プレスリリース

世界銀行グループ、エボラ出血熱の封じ込めに向け、ギニア、リベリア、 シエラレオネに総額1億500万ドルの支援を承認

2014年9月16日


ワシントン、2014916― 世界銀行グループ(WBG)理事会は本日、ギニア、リベリア、シエラレオネで猛威を振るっているエボラ出血熱の封じ込めに向けて、総額1億500万ドルの支援を承認した。これは、今回の危機により経済的打撃を被っている家庭やコミュニティへの支援、及び最も深刻な影響を受けている3カ国で再び流行が起きないよう基本的な公共保健医療システムの再建と強化を目指すものだ。今回の新規贈与は、8月初めに世界銀行グループが発表した2億ドルの対エボラ出血熱緊急支援の一部である。     

今回のエボラ出血熱緊急対応の新規プロジェクトにより、感染者数が最も多いリベリアに対し5,200万ドル、シエラレオネに2,800万ドル、ギニアに2,500万ドルがそれぞれ供与される。

この資金配分は、世界保健機関(WHO)の「エボラ出血熱対策ロードマップ」、及び各国の感染状況に基づいて算定された。世界銀行グループは、「この緊急対応資金では、感染拡大を食い止めるには少なすぎる」とし、これらの国に対してさらなる拠出を行う可能性を示唆した。

自らも感染症の専門家で医学博士である世銀グループのジム・ヨン・キム総裁は、今回の新規プロジェクトを理事会に提出するにあたり、こうしたエボラ対策支援が域内の開発にも長期的に効果をもたらすだろうと述べた。さらに、国連(UN)と世界保健機関(WHO)が主導する国際機関間の協調的取り組みの重要な一部を占めるものであると語った。

「国際社会は、これら3カ国で起きているエボラ出血熱危機に対して、より一層の支援を行うべきだ」と、ジム・ヨン・キム総裁は述べている。「世界銀行の新規贈与は、ギニア、リベリア、シエラレオネに間もなく拠出され、各国のエボラ封じ込め対策に即座にプラスの影響を与えることができるだろう。この危機に素早く対応していただいた理事会に対して、個人的にも感謝の意を表したい。」 

今回の支援のプロジェクト・ドキュメントには、次のように記されている。エボラ出血熱によって人々の移動が制限されていることから、「最も深刻な影響を受け隔離されている3か国の国境周辺地域では、食糧危機が発生している。マノ川流域では食糧不足が急速に広がっており、今後数ヶ月で、この地域の住民100万人以上が食糧危機に直面するだろう。さらに、エボラ危機が長引けば、隔離措置などで人と物資の移動が妨げられ、食糧危機が他の地域にも広がる恐れもある。」 

新規支援の最大40%は、世界銀行グループの一機関である国際開発協会(IDA*)の危機対応融資制度により拠出される。この制度は通常、大型の自然災害や経済危機に見舞われた貧困国を支援するものだが、最も深刻な影響を受けた3カ国では、エボラ封じ込め対策に遡及的に制度を利用することが可能となる。

*IDA(国際開発協会)は世界の最貧国を対象に支援を提供する世界銀行の基金

エボラとの闘いにおける優先項目

新プロジェクトは、3カ国に対して次に挙げる優先項目に資金を提供する。(i) 各国による「集団感染対応計画」の実施、及び基本的保健医療サービスの提供、(ii) 感染症に対応する内外の医療従事者数の十分な確保に向けた支援と基本的保健医療サービスの提供、ならびに隔離された家庭やコミュニティの他、エボラ出血熱の影響を受けた家庭への食糧と水の支給、である。こうした資金は、国連機関の支援の下で、3カ国の政府により配分される。 

「西アフリカのエボラ出血熱封じ込め対策を支える医療従事者の皆さんが、自らの命をかえりみずに献身的に活動しておられることに対し、どんなに感謝をしてもしきれない気持ちです。世界銀行グループの支援により感染から身を護る医療服や医療器材が支給され、医療従事者の皆さんが安心して患者の介護や治療など最前線の任務にあたることができるようになるでしょう」と、マクタール・ディオップ世界銀行アフリカ地域総局副総裁は述べる。「また、この感染症の封じ込めに最善を尽くしておられる3カ国の政府の並々ならぬ努力に対しても敬意を表します。今回の流行は、エボラ出血熱が1976年にアフリカで最初に発見されて以降、最も長く、深刻な事態となっています」

ディオップ副総裁によると資金の使途は以下の通りとなっている。

  • 救急医療センターや高度医療施設で働く医療従事者(ボランティアも含む)への危険手当と補償金の支払い
  • 感染した医療従事者への現地での医療ケア
  • 感染した医療従事者の家族への死亡給付金支払い
  • 海外の医師、看護師、その他の医療従事者や医療補助者の採用、研修、配備

世界銀行グループによると、ギニア、リベリア、シエラレオネでは、今のところ医療従事者の給与支払いに大きな遅滞は出ていないが、エボラ出血熱の大流行による経済的影響を受けて政府の財政が逼迫した場合には、医療従事者の通常の給与をプロジェクト資金で賄うこともあり得るとしている。  

加えて、今回のプロジェクトは、西アフリカにおける基本的公共保健医療システムと保健医療サービス体制(疾患の監視や準備態勢も含む)の再建・強化も支援する。こうした取り組みは、エボラ出血熱の隣国への感染拡大を防ぐためにも、また将来感染症が発生した際に地域全体で時宜を得た効果的な対応を講じられるようにするためにも重要となる。

「影響を受けた国の保健医療システムは元々が脆弱であり、エボラ出血熱の封じ込めは遅々として進んでいません。このことは取りも直さず、保健医療分野で達成されている最近の進歩を帳消しにする深刻な危険をはらんでいます」と、ティモシー・エヴァンス世界銀行グループ保健・栄養・人口HNP)担当上級局長は述べている。「この疾患の感染拡大を食い止め、将来の発生を防ぐには、これらの国で、訓練を受けた医療従事者や基本的医療器材を確保し、効果的な対応システムを確立しなければなりません」    

隔離されたコミュニティのための食糧確保 

ギニア、リベリア、シエラレオネの隔離された地域や『ホットゾーン』では、新規プロジェクトにより、エボラ出血熱の影響を受けた家庭への食糧や他の基本物資の支給が改善される見込みである。当面は、隔離地域や『ホットゾーン』の最大39万5,000人の住民に焦点をあてて支援物資を送り込む予定である。さらに「最も深刻な影響を受けた人々に対して、食糧不足や栄養状態の急速な悪化を防ぐためにも」、食糧と安全な飲料水を十分に確保することが肝要となる。

世界銀行グループによる資金供与に伴い、国連世界食糧計画(WFP)は、カロリー面と栄養面で必要摂取量を取り入れた食糧パッケージを提供する。その他の基本物資(飲料水や滅菌用塩素など)については、各国の隔離地域や『ホットゾーン』、そしてエボラの影響を受けた家庭のニーズに応じて決定される。さらにWFPは、病院と経過観察センターでは各施設を担当する医療パートナーを通じて調理済み食品を用意し、その他の場所ではコミュニティ全体に携帯型の固形乾燥食品を配布する。

世銀グループのエボラ対策と緊急支援の詳細については以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.worldbank.org/en/topic/health/brief/world-bank-group-ebola-fact-sheet 

 



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プレスリリース番号:
2015/096/AFR

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