イベント
ラテンアメリカ協会とラウンドテーブルを共催
2016年5月12日東京

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世界銀行は2016年5月12日、アウグスト・デラ・トーレ世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミストの来日の機会を捉え、一般社団法人ラテンアメリカ協会とラウンドテーブル「アジアとラテンアメリカ:成長し続けるか、ひとつの時代の終焉か」を共催しました。

過去20年の間、豊かな北と貧しい南という世界経済のかつての単純な南北格差の構図は一変しました。一次産品市場が過熱した2000年代においては、ラテンアメリカ・カリブ海地域の平成長率は約5%に達し、同地域の人口のうち最貧困40%の収入は他のどの地域よりも増加するなど、経済成長が広がりを見せましたが、その後グローバル経済は減速し、同地域の中期的な経済見通しは大きく後退しました。主要新興国経済の減速は、過去15年間に達成した様々な成果を脅かしており、最貧困層の3分の2が中所得国に居住していることを考えると、ラテンアメリカに限らず、すべての途上国にとっての新たな課題であるといえます。

ラウンドテーブルでは冒頭、塚越保祐・世界銀行グループ駐日特別代表が挨拶を述べ、続いてデラ・トーレ チーフエコノミストが報告書「ラテンアメリカと成長する途上国:変貌する世界と優先順の中で」の主なポイントを中心に基調講演を行いました。同報告書は、2015年10月にペルー・リマで開催された世界銀行・IMF年次総会を前に世界銀行が発表したもので、地域内外に拡大する東アジアの貿易と米国が大半を占めるラテンアメリカの貿易について比較分析を行っています。ラウンドテーブルの後半では、ラテンアメリカ協会の理事や会員企業の皆様から、ラテンアメリカの成長の質の向上の必要性、他の地域と比較したラテンアメリカ経済の優位性、今後の成長軌道にとっての自然資源の活用、等のご質問をいただき、活発な意見交換が行われました。

ラウンドテーブルには世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域総局から、同チーフエコノミストの他に、ダニエル・レダーマン同副チーフエコノミスト、マルセラ・サンチェス・ベンダー広報担当官も参加しました。

 

講演者紹介

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アウグスト・デラ・トーレ
世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域担当チーフエコノミスト

1997年、世界銀行入行。ラテンアメリカ・カリブ海地域金融上級アドバイザーを経て現職。世界銀行入行以前は、エクアドル中央銀行総裁、国際通貨基金(IMF)ベネズエラ駐在代表などを歴任。ノートダム大学経済学博士号・修士号、エクアドル・カトリック大学哲学学士号取得。


 




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