プレスリリース

世界全体の貧困者数は大幅に減ったが 依然として重大な課題が

2013年4月17日

ワシントン、20134171日1.25ドル未満で暮らす人の数は、この30年間で著しく減少した。1981年には途上国人口の半分が最貧困であったが、2010年までに途上国人口が59%増加したにもかかわらず最貧困比率は21%にまで減少した。しかし、世界銀行が本日発表した最貧困層に関する研究報告は、依然として12億人が最貧困状態にあり、最近の目覚ましい進展にもかかわらず、サブサハラ・アフリカは今も世界の最貧困層の3分の1以上を占めると指摘している。

「途上国では、1日1.25ドル未満で暮らす貧困層の削減に大きな進展が見られるが、それでもなお12億人が極度の貧困状態にあるという事実は、我々全員の良心に汚点として残っている」と、世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁は述べている。「国際社会はこの数値を、貧困との戦いを次のレベルに押し上げるための警鐘とみなすべきだ。我々の分析と活動は、貧困層がどこに暮らし、また状況が最も深刻なのはどこなのかを示すことができる。これは、2030年までに極度の貧困をなくすための取組みに役立つだろう」

「世界開発指標」の最新版データを用いた「貧困層の分析:貧困層及び最貧困層の地理的分布」と題された報告は、最貧困人口は1981年から2010年までの間にすべての途上地域で減少したことを示している。また、サブサハラ・アフリカとラテンアメリカ・カリブ海地域は共に、21世紀に入り新しい局面に入った。サブサハラ・アフリカの最貧困率は1981年から1999年まで51%から58%へ上がり続けたが、1999年から2010年に10%ポイント減少して現在は48%となっている。これは実に10年間で17%の削減率を意味する。ラテンアメリカ・カリブ海地域の最貧困率は、20世紀最後の20年間に約12%で推移した後、1999年から2010年にかけて半減し現在は6%となっている。

しかしながら、サブサハラ・アフリカでは、貧困率こそ低下したものの、1981年から2010年にかけて貧困人口が増え続けた世界で唯一の地域となっている。しかも、大幅な増加であり、現在サブサハラ・アフリカの最貧困層は、30年前の2億500万人の2倍以上に当たる4億1400億人を数える。その結果、サブサハラ・アフリカの最貧困層は、1981年には世界の総数の11%に過ぎなかったが、今では3分の1以上を占めるに至っている。インドも3分の1(1981年は22%)を占め、次に多い中国は13%(1981年の43%から減少)を占めている。

大半の地域で、所得が拡大し貧困ギャップが縮小

同報告は、途上国の最貧困層の平均所得は増進し、1日1.25ドルの貧困ラインへと着実に近づいている。2010年、途上国の最貧困層の平均所得は(2005年の購買力平価で)1人当たり1日87セントまで上昇している(1981年は74セント)。

ただし、最貧困層のこの所得の伸びも、残念ながらサブサハラ・アフリカでは見られない。同地域では1981年から2010年、最貧困層の平均所得は基本的に、1.25ドルの貧困ラインのほぼ半分のレベルで横ばいであった。

さらに、同報告は、2010年の時点で、世界の最貧困層の貧困ギャップ総額は2005年の購買力平価で1690億ドルで、世界全体のGDPの約0.25%となったとしている。これは、1981年の貧困ギャップ3620億ドルと比べて半分以下に減ったことを意味する。最貧困層の貧困ギャップとは、平均的な最貧困者が1日1.25ドルに到達するために、あといくら所得が必要かという概念的な額であり、不足分を埋めるために必要な援助の額を示すものではないことに留意すべきである。

「貧困削減では進展が見られたが、世界の人口の5分の1近くが今も貧困ライン以下の状態にある以上、まだ十分ではない」と世界銀行のカウシィク・バス副総裁兼チーフ・エコノミストは述べている。「貧困層へ投資を向けていくには、世銀、パートナー各国、国際開発コミュニティの協調した取組みが必要であり、幸運にも裕福に暮らす人々の側に負担が伴うことを直視しなければならない」

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プレスリリース番号:
2013/341/EXT