現在、途上国がインフラ開発に費やす資金は年間約1兆ドルに上ります。成長率を維持し、将来の需要を満たすためには、2020年まで毎年、少なくとも1兆ドル以上の追加投資が必要です。しかしながら、新興国と途上国における民間企業によるインフラ投資は、2012年の1,860億ドルから昨年は1,500億ドルに減少しているのが現状です。こうした中、世界銀行グループは、途上国における道路、橋、エネルギー、水といったインフラプロジェクトに取組んでおり、2014年度はインフラ分野に対し前年比45%増の242億ドルの支援を実施しています。
世界銀行グループは、このような世界の膨大なインフラ・ギャップを解消するため、2014年10月9日に「グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)」を新設しました。GIFの目的は、民間企業や各国政府、国際開発金融機関といったパートナーと協働しつつ、大規模でリスクが高く、複雑なインフラプロジェクトを資金面からみて実現させることです。このたび、GIFのジョーダン・シュワルツ事務局長来日の機会を捉え、GIFの概要についてご説明するセミナーを開催しました。本セミナーでは冒頭、塚越保祐・世界銀行グループ駐日特別代表、濱田秀明・財務省国際局開発機関課課長補佐による挨拶の後、シュワルツ事務局長が将来のパートナーとしての日本の民間企業(金融機関、商社、建設会社、エネルギー関係企業など)の皆様に、GIFの目的、役割、機能などをご紹介しました。続いて、本間学・株式会社国際協力銀行インフラ・環境ファイナンス部門審議役のコメントの後、会場の皆様からのご質問にお答えしました。
プログラム
挨拶
塚越保祐 世界銀行グループ駐日特別代表
濱田秀明 財務省国際局開発機関課課長補佐
説明
ジョーダン・シュワルツ 世界銀行グループ グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ事務局長
コメント
本間学 株式会社国際協力銀行インフラ・環境ファイナンス部門審議役
当日の資料
Business Seminar on the Global Infrastructure Facility (GIF) (PDF)
説明者
ジョーダン・シュワルツ
世界銀行グループ グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)事務局長
過去23年間、インフラ開発、PPP、ロジスティクス、地域統合といった経済開発の分野で活躍。
世界銀行の東アジア・大洋州地域、ラテンアメリカ・カリブ海地域、欧州・中央アジア地域、アフリカ地域におけるエネルギー、輸送、水分野に関する融資および助言業務を主導。ラテンアメリカ・カリブ地域総局においてインフラ担当リード・エコノミスト、持続可能な開発ネットワークの交通・水情報通信・インフラ政策担当マネージャーを経て、2014年7月より現職。
1998年の入行以前は、ブーズ・アレンの交通セクターコンサルティンググループやデロイト・イマージング・マーケッツで勤務。