世界経済は力強いが、脆弱国には遅れが

世界経済は、強まる貿易関連の逆風を受けてなお非常に強靭であった。昨年の経済成長率は予想を上回っており、2020年の景気後退からの回復を過去60年で類のない強いものとしたが、その一方で、脆弱な新興国及び途上国は依然として遅れを取っていた。今年は、企業が在庫の積み増しを抑制し、関税の影響が強まることもあり、世界の成長率はわずかに鈍化すると予測されている。新興国及び途上国では2035年までに12億人の若者が生産年齢に達すると見込まれており、そうした人々の雇用を生み出すという課題はさらに大きくなっている。貿易環境の改善、資金調達に関する制約の緩和、気候リスクの軽減に向けた国際的な取り組みと、貿易の多角化、マクロ経済政策の枠組み強化、構造的制約の解消に向けた国内改革を組み合わせることが、投資の活性化、成長の維持、堅固な雇用創出の促進に不可欠である。

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世界経済予測

貿易摩擦の激化や政策の不確実性の高まりにも関わらず世界経済は力強く、昨年の成長は、商品の在庫積み上げ、リスク選好の強まり、人工知能関連投資、サプライチェーンの柔軟な調整に支えられた。しかし、新興国及び途上国の4分の1超で、国民一人当たりの所得が依然としてコロナ禍以前の水準を下回っている。昨年の成長に寄与した要因のいくつかの効果が薄れるにつれ、今年の世界経済の成長率は2.6%に鈍化すると予測されている。不安定な新興国及び途上国、とりわけ低所得国や脆弱国といった国々は、成長を維持し雇用を創出するうえで、ますます大きな課題に直面している。経済成長へのリスクは下振れしており、貿易障壁の増加や金融市場への圧力などが挙げられる。長期的な成長や雇用創出を支えるには、国際協力と国内改革が引き続き極めて重要である。

  実質GDP成長率 (%)   改定*
  2023 2024 2025e 2026f 2027f   2025e 2026f 2027f
世界 2.8 2.8 2.7 2.6 2.7   0.4 0.2 0.1
先進国 1.6 1.7 1.7 1.6 1.6   0.5 0.2 0.0
新興国・途上国 4.4 4.3 4.2 4.0 4.1   0.3 0.2 0.2
   東アジア・大洋州地域 5.2 5.0 4.8 4.4 4.3   0.3 0.4 0.3
   ヨーロッパ・中央アジア地域 3.6 3.6 2.4 2.4 2.7   0.0 -0.1 0.0
   ラテンアメリカ・カリブ海地域 2.4 2.4 2.2 2.3 2.6   -0.1 -0.1 0.0
   中東、北アフリカ、アフガニスタン、パキスタン 2.1 2.6 3.1 3.6 3.9   0.4 -0.1 -0.1
   南アジア地域 8.0 6.3 7.1 6.2 6.5   1.0 -0.2 0.0
   サブサハラ・アフリカ地域 3.0 3.7 4.0 4.3 4.5   0.3 0.2 0.2
* 2025年6月予測からの%㌽変化
すべてのデータはExcelファイルとしてダウンロードできます。

地域別予測

新興国及び途上国の各地域は、昨年の貿易関連の逆風に対して予想以上に強靭であり、輸出の一時的な前倒しや世界的な金融環境の緩和の恩恵を受けた。にも関わらず、2026年と2027年の成長予測は地域によって異なっている。2026年には、東アジア・太平洋、南アジア、ヨーロッパ・中央アジア、そしてラテンアメリカ・カリブ海の各地域で、成長が鈍化、または概ね横ばいと見込まれる。その内、南アジア地域は引き続き最も強い成長を示し、またヨーロッパ・中央アジア地域とラテンアメリカ・カリブ海地域の成長率は最も低くなる見通しである。その一方、中東・北アフリカ・アフガニスタン・パキスタン及びサブサハラ・アフリカの両地域では、より堅調な成長が見込まれる。2027年に貿易の回復が進むにつれ、経済活動はほとんどの地域で強まると予想される。成長見通しの下振れリスクには、貿易摩擦や政策不確実性の再燃、世界的な金融環境の引き締め、財政の脆弱性の高まり、地政学的緊張と紛争の激化、そして気候や公衆衛生に関連するショックが含まれる。

東アジア・太平洋地域:経済成長率は2026年に4.4%、2027年は4.3%に減速。詳細は地域別概要 を参照。

ヨーロッパ・中央アジア地域:経済成長率は2026年に2.4%と横ばいで、2027年は2.7%に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。

ラテンアメリカ・カリブ海地域:経済成長率は2026年に2.3%に小幅上昇し、2027年は2.6%に上昇。詳細は地域別概要(英語)を参照。

 中東、北アフリカ、アフガニスタン、パキスタン:経済成長率は2026年に3.6%に上昇し、その後さらに加速して2027年は3.9%に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。

南アジア地域:経済成長率は2026年に6.2%に低下し、2027年は6.5%に回復。詳細は地域別概要(英語) を参照。

サブサハラ・アフリカ: 経済成長率は2026年に4.3%に上昇し、2027年にはさらに4.5%に上昇。詳細は地域別概要(英語) を参照。

プレスリリース

発行日 プレスリリース 東アジア・大洋州地域
2026年1月13日 歴史的な貿易と政策の不確実性の中でも強靭さを示す世界経済;
ただし、4分の1の途上国では依然として2019年より貧困が悪化
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2024年1月9日 世界経済、過去30年で最低の水準へ ―投資拡大と財政政策強化に向けた改革が流れを変える可能性― (PDF)
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2023年1月10日 急激かつ継続する成長減速が開発途上国に大打撃; 2023年の世界経済成長率は1.7%に減速 6カ月前予測は3.0% (PDF)
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