー、民間セクターと協力し、同計画に沿った具体的なプログラムの詳細を詰める作業を行ってきた。気候変動に迅速かつ適切に対応できる運輸セクターの開発が新たな重点課題として追加され、32億ドルが投入されることになった。この内、28億ドルは国際開発協会(IDA)から動員される予定である。

世界銀行は引き続き、譲許的な気候変動対策資金に各国が容易にアクセスできる態勢づくりを進めている。こうした取組みの成果が明確に確認され始めるなど、目標達成に向けた取組みは順調に進んでいる。これまでのところ、33カ国の60件のプロジェクトに対し、ACBP実行資金としてIDAから36億ドルが動員されたが、その中には、世界銀行理事会がCOP21以降に承認したプロジェクトの他、今年末までに承認予定のプロジェクトも含まれる。

世界銀行は、アフリカ交渉団(AGN)とパートナーシップを結び、アフリカ各国がパリ協定発効後の次のステージで交渉力を発揮できるよう支援すると共に、現場での気候変動対策の促進にも協力している。同パートナーシップの下、ACBP加盟国のオーナーシップが強まると共に、AGNの機能も高まり、アフリカにおける気候変動対策への支援について、ACBPの重点分野を中心に更なる支援表明が可能となった。

ACBPには、海洋経済、海岸保全、森林、景観、移民、輸送、水、エネルギーなど、多くの主要分野で進捗が見られる。

海洋経済については、モーリシャス政府と世界銀行グループが共催した海洋経済と気候変動に関するアフリカ閣僚会議の場で、より強力かつより迅速に取組みを進めるための呼びかけが行われた。現在、西アフリカ沿岸部における気候変動の影響に対応するために、1億5,000万ドルのプログラムが準備されつつある。

気候変動に迅速かつ適切に対応する農業(CSA)については、世界銀行理事会が、11件のプロジェクトに対し、IDAから計14億ドルのコミットメントを承認している。これらのプロジェクトは、160万人以上の農民に恩恵をもたらし、CSAの手法に沿って約72万5,000ヘクタールの土壌を改良する予定だ。

エネルギー・アクセスは、アフリカの人々にとって何よりも重要である。世界銀行は、ACBPの中で、2020年までに1ギガワットの太陽光発電の態勢を準備する事を誓約している。現在、対象となる9カ国において近代的なオフグリッド・ソーラーにより一般市民に電力アクセスを広げるため、アフリカ全土を対象に2億ドルのプロジェクトが準備されている。水力発電や地熱発電についてのACBPの目標に向けても、順調な進捗が見られる。

アフリカが適応を進める上で鍵となる施策の一つが、水文気象サービスである。水文気象サービスと警報サービスのためのプロジェクトが、緑の気候基金からの2,300万ドルにより、気候変動に対する脆弱性の特に高いマリで実施されている。

森林と景観について、世界銀行は、「各国が決定する約束草案」の一環として、2030年までに荒廃地や森林破壊後の土地1億ヘクタールを再生させるという「アフリカの森林・景観再生イニシアティブ」の目標達成に向けて、ブルンジ、コンゴ民主共和国、エチオピアなど数カ国を支援している。

世界銀行グループは今後も、アフリカ各国の政府や現場の関係者と協力して、ACBPの有効かつ効率的な実施のために国際社会から資金の動員を図って行く。

「仙台防災枠組2015-2030」、「持続可能な開発目標」(SDGs)、気候変動対策としての「パリ協定」など、最近の国際的な合意に基づき、多くの国が緩和・適応の努力を強化すると誓約している。そのためには、追加資金の動員が必要になる。

45のアフリカ諸国が、パリ協定の一環として「各国が自主的に決定する約束草案(INDCs)」を実施すると誓約している。ACBPは既に、INDCsに沿った活動を実施するための様々な資金源の候補を絞り込んでいる。

ACBPは実施1年目にして、かなりの進捗を示したものの、アフリカの気候変動対策において不足している資金を確保するため、ACBPの資金目標達成と、更なる資金の動員の両面で、まだまだ課題は山積している。

報告書の全文はウェブサイトをご覧ください: 「気候変動に強い低炭素型開発の加速」(英語)



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