鉱業セクターは途上国の経済開発の主要な動力源のひとつです。鉱業関連の法整備などの環境が整えば、鉱物探査や採掘などへの民間セクター投資が促進しやすくなり、税収や輸出収入の増加、雇用機会の創出、農村地域でのインフラストラクチャーの開発、当該国への技術移転などにつながります。1988年以来、世界銀行は24か国の採掘産業セクター(原油、ガス、鉱業合わせて)の改革に対し、14億米ドル以上の支援を行ってきました。世界銀行の鉱業セクター支援は、アフリカにおける鉱業の可能性と厳しい貧困問題などにより、約70%が対アフリカ地域向けで、東および南アジアがそれに続いています。
本ビジネスセミナーでは、第2回日アフリカ資源大臣会合のサイドイベントとして開催された日アフリカ鉱業・資源ビジネスセミナー(J-SUMIT2)のために来日したマイケル・スタンレー世界銀行主任鉱業専門官が、鉱業セクターの可能性とガバナンス改革などの課題、世界銀行が各地で展開する鉱業セクター支援の取り組み状況や現在準備中の主要プロジェクトなどについてご紹介しました
当日の資料
Extractives Sector Governance: Over View of Global Practices
スピーカー
マイケル・スタンレー 世界銀行主任鉱業専門官
世界銀行の採掘セクターにおける融資業務、分析、世銀グループの採掘セクター戦略の策定、原油・ガス・鉱業分野の専門スタッフの育成における技術的なリーダーシップをとっている。28年以上にわたり、民間セクターおよび世界銀行(2003年以降)において、ラテンアメリカ、ヨーロッパ・中央アジア、アフリカ、南および東アジア各地の資源開発に従事。とくに鉱業セクター開発に関する政府への助言、鉱業セクターのガバナンス改善、公的セクターおよび民間セクターによる鉱業投資の融合などに携わる。ウェスタンオンタリオ大学で理学士号(地球科学)、マクギル大学で理学修士号(鉱物探査学)、アリゾナ大学で博士号(鉱物経済学・鉱業学)取得。カナダ出身。