私たちの取組み
世界銀行グループは、プライマリ・ヘルスケアの再設計、国民健康保険制度の拡大、重要な医療用品の製造体制の強化、民間セクターの参入を促す規制改革の支援、医療従事者の育成といった戦略的な投資を通じて、各国が持つ経済的な潜在力を発揮できるよう支援しています。
世界銀行グループが、15億人に質が高く負担可能な費用で保健医療サービスを届けるという目標を達成するためには、より賢明な資源の活用、大胆な発想、そして強力なパートナーシップが欠かせません。しかし、私たちが力を合わせれば、必ず目標を実現することができます。
私たちの戦略の中核をなすのは、次の3つの要素です。
あらゆる世代の健康を守る
- 母子保健・栄養サービスから、非感染性疾患への対応、高齢者の長期ケアまで、人生のあらゆる段階における保健医療サービスの提供を拡大します。
最も支援が届きにくい人々にも
- 地域の医療従事者、在宅サービス、遠隔医療に加え、学校や薬局をサービス提供の拠点として活用し、すべての人に治療を届けます。
経済的な負担を減らす
- 医療費の補助や国民健康保険制度の拡充を通じて、家族が食費などの生活を犠牲にすることなく、健康を守ることができるようにします。
これらを効果的に実現するためには、保健システムの変革が不可欠です。その中心には強固なプライマリ・ヘルスケアを据え、人材育成、強靭なインフラ整備、保険制度の拡充、サプライチェーンの近代化、そして民間セクター投資を促進するための規制枠組みの整備にも取り組む必要があります。
世界銀行グループの民間セクター支援機関であるIFCは、ワクチンや医療機器などの重要な医療用品の現地生産を強化し、医薬品の製造と流通を支援するため、途上国における民間資本の動員を加速させています。
また、IFCは、各国政府が官民パートナーシップを構築し、公的保健セクターが民間セクターの専門性を活用してサービス提供を行えるように支援を行っています。こうした支援により、公衆衛生に関する目標の達成に向けて各国の能力を補完、拡大することが可能となります。
協力を拡大し、成果を出す
この目標を達成するためには、政府、企業、市民社会、そして慈善団体などすべての関係者が一体となって行動することが不可欠です。世界銀行グループは、2025年に開催されるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)フォーラムに向け、世界の保健分野のリーダーたちと連携し、改革の加速、知識共有、資金調達の強化に取り組んでいます。
保健システムの変革と強靱化に係るマルチドナー基金(HSTRF) は、2030年までに15億人に質が高く負担可能な費用で保健サービスを提供するという目標の達成と各国の取組みを支援するために設立された世界銀行の主要な信託基金です。この基金は、ドナーからの拠出を集約し、外部資金を統合することで重複を減らし、途上国の国家計画に沿った投資を促進します。これにより、各国の保健省はサービス提供に集中することができます。
15億人という共通の目標のもとに力を結集することで、私たちはより健康な人々、より強固な経済、そしてすべての人にとってより公平な未来を築くことができます。