新興国及び途上国地域は、貿易摩擦の悪化と世界的な不確実性の高まりを背景に、厳しい見通しに直面しており、2025年の成長予測は1月時点の予測から全地域で下方修正された。世界貿易への依存度の高い東アジア・太平洋地域とヨーロッパ・中央アジア地域では成長が鈍化すると予測されており、南アジア地域でも成長は減速する見込みである。ラテンアメリカ・カリブ海地域では、高い貿易障壁と長年の構造的脆弱性によって経済活動が抑制されるため、予測期間中の成長率は全地域の中で最も低くなる見通しである。中東・北アフリカ地域やサブサハラ・アフリカといった一次産品輸出国が多い地域では、一次産品に対する国外需要の見通しの悪化により、成長が抑制されると予想される。
東アジア・太平洋地域:経済成長率は2025年に4.5%、2026~27年は4.0%に減速。詳細は地域別概要 を参照。
ヨーロッパ・中央アジア地域:経済成長率は2025年に2.4%に減速し、2026~27年に2.6%に小幅に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。
ラテンアメリカ・カリブ海地域:経済成長率は2025年には横ばいの2.3%を維持した後、堅調に推移し、2026~27年は平均2.5%に上昇。詳細は地域別概要(英語)を参照。
中東・北アフリカ地域:経済成長率は2025年に2.7%に上昇し、その後さらに加速して2026~27年は平均3.9%に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。
南アジア地域:経済成長率は2025年に5.8%に減速した後、堅調に推移し、2026~27年は平均6.2%に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。
サブサハラ・アフリカ: 経済成長率は2025年に3.7%へと小幅に上昇し、2026~27年は平均4.2%に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。