イベント
地震に関するダムの安全性管理
地震に関するダムの安全性管理:専門家との意見交換会
2016年3月11日東京、デリー


主催: 世界銀行東京防災ハブ 協力: 国土交通省、水資源機構

世界銀行東京防災ハブは、国土交通省と水資源機構の協力を得て、日本とインドの水資源管理専門家による「地震に関するダムの安全性管理」について、専門家との意見交換会を開催しました。本会議は「日本-世界銀行防災共同プログラム」を通して実施する「インドにおける防災サービス向上プロジェクト」の一環として行われたものです。

当日は、東京とデリーをテレビ会議システムで繋ぎ、日本の国土交通省、水資源機構 (JWA)、インドの中央水委員会 (CWC)、ウッタラカンド州電力局、ウッタラカンド水力発電公社 (UJVNL)、カルタナカ州水資源局、世界銀行のプロジェクトリーダーおよび防災専門官が参加し、以下に焦点をあてた討論を行いました。

  • インド代表団による日本のダム視察および水資源機構によるインドのダム視察から得た教訓
  • 上記視察から得られた知見のインドにおける活用
  • 地震に焦点をあてたダムの安全性管理と日本-インド間の将来的な協働に関するインド代表団の期待

ラビ・クマール・ピライ 中央水委員会プロジェクト・ディレクターは、世界銀行が支援する、インド7州250か所のダムの安全性と運用性能向上を目的とした「DRIPプロジェクト」の概要を説明しました。続けて、日本-世界銀行防災共同プログラムの支援により、2016年3月現在4回実施された日本のダム視察にDRIPプロジェクト実施機関の技術者が参加したことにふれ、日本のダム視察から得た知見と経験がプロジェクト設計や実施に非常に有益であったと報告しました。特に、早期警報システム、地震対応システムならびに土砂管理において日本の専門家と今後も協働していきたいと強調しました。

市原裕之 水資源機構総合技術センター国際グループチーフは、情報通信技術を活用した維持管理システム、地震モニタリング、早期警報システムを含む水資源機構のダム管理技術の概要を述べました。また、ダムの安全管理向上のために以下の3点を通して継続的に技術開発を行っていると説明しました。

  • 精度の高い計測・監視によるデータの蓄積と分析;
  • 多様な専門性と経験を有する人材の育成;
  • より高度な計測や調査を実施するための技術開発

また、2015年11月に実施したインドのイドゥキダムとネイヤルダムへの水資源機構専門家派遣を含む、インド中央水委員会と水資源機構間の相互専門家派遣の概要を報告しました。

市原氏は、本プログラムの支援のもとに水資源機構が作成中である、ダム技術者向けの地震時点検マニュアルについて紹介しました。木戸研太郎 水資源機構総合技術センター国際グループ長は、このマニュアルがインドの250か所のダムそれぞれに特化したマニュアル開発に向けての原型となることを期待し、インド中央水委員会が河川流域地区の安全性向上を目的として作成している緊急行動計画 (EAP) を支援することについても前向きであると述べました。ラビ氏は、このマニュアルに基づき、インドの250か所のダム固有の状況に特化した標準作業手順書 (SOP) を作成したいと述べました。

ウマカント・パンワール ウッタラカンド州電力局特別書記官は、同州における既存のダムの安全性および維持管理に関し、従来予算配分の優先順位が低かったことを指摘しました。パンワール氏は、視察を通して、技術者や州政府職員の能力開発のみならず、ダムの安全管理向上を考慮した適切な予算配分の必要性を実感したと報告しました。

市原氏は、1950年代に世界銀行による資金支援を受け水資源機構が管理している牧尾ダムの事例を挙げ、当時から同機構が蓄積してきた専門知識や経験をインドと共有し、防災を促進したいと強調しました。岡積敏雄 国土交通省海外プロジェクト推進課国際建設管理官は、インフラの老朽化は日本においても重要な課題で、インドも類似の課題を抱えていることにふれ、大規模インフラであるダムのより効率的な維持管理手法の向上に向けて、知見や経験を日本-インド間で今後も共有していくことに期待すると述べました。

閉会にあたり松本淳 世界銀行上級水資源管理専門官は、日本-世界銀行防災共同プログラムの支援により実施された視察を通して発展した水資源機構とインド中央水委員会の協力関係が、今後も持続的に継続していくことに期待するとまとめました。

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イベント詳細

日時:
2016年03月11日(金)
午前10時~午前11時30分 (JST)
午前06時30分~午前08時 (IST)

場所:
東京、デリー

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